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#ターボー
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それから数日後の夜。
ちょんまげの家。
「おーい、いるか?」
玄関から声がした。
聞き慣れた声。
「ターボー!?」
慌てて玄関に向かう。
ドアを開けると、本当にターボーが立っていた。
「よう」
「ど、どうしたの急に」
「近くまで来たから」
そう言って、当たり前のように家に入ってくる。昔からこうだ。
「飯食った?」
「まだ」
「じゃあ何か作るわ」
キッチンに立つターボー。
その背中を見ながら、ちょんまげは少しだけ落ち着かない気持ちになっていた。
あの夢のせいだ。変に意識してしまう。
食事をして、少し雑談をして。
夜も遅くなった頃。
ちょんまげが皿を洗っていると、 後ろから腕が回された。
「……え?」
背中に温もり。
抱きしめられている。
「タ…ターボー?」
耳元で、低い声。
「ちょんまげ」
心臓が止まりそうになる。
「ずっと好きだった」
その言葉。
夢と同じだった。
頭が真っ白になる。
「……え」
振り向く。
ターボーの真剣な目。
「またっ…こんな夢…」
「夢じゃないから」
そう言って、キスされた。
唇が触れる。温かい。リアルな感触。
「っ…」
離れたあと、ターボーが小さく笑う。
「ほら、夢じゃない」
そのまま、もう一度キスされた。
そして――
ちょんまげの体は、夢の通りにベッドへと押し倒されていった。
ベッドに押し倒された瞬間、ちょんまげの頭は完全に混乱していた。
視界いっぱいにターボーの顔。
マットレスが沈んで、体が包まれる。
「……ターボー」
名前を呼ぶ声が、自分でも驚くくらい震えていた。ターボーはちょんまげを見下ろしたまま、小さく笑う。
「まだ夢だと思ってる?」
「……」
言い返せない。
だって、さっきの流れがあまりにも夢と同じだったから。
するとターボーは少しだけ顔を近づけてきた。
「じゃあ確かめる?」
「え…?」
その瞬間、唇が重なった。
「ん…っ」
柔らかく触れるキス。
でも、すぐに深くなる。
舌が触れてきて、ちょんまげの体がびくっと震えた。
「ちょ…ターボー…」
息が乱れる。
ターボーは一度唇を離して、ちょんまげの頬を指でなぞった。
「顔、真っ赤」
「そ、そりゃ…!」
「可愛い」
さらっと言われて、更に顔が熱くなる。
「俺、ずっと我慢してたんだよ」
「……え?」
「ちょんまげのこと」
その言葉に、胸がぎゅっと締め付けられた。
ターボーはゆっくりとちょんまげの髪を撫でる。
「ニートだった頃、覚えてる?」
「……うん」
「正直さ」
少し苦笑する。
「最初は、心配だった」
当たり前だ。
あの頃の自分は本当にボロボロだった。
「でも」
指が頬に触れる。
「一緒に仕事するようになってさ」
「……」
「だんだん、可愛く見えてきた」
「えっ…」
ちょんまげは思わず声を上げた。
「いや待ってそれはおかしいでしょ!」
「なんでだよ」
「僕男だし!」
ターボーは平然としていた。
「知ってる」
「じゃあなんで!」
するとターボーは少しだけ意地悪そうに笑った。
「男だとか関係ない」
「……え?」
「ちょんまげだから好きなんだよ」
胸がドクンと大きく鳴る。
言葉が出ない。
ターボーはそのまま額に軽くキスを落とした。
「ちょんまげ」
優しい声。
「嫌?」
その質問に、ちょんまげは目を逸らした。
嫌なわけがない。
寧ろ――
「…ずっと」
声が小さくなる。
「好きだった」
言ってしまった。
ターボーの目が少し大きくなる。
「マジ?」
「……うん」
「いつから」
「多分、昔から」
数秒の沈黙。
「じゃあ、俺と付き合ってくれる?」
「…うん」
ぎゅっと強く抱きしめられた。
「やば」
ターボーが低く呟く。
「今めちゃくちゃ嬉しい」
その声が、本当に嬉しそうで。
ちょんまげの胸がじんわり温かくなる。
でも――
「……ターボー」
「ん?」
「その、あの」
言いにくい。
すごく言いにくい。
「この流れって…」
「うん」
「その…する感じ?」
ターボーは一瞬黙ってから、笑った。
「今更?」
「だって!」
ちょんまげは枕を抱えた。
「僕そういう経験ないし…」
「知ってる」
「えっ」
「なんとなく」
ターボーは優しく頬を撫でる。
「大丈夫」
そのまま、またキスされた。
今度はゆっくり。
安心させるみたいに。
「怖い?」
「…ちょっと」
「じゃあゆっくりにする」
耳元で囁く。その声だけで体がぞくっとした。
ターボーの手がシャツのボタンに触れる。
一つずつ外していく。
「タ、ターボー…」
「ん?」
「ほんとに…現実?」
「だから」
笑いながらキスしてくる。
「何回言わせるんだよ」
唇が離れる。
そして囁いた。
「夢じゃない」
そのまま再び唇が重なった。
部屋の中は静かで、聞こえるのはお互いの吐息と心臓の音だけだった。
そしてその夜。
ちょんまげはずっと好きだった幼馴染と、夢の続きよりずっと甘い時間を過ごすことになる。
END