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全部が全部戦場ってワケじゃなくて安心した(? いや戦場か()
西暦207X年――地球温暖化が加速し、海は現在の90倍になった。陸地が飲み込まれ、かつての大都市は海底遺跡と化していた。
生き残った国家は、わずかな陸地を巡る争いを続けていた。
戦争学者ジョン・スミスは、ある言葉を残した。
「次の戦争は、海を制するものが陸を制し、陸を制するものが海を制する。」
この言葉が流布されると、各国は巨大戦艦を建造し、海上を制するために動き出した。
しかし、そんな時代の流れを利用して、一人の資産家が儲け話を思いつく。
その男の名はリチャード・ブラックウェル。資産家にして、ビジネス界の異端児。彼は時代を見越して、こう考えた。
「でっかい戦艦を作って売れば、めっちゃ儲かるんじゃね?」
完全にノリである。
だが、リチャードは本当に作った。世界最大級の戦艦「アトラス号」を。
全長20km、内部には都市機能を備え、最新鋭の兵器を搭載。動く国家、移動要塞、そして超巨大な金儲けの塊だった。
リチャードは確信していた。
「これを各国に売れば、ワシの懐はウハウハやで…!」
彼の脳内では、すでにドルマークが舞っていた。
だが、その夢は儚くも崩れ去ることとなる。
「あれ?リチャードさん、死んでる?」
「え、マジで!? え、待って、昨日普通にしゃべってたよね!?」
リチャードは市場にアトラス号を出す前日に暗殺された。しかも、誰がやったのかまったく不明。
唯一の手がかりは、机の上に転がっていたメモ帳。そこには、リチャードの最後の言葉と思われる文字が残されていた。
「売るんじゃなかった…」
この事件により、世界中の武装勢力がこの巨大戦艦を「取ったもん勝ちじゃね?」と狙い始めた。
こうして、アトラス号は世界の戦場へと変貌するのであった。
リチャード亡き今、アトラス号はカオスと化していた。
軍人、海賊、革命家、詐欺師、果ては「なんか流れで乗り込んじゃった一般人」まで入り乱れ、戦闘が絶えない。
「待て待て待て! 俺、ただの観光客だったんだけど!?」
「貴様も今から傭兵だ。銃を取れ!」
「いや、俺の武器はスマホとカメラなんだが!?」
そんな混乱の中、アトラス号はついに戦闘モードに突入する。
【ブリッジ】
「艦長、前方に敵艦隊! どうします!?」
「どうするも何も、俺たちが敵じゃね? 全員海賊だぞ!」
「え、じゃあ我々の正式な立場は…?」
「うーん…『なんか乗っ取られたけど、結果として戦争してる軍団』?」
「カオスすぎる」
【食堂】
「すみません、このカレー辛すぎるんですけど」
「貴様、戦場で食えるだけありがたいと思え!」
「いや、普通に辛いんだって! 舌燃えるわ!」
「だがカレーがある限り、戦争は続く!」
【武器庫】
「ちょっと待って、なんでここにロボットスーツとか置いてあるの?」
「リチャードさんが『ロマンだから』って言ってた。」