テラーノベル
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⚠︎︎完全捏造のjpya BLです
去年の8月ごろに書いたものです
ご本人様とは一切関係ございません
現在シェアハは解散したとのことですが、シェアハ健在の世界線です。
ただただ2人が駄弁ってるだけです
以上の要素が含まれますので、無理だという方はブラウザバック推奨です
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「早く一緒にお酒飲みたいね」
そう言いながらじゃぱぱが開けた缶のプルタブの音が、夜の空気を少しだけ切る。
8月ももう中旬、夏休みもそろそろ終盤というところか。もう少しで9月が顔を覗かせるというのに夜の暑さは相変わらずで、外に出ると日本の夏特有のむわっとした蒸し暑い空気に包まれる。
こんな夜は冷房の効いた部屋で冷たい飲み物でも飲みたくなる。そんな理由を口実にした恒例のただのダベリ会は、今宵もメンバーとのシェアハウスで開催されていた。
とはいっても、もうみんな寝てしまって生き残っていたのは俺とじゃぱぱの2人だけだが。
そしてこの俺がなぜ起きているかというと理由は明確、俺はお酒をまだ飲むことが出来ない未成年だからだ。カラフルピーチというグループの中では最年少で、るなが表立たなくなった今未成年は俺1人だけとなっていた。
「……まだ飲むんだ」
「最後の一本」
じゃぱぱはそう言いながら、缶を口に運ぶ。その喉仏が少しだけ動くのを横目で見つつ、じゃぱぱのさっきの言葉を頭の中で反芻させる。
一緒に飲みたい、か…
ふと、昔の記憶が蘇ってきた。そういえば、じゃぱぱのことは俺が小学生の時から知っていた。
当時は今ほど有名ではなかったが、面白い企画、凝った編集、決して短い訳でもないのに見入ってしまう動画の見やすさ、興味深いコマンドなど、数え切れないほどの魅力にファンになるのに時間はかからなかった。俺はコマンドを好きでよく打っていたため分かることや出来ることも多く、
ああ、この人の動画の手伝いができたら…
この人と一緒にゲームができたら…
と夢に見ていた。
そんなある日、一通のメッセージが来た。今でも覚えている。内容は一緒にゲームをしないか、というお誘いの文言だった。
嬉しかった。それはもう言葉にできないくらい嬉しかった。
それからは一緒に遊ぶ機会が増え、すぐに仲良くなることができ、そうするうちに夢だった動画の手伝いや出演も次々と現実になっていった。まるでいくつか年上の兄が出来たかのようで、毎日が輝いて見えた。
確か、二人で撮った一番最初の動画は
『どんなビビリでも自作お化け屋敷なら驚かない説』
という内容の動画だった。それはグループとして活動していなかった昔だからこそ出来たことで、思い返しても、グループとして規模が大きくなった今ならすぐに没になってしまいそうな企画である。
ただその時は、俺の得意なコマンドを使った時間帯の固定やお化け屋敷の仕掛けなど、いろいろな見せ場をじゃぱぱが作ってくれたおかげで面白く、今でもちょっとは見れる動画になっているとは思う。
その動画は好評で、未だに見てくれている人もたくさんいるようだ。声変わりする前の幼い声の俺と、今の俺の声を比べて可愛いなんて言ってくれる人もいる。ちょっと恥ずかしいけど、喜んでくれているならいいかなんて思ったりもしている。
あの頃の俺は、こんなにすごい場所で活動出来るとはこれっぽっちも思っていなかった。
それが今や同じグループで同じメンバーだなんて、どこの夢物語だろう。つくづく俺は幸せ者だ。憧れの人。いや、好きな人と。同じ場所で。
「…そうだね」
「え?」
「お酒、一緒に飲みたいねって」
「お前、時差やば」
ちょっと呆れたように笑うじゃぱぱを見て、うるせぇよっぱらい、と小さく嫌味を言うとまたふっと鼻で笑って、すっかり軽くなった缶を傾けてぐいっと最後のお酒を飲み干した。
相変わらず何を考えているか分からない横顔をチラッと横目で見ると、ぽやぽやとした眠たそうな目をしていた。今にも眠ってしまいそうな、蕩け落ちそうなエメラルドグリーンの寝惚け目はそれこそ宝石のように綺麗で、思わずじっと見惚れてしまう。
メンバーがいれば未だにしょうもないことでうるさく騒いでいただろうが、もうみんな眠ってしまって閑としたこの部屋ではクーラーの低い機械音だけが淡々と響いている。
「でも、あと半年くらいだね」
ゆっくりと口を開いたじゃぱぱが、俺には目を合わせないままそう言い放った。
「何が?」
「誕生日だよ、ゆあんくんの」
「酒飲み企画が楽しみだね」
ああ、そうだった。
俺の誕生日ももう…って、半年あるじゃねえか。全然まだだろ。割と。
でも、昔から大人になるのは楽しみにしていたし、酒飲み企画も楽しそうで気になっていたのでもう少しでじゃぱぱたちと一緒に飲めると思うと嬉しい。そうかあと1年か、なんて言っていたのもつい最近に思える。年々時の流れが早くなっているのを感じて少しだけ寂しい。あんなにちっちゃかったのにね、と独り言のように呟くじゃぱぱの目は、また俺とは交わらなかった。
「…うん」
「…ゆあんくんって酔ったらどんな風になるんだろ」
「俺の両親が結構強いからね。
じゃぱぱよりも強くなっちゃったりして」
「ゆあんくんが酒豪なの嫌なんだけど俺」
少し前、配信で同じようなことが話題に出たたことがあった。
きっかけはリスナーからの「ゆあんくんお酒弱そう」というコメントで、両親がお酒が強いと子も強くなると聞いたことがあったため、いつも俺の配信を見ている母親にお酒は強いか尋ねてみたところ両親どちらとも強いとのことだった。
「うりとか酔ったらチューしてくるからなぁ」
「そこまではないわ俺は、断言できる」
「わかんないじゃん。ゆあんくんが潰れちゃったら介抱してあげるよ」
そんなことを言って笑うじゃぱぱの声は冗談めいていたけれど、冗談を言っているようには聞こえなかった。
例えば俺が本当に酔いつぶれてまともに動けなくなってしまったとき、じゃぱぱはきっとちゃんと介抱してくれるだろう。
俺が酔ってよりいっそう口が悪くなったり、急に泣くようなめんどくさいことをしても、めんどくせぇなと笑って許してくれるんだろう。
俺はこいつの背中をずっと追いかけてきたからこそ、今でも少し遠い気がしている。
優しくて、どこか子供っぽいくせにちゃんと大人で、リーダーとしていつも周りを、みんなのことを一人一人しっかり見ていて。
そして俺はそういうところに憧れて、ここまで追いかけてきたんだって。
けど、あと半年もすれば俺は本当の意味で大人の仲間入りをすることになる。
そしたら、今みたいにこいつと横に並んで座るのがもっと自然になるんだろうか。
今は遠い背中に、少しは近づけるんだろうか。
俺はこいつの隣に、いや、こいつより前を行けるようになってやりたい。
同じ場所にいるからには、隣にいて恥ずかしくないような俺でありたいから。
どうせ大人になるんだったら、そういう所も成長して、少しでもじゃぱぱの苦労を減らせるような、そんなメンバーになりたいから。
いつか成長した俺が、同じ場所に立てたって心から思えるその日まで。
だからこそ、なんとなく。
今はまだ完全に対等じゃない俺から、少しくらいわがまま言ってもいいんじゃないか、なんて。
「ていうかここまで付き合ってやったんだぞ、ご褒美は?」
別に何を求めるわけでもないけど、口が勝手にそう言っていた。
いつしか、これは配信のネタにされたことだが、俺がじゃぱぱの作業を手伝った後に冗談で「一緒に寝てよ」と言ったことがある。
その時もご褒美として求めたことだったのであまりの既視感に、自分でも少し笑った。
こんな夜くらいはちょっと大胆になってもいいかな、とか。
深夜テンションでこんなことを口走ってしまったらまた配信のネタにされていじられて、後悔するのが目に見えるけど。
でもじゃぱぱは今酔っていて、朝になればどうせ覚えてないだろうから。
「はぁ?別に付き合ってとか言ってませんけど」
「あ?お前が1人で飲んでてかわいそうだったから起きててやったんだぞ」
なんだよそれと呆れるじゃぱぱの目に、久しぶりにしっかり俺が映る。
心なしか、さっきまで眠そうに蕩けていたエメラルドが一瞬ギラついたように見えた気がした。
一呼吸置いて、ふーんまぁいいよ、という思ってもみなかった承諾の返事に驚いた。
───瞬間。
じゃぱぱの柔らかくて優しい柔軟剤の匂いが鼻を掠めたかと思えば、時間差で感じた唇の柔らかい感触。
何が起きたのか分からなくて、ただ固まることしかできなかった。
「………は、おま、何して…」
「え、ご褒美に俺とえっちしたいんじゃないの?」
…………………………はぁ??
いつもの下ネタが今日はやけに鳴りを潜めていると思ったら、こいつはとんでもないことを言ってくる。
頼れるリーダーも、時々これだから困る。
こっちの気も知らずに、軽率に俺をからかうような真似をされては身が持たない。
正直、心臓が止まるかと思った。
でもギリギリで止まらなかったこの心臓の音が、すぐ近くにいるこいつにバレてしまいそうで、
頬にいつのまにか添えられていた俺と同じくらいの大きさの手に、伝わってしまいそうで。
いつからか憧れという言葉に逃げていた俺が、どんどん小さくなっていくのを感じる。
代わりに知らない感情を持った知らない俺が、どんどん大きくなっていく。
やばい、
このままじゃ、俺は…
「…っはぁあ?!んなわけねーだろばか!!変態!!」
離れたつもりだったけど、じゃぱぱに掴まれて未だくっついたままの身体は、いつもよりずっと暖かかった。
それはじゃぱぱが酔っ払っているからなのか、俺が赤くなっているからなのか分からなかったけれど。
「…このことみんなに話していい?」
「いいわけあるか!!!!」
…まだまだ、俺が大人になるのには先が長そうだ。
コメント
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コメント失礼します!🥹💖とっても好みな書き方をしていて思わずコメントしてしまいました😭素敵なお話ありがとうございます😭🙏🏻
な、なんと…!コメント欄に文豪おるやんと常々思っていたのですが、やはり小説お書きになる方だったのですね⁉️jpの罪な男の感じとか、yaくんの、もはや初期搭載かと思われるほどのjpへのナチュラルな激重感情があちこちに散りばめられてて最高でした…😭