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ゼーリエが満足するまで研究を終え、フェルンの怒りもようやく解けた頃。
リムルは迎賓館のバルコニーに、元の世界へと繋がる巨大な次元の門(ゲート)を開いた。
「……本当に行ってしまうんですね」
フェルンが少し寂しげに、でもどこか清々しい顔で門を見上げる。
「ああ。あんたたちの旅の邪魔をしちゃ悪いからな。フリーレン、楽しかったぞ」
リムルが手を差し出すと、フリーレンはその手をそっと握り返した。
「うん。私も楽しかったよ。君に教えてもらった『ミミックを安全に開ける魔法』、向こうに帰っても使わせてもらうね」
「……いや、それ教えてねーよ! 勝手に解析したんだろ!」
リムルのツッコミに、シュタルクやフェルン、そして珍しく見送りに来たゼーリエさえもが小さく笑った。
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「リムル。お前がくれた異世界の知識、私の魔導書に刻んでおいた。……もし誰かに負けそうになったら、いつでもこの世界に来い。お前の『居場所』くらい、私が魔法で固定してやる」
「……はは、ゼーリエ様は相変わらず不遜だな。でも、ありがとう」
最強のエルフと、異世界の魔王。二人は拳をコツンと合わせ、対等の友人としての絆を確かめ合った。
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「ねぇ、リムル」
門をくぐろうとするリムルに、フリーレンが声をかけた。
「エルフにとっての数百年は、君たちの瞬きみたいなものでしょ? ……だから、またいつか、どこかの森でひょっこり現れてよ。君なら、次元の壁なんて魔法ですぐに壊せるはずだから」
「……当たり前だ。次はお前の知らない『もっと美味しいお菓子』を山ほど持ってきてやるよ」
「うん。……待ってるね」
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リムルが門の中に消えると、次元の裂け目は静かに閉じていった。
残されたのは、いつもの穏やかな風と、少しだけ賑やかになったフリーレンたちの心。
「……行きましょうか、フリーレン様。旅の続きです」
「そうだね、フェルン。……ヒンメルも、きっと驚くだろうな。私がスライムの友達を作ったって聞いたら」
フリーレンは空を見上げ、小さく手を振った。
その表情は、以前よりもずっと、人間らしい温かみに満ち溢れていた。
~完結~