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斗村政宗 対 一之瀬和豊
「和豊君….なんで助けないんだよ、周りもそうだ」
「…」
僕は踏み込みを強烈にふむと和豊くんは即座に対応してきた
スパッ!
「」
瞬間、僕の顎に衝撃が走った
それと同時に軽い脳震盪(のうしんとう)を起こししゃがみこんでしまった
だがまたもドーパミン状態の僕は気合いで立ち上がりまた大きく拳を振り上げた
予想もしていなかったのか和豊くんの反応は1段階遅れた
そのまま僕はみぞおち目掛けてフルスイングをかました
だが腕をクロスした状態で見事に防がれてしまった
「ぅおっ….」
ダメージは入っているがまだ浅い
だが今度は和豊くんのラッシュが始まった
まず、また風邪のような速さで顎を蹴られる、ちなみに野次馬共もそのキックの速さは
認識できていなかったらしい
またも視界がグラグラしてきた、倒れ込みそうになったがグッと立ち止まって耐えた
それがいけなかったのか
和豊くんの全力のかかと落としが僕の後頭部に直撃した
さすがにまずい、一旦距離を取らないと
と思った瞬間、もう和豊くんは僕の目と鼻の先にいた
「結局、パワーはあっても避けられちゃ意味ないよねぇ」
「うるっさい!!」
気合いで放ったフルスイングだが空を切った
当然 攻撃を当てられなければカウンターが待っている
ドスッ!!
和豊くんは容赦の見えない前蹴りを僕にお見舞した
「がぁっ!!」
馬鹿共の殴り蹴りよりも数倍苦しい、痛い
「俺は知らせたはずだ」
「意味のわからないことばっか言わないでよ!!」
「お前、ちょっと頭冷やせよ」
その瞬間
ドォゥッ!!!!っ感じで
みぞおちに正拳突きを食らわされ
僕の意識は闇へ葬られた
目を開けると保健室、なるほど、負けたのか
あぁぁ、最悪だ、周りにも凶暴だってイメージを植え付けてしまった
シャッ….
カーテンが空いた、誰だろう?
「よ、斗村 頭冷やしたか?」
「十分冷やされたよ…どうしよう」
「どうしようって?」
「あいつら、復讐に来るかもしれない」
「お前なら大丈夫だろ」
と和豊くんは軽々しい口調で言った
それはいじめを経験していないから言えることでしょう….
「俺と対等にやり会えてたんだから、やれるだろ」
「!」
…
それは興奮してたからできたことだけど…まぁいいや
それから一週間が経った、だんだん僕の噂も薄れてきて
暮らしやすかった頃だった
お父さんに呼び出された、一体何かと心底震えながら部屋へ入ると
あぐらをかいて座っているお父さんがそこへいた
「斗村、最近学校で面倒事を起こしたそうじゃないか」
「う、うん、ごめんね」
「いや、いい、理由さえ良ければな」
「…わかったよ」
そこでどうして学校で暴力沙汰を起こしてしまったのか
淡々と話した
「そうか、」
お父さんは「やっぱりか」と言わんばかりの顔をしている
想定されてたことなのだろうか….
「お前は優しいからな….ずっと心配してたんだ」
それは自分の想像と違った答えだった、どうせ
「だからといって暴力は違う」とか「お前が悪い」とか言い出すと思ったけど
「そうだ斗村、明日」
「分かってるよ、準備は終わった?」
明日何があるかと言うと、大親友のお墓参り、優弧ちゃんは幼少期の頃から仲が良かった
だけど中学2年生の交通事故で命を落としてしまった
僕はお父さん、お母さんと一緒に墓地へ来ていた
「優弧ちゃん、元気にしてる?」
「あなたがいなくなってから随分寂しくなったけど、そっちはどう?」
「息子と随分遊んでくれていたようだけど、残念だったな…」
優弧ちゃんが今天国で幸せなのならば僕はそれ以上の感情は持たない
幸せなのが一番なのだから______
数週間後___
あの出来事以来、僕に関わったりからかったりする人物はいなくなった
周りの雰囲気もガラッと変わって なんだか楽しそうだ
昼休みになってトイレに行こうと腰を動かすと
和豊くんに話かけられた
「良かったな、いじめもなくなって随分楽しそうだ」
「うん、ありがとうね」
「いいんだ、いいんだ」
僕はトレイに行くと隣に和豊くんという状態になった
突然
水が流れる音と共に和豊くんがびしゃびしゃになった
びっくりして後ろを振り向いて唖然とした
強面の男達数名が水の入っていないバケツを和豊くんにかける形で
止まっていた
僕はいじめられなくなったが、標的が変わったと言うだけだった
でも、和豊くんは心が誰よりも広かったんだ
「アハハ、やめろよ」と言いながら笑ったんだ
その態度が気に入らなかったのか
強面の男3人の内1人が平手で和豊くんの頭を叩いた
「ちょっ….」
「いいんだよ」
注意しようとしたが飯豊くんが僕をとめたんだ
どうしたんだ、飯豊くん、なんで怒らないんだ
どうしてそう耐えることができるんだ
僕なら泣き崩れているだろうに
だけど
その僕の思い込みは一瞬で消えた
「ウッシャァァアァアァ!!!」
閃光のような拳が1人を撃ち抜いた
「っっ!!!!?」
周りは騒然とした
当たり前だ、いきなりあんな態度だった奴が奇声を上げながら
人を殴っているのだから
すると飯豊くんは一瞬でもう1人の方へ駆け寄った
「クソ下衆が」
その瞬間、目を覆いたくなる攻撃の仕方をしてしまっていたんだ
男の大事な、大事な魂の玉を蹴りあげていた
男は悶絶して吐く体制できる〇玉を抑えていた
顔は青白くして目の焦点があってない
可哀想に…これは同情してしまう