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「太智」
近寄って声をかければ
「ん…おかえり~」
なんだか悩んでるような面持ちで
こっちを見上げる
「ただいま…って、どうした?
何かトラブってる?」
俺たちの中で一番面白いはずのこいつが
こんなにテンション低い様子なのも珍しい
「いや、まぁ、なんもない」
「体調ヤバいなら言えよ、
正月でも診察してくれるとこすぐ探すから」
「体調は万全よ、胃袋も肝臓も。
ただ、なぁ、、
勝手に心配ごとがあんねん。それだけ」
小さく溜息をこぼす幹事だが
これ以上、ここで問いただしても
打ち明けてくれない気配がする
「…先ちょっと飲まない?
舜太になんかもらってくる」
「あっちの厨房の方におるわ」
太智に教わって
厨房らしき方へ行ってみる。
柔太朗の華やかさとはまた違う
洗練されたスーツの着こなしで
とにかく目を惹く舜太が
たくさんのワイングラスを前に
手元にはワインリストか?
従業員の人と話している最中、俺に気付いた
「勇ちゃん!おかえりっ」
話していた相手にリストを託すと
大きく笑いながら、こっちに歩み寄る
「ただいま。悪い、話途中に。
なんか太智と暇しててさ
先にビールかワインもらってもいい?」
最後まで話し終える前に
俺は舜太に腕を引っ張られて
何故かこいつは
耳元でこっそり囁く。
「今日、仁ちゃんが来るかもって」
卒業して
一度も会ったことの無い
あいつの出席を知らされて
一瞬、言葉を失う。
腕を離した、舜太は語る。
「仕事がたまたま無いんやって。
海外の雑誌の撮影終わって、昨日帰国して。
明日まで休みらしいんよ」
中学になってからの付き合いだった
俺や柔太朗や舜太と違う
小学校からずっと一緒だった太智に
同窓会の案内メールを見た仁人から
連絡があったらしい。
確か太智は、今も何年かに一度くらいは
仁人に会ってるはずだ。
「太智、何も言ってなかったぞ?
柔太朗も」
「太ちゃんも柔も
久しぶりに仁ちゃんに会えるかもやけど。
もし、急な仕事とかでやっぱり会えんかったら
寂しいやん」
…確かに
「他の皆も糠喜びさせたくないしさ、
太ちゃんは幹事補佐と俺と勇ちゃんにしか
知らせてない。
幹事命令で、仁ちゃんに会うまではおとなしく待て、って」
太智の方を振り返って見れば
さっきより事態は深刻で
頬をテーブルにくっつけて、溶けている。
「…来るかどうか未知数、なんだな」
「絶対来て!って誘ってOKもらったらしいけど仁ちゃんマジで忙しいやろ?
予定変わるかもしれんし、
だから太ちゃんもあんな感じ」
仁人に会えるかもしれない期待と同時に
会えない可能性からの緊張が走って
最終的には
わかった、としか口から出てこなかった。
#おらふくん
ばななそーだ🍌🍹メンヘラ中
6,658
#❤️💙
みら

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