春、桜が舞い落ちる季節
ここ、セレスティア学園では新たなドール師の新入生が入学式に参加する為、多くの生徒が門を通っていた。
そんな中、桜のような美しい桃色の着物を見に纏い桜の装飾された髪留めをつけた女の子が他の新入生と同じくセレスティア学園の門を通ろうとしていた。
彼女の名は桃瀬 桜最少年で有所得ドール師の資格を取った女の子
「すっごい!」
「此処が有名な学校…セレスティア学園!」
目を輝かせながら門の前でキョロキョロと当たりを見渡す桜
そんな桜に声をかける人物がいた
「桜様、落ち着きが足りませんよ?」
「今日からこの学園に通うんです」
「少しは落ち着いて頂かないと…」
桜にそう声をかけた人物は桜が所有しているドールの1人霞だった
「わかってるよ霞!」
「でもでも、憧れの学校に入学が出来て嬉しいの!」
「それはわかって欲しい!」
桜は笑顔で霞の方を向き両手いっぱいに広げて喜びを表現していた
「わかってますよ」
「桜様が何日も前から楽しみにしていたことは此処にいる私もそして瑠香もわかっております。」
「ですが、落ち着いてもらわないと私たちも心配になります。」
霞の凛とした声に桜は肩をすくめる
「ごめんなさい…」
「別に謝って欲しいわけでは…」
すると後ろからオドオドした声で桜に話しかけてくる人物がいた
「あ、あの…サク様…」
話しかけてきたのは桜が所有しているもう一つのドール瑠香だった
「ん?どうしたの?」
瑠香の声に桜は首を傾げながら瑠香に聞く
瑠香はオドオドしながらもゆっくりと桜に向かって話し始める
「こ、此処にいてもしょうがないと思うのですが…」
「そ、それに…そろそろ会場に入らないとやばいのでは?」
瑠香の言葉に桜は一瞬キョトンとしたものの時間を確認してどういう状態か理解する
「や、やばい!」
「急ごう!2人とも!」
桜は慌てた様子で霞と瑠香に声をかけると急いで門を通って行く
桜の後に続き霞と瑠香も門を通って行く
「ま、待ってください!桜様!!」
「ま、待ってくださ〜い!」
入学 式
桜はギリギリのところで入学式会場に入ることができた
そして案内された席に座るとすぐに入学式が始まった
入学式が始まると教壇前に可愛らしい1人のドールが前へとでて話し始める
「皆様、この度我が学園…セレスティア学園のご入学おめでとうございます!」
「私は此処、セレスティア学園の現学園長であり創立者であるセレスティア・ヘレスのドールなのです!」
「現学園長兼創立者であるヘレスの代理人としてここに立ってます!」
「ヘレスからお祝いの言葉をもらってますのでこの場で読み上げさせていただきます!」
なのはそういうと、懐から小さく折り畳まれた紙を取り出し、紙を広げ一呼吸入れてから読み始める
「皆様、ご入学おめでとうございます。」
「私は此処、セレスティア学園の創立者兼学園長のセレスティア・ヘレスです。」
「皆様にお会いできなかったことを残念に思います。」
「ですが、この学園に入学出来た皆様は素晴らしい方々なのだと思っております。」
「我が、学園ではドール師の育成に力を注いだ学校でございます。」
「この学園に入学してきた皆様にはいろんな想いがおありでしょう。」
「中には我が学園で学びドール師になろうとする者、あるいはドール師になったばかりでもっと学び良いドール師になろうとする者」
「など、色んな想いを抱きそして我が学園の門を叩いたと思っております。」
「我が学園で多くの事を学んでください。」
「そして、その出会いを自身の経験として自分らしい良きドール師を目指してください」
「以上でお祝いの言葉とさせていただきます。」
「ご入学おめでとうございます!」
最後のおめでとうを元気よくなのは言うと紙を再度折りたたみ懐へと戻すと話し始める。
「学園長のお祝いの言葉でした。」
「では、最後になりますが…学園長の言った通り此処で多くの事を学んでください」
「そして、沢山の経験を積んでいいドール師を目指してください!」
「なのから言える言葉はこれが全部です!」
「入学式終了後、教室へと移動してもらいます」
「各教室の廊下にてクラス分けが貼ってありますので確認され次第教室に入り待機しててください」
「もちろん、ドールと一緒に行動するのを忘れないで下さい」
「では以上!入学式終了!!」
なのは元気よく笑顔でそういうと教壇からおり何処かへと行ってしまう
なのがいなくなったのを皮切りに新入生達が動き始める
「ほぇ…」
「凄い、入学式だったなぁ」
桜は先ほどのお祝いの言葉に共感して動かなかった
「経験かぁ」
「経験にできるといいなぁ」
そんな事を呟いていると霞と瑠香が近寄ってきた
「桜様、私達も移動しませんか?」
「こ、此処にいても…意味ないですし…」
霞と瑠香の方を見て桜は笑顔で頷く
「そうだね!」
「それに早くクラスのみんなが気になるし!」
「行こっか!」
桜はそう言うと椅子から立ち上がり霞と瑠香の手を引っ張り教室へと向かう
「あ、あわわ…あ、危ないです〜!」
「さ、桜様!このままでは転んでしまいます!」
「早く早く!」
桜達3人は楽しそうに話しながら入学式会場を後にする姿をじっと見るなのがいた
「あの子がヘレスが言っていた最年少なのですね」
「面白そうな予感がするのです!」
なのはそう言いながらにっこりと微笑むと桜達が出ていった入学式会場の扉の方を見ていた
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