テラーノベル
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どうしても外せない出張。
「いい子にしててね」
そう言って家を出たけど、
玄関越しに聞こえた、きゅうん…という声。
一泊二日。
たったそれだけなのに、こんなに長いなんて。
帰宅。
ドアを開けた瞬間、静か。
あれ? と思った次の瞬間__
どんっ!!
胸に飛び込んでくる白いかたまり。
「コハク!」
ぶるぶる震えながら、必死にくっついてくる。
怒ってない。
拗ねてもない。
ただ、安心した顔。
私はぎゅっと抱きしめた。
「ただいま。もうどこにも行かないよ」
しっぽが、涙みたいに揺れていた。
第4話「さみしいのは、どっち?」
最近ちょっと、元気がなかった私。
ソファに寝転んで天井を見つめていたら、
コハクが静かに隣に来た。
ぺたり。
体をくっつけて、動かない。
「心配してるの?」
問いかけると、こてん、と首をかしげる。
でも離れない。
私が少し動くと、すぐにぴったり。
ふと気づく。
__あれ。
さみしいの、私のほうだった。
コハクの体温は、
言葉よりもずっとやさしい。
「ありがと」
そう言うと、ゆっくりしっぽが揺れた。
まるで、
“いつでもいるよ”
って言うみたいに。
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