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俺がこいつに出会ったのは高校入学してからだった。
先生が他の生徒の名前を呼び自己紹介してもらうことになった。俺は最後の方だった。
「えー、若葉尚人くん!」
先生が呼ぶ。
その子は俺の前の席だ。髪が少し長い。余裕で結べるくらいだろうか。
「えっと…、若葉尚人です。好きなことは音楽を聴くことと寝ることです。」
寝ることが好き…、なんか不思議な子だな。
あとで話しかけてみようかな。俺も音楽好きだし、あまり顔も見れなかったし、気になる…
なんてことを考えていたら俺の名前が呼ばれた。
「長谷川修一くん、!」
「あっ、はい!」
思わずビクッとして変な声が出てしまった。
恥ずかしい。みんなに少しクスクスと笑われてしまった。
…みんなが少し笑っている中尚人君はずっと動かなく後ろからでも分かるように笑っているような雰囲気ではなかった。
「長谷川修一と言います。俺は、少し遠いところから来ました。みんなと仲良くできたらいいなって思ってます」
俺は焦りながらも一応言えた。
自己紹介の時間が終わり少し自由時間になった。
話しかけられる…!
「ね、ねぇ!尚人くっ、」
話しかけようとしたその瞬間、女子2人が俺に話しかけてきた。
「えーっと、長谷川修一くん?!」
「遠い所から来たって言ってたよねー!どこら辺から来たの?!」
「よければ連絡先交換しなーい?」
あ、だめだ、話しかけられない。尚人君が席から立ってしまった。
「ごめん、それちょっと後ででいいかな!?」
俺がそう言った頃にはもう尚人君は教室から出ていってしまったみたいだ。