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特にいつもと変わらない日だった
強いて言えば、「僕のヒーローアカデミア」の最新刊を買ったことだろうか。
放課後本屋に立ち寄り、もう少しで売り切れの漫画を手に取りレジへ。
買った後はそれを自転車のカゴに入れ、自宅へ向かう。
途中で信号に捕まった。
早く読みたいのに、とか思いながら走っていく車を見ていた。
すると視界の端から何かが飛び出した。
____________ベビーカーである。
しかもトラックが近づいてきている。
こういう時は普通猫とか子供なのだが、それは一旦置いておこう。
この信号の前には坂がある。
緩やかではあるが、甘く見てはいけない。
恐らく、固定し忘れた、といったところだろう。
とっさの事で、考えるよりも先に体が動いた。
自転車から降り、ベビーカーを掴む。
そして勢いよく手前に引き、さっきまで自分がいた位置にベビーカーがあるのが見えた。
ひとまず安心するが、その時にはトラックが真横まで来ていた。
グシャ、と嫌な音とトラックのクラクションが聞こえる。
ぼーっとする頭の中で、あっこれ死ぬな、と呑気に自覚する。
そしてどうせ死ぬんだ、と思い、
『(来世はヒロアカ世界に転生しますように、美少女にそしてチートに産まれますようにヒロアカ世界に行けたらキャラ達とキャッキャウフフできますように___)』
欲を(心の中で)ぶちまけた。
そこまでぶちまけた後、意識が途絶えた。
__________暗転