*不倫
*独身kn×既婚者sm
*smが女性と結婚したという描写があります。
*kn「」、sm『』
金曜日の夜。残業、飲み会などと何かと理由を付けて、不倫相手であるきんときと会う。もちろん妻には内緒で。決まった時間、いつも同じホテル。鬱屈とした日々に与えられる少しの刺激。それが癖になって抜け出せられなかった。
きんときとはホテルで会って抱かれるだけ。彼は優しい。嫌がることはしないし、前戯もちゃんとしてくれる。ただ抱かれるだけの関係が、それ以上の関係に成り上がっていくのを気付かないふりをして会っては抱かれていた。
今日も今日とて彼に抱かれる。仕事終わりのそのまま格好でホテルへ向かった。ホテルに着き、きんときの待っている部屋のドアを開ければそこに彼はいた。そして部屋に入るや否や直ぐに口を塞がれる。優しく啄むような軽い口付け。それが心地よかった。口が離れたかと思えば、彼は「遅いじゃん」と文句を言った。
『ごめんって…』と謝ると、また口を塞がれた。今度は貪るような深いキス。固く閉ざされた唇を無理やりこじ開けて、びっくりして引っ込んでいく舌に絡めてくる。
酸欠になって苦しいと、彼の肩を叩いたら顔が離れていった。
「やっぱりキス下手くそだね」
『うるさい…』
と、顔を真っ赤にして彼の言葉を否定した。けれども息は上がっていたし、目は潤んで涙が留まっていた。そんな俺を見て彼はふふっと、1つ笑みをこぼす。そしてベッドに沈みこんで行った。
***
ぐちゅぐちゅと水音を立ててきんときに溶かされる。ナカでバラバラに動いてイイトコロを掠める指の腹。きんときのゴツゴツとした骨ばった指が好きだった。離さないと言わんばかりに締め付ける胎内。でも、やはり指だけじゃ物足りなかった。
『あ”ッ、ねぇ…はやくっ♡♡』
「ちゃんと解かさないと辛いのはスマイルだよ」
『もう、いいからっ♡』
駄々を捏ねたら「分かった」と言って指を抜き出した。異物感が無くなって物寂しくなったナカは栓を求めるかのように蠢いた。そしてきんときは間髪入れずに、男根を挿入し始めた。まるで、栓をするかのように。
『ん”、あ”〜〜ッ!♡♡』
「締め付けやばぁ…」
ズプズプと侵入してくる男根に声を漏らして、胎内をギュッと締め付けると、彼は眉毛を眉間に寄せて苦しそうに顔を顰めた。その顔が儚くてとても好きだった。胸の奥底が火傷しそうなほど熱くなる。そしてまたきゅっ、と男根を締め上げてしまった。
『きんときっ、動いてっ♡』
ナカと芯と熱を持った男根を馴染ませるために、彼は挿れた後、しばらく動かないで止まっていてくれた。が、それがじれったくて仕方なかった。彼の腰に足をまきつけて動くようにお願いをすれば、仕方ないなと言わんばかりの表情を見せていた。
「はいはい」
汗ばんだ身体を密着させ合いながら、ずちゅずちゅとナカを掻き回すような緩い律動が始まった。浅い所をゆっくり掠める重たいストローク。肌と肌がぶつかる鈍い音が響き渡る。
『え”ッ、あぁ♡…っ”〜〜♡♡』
涙目になってきんときの下で揺さぶられる。手はベッドのシーツに縫い付けられるように抑えられ抵抗もできない。浅い所を掠めるゆっくりとした律動から確実に奥を潰す重たくて早い律動に変化する。ただ喘ぎ声しか発せられない俺を見てきんときは、
「そんなんで本当に奥さんのこと抱いてるの?」
と聞いてきた。
『ん♡…あ”ッ、だいてるしっ』
強がって言った。夫婦間は冷めきっているし、きんときとの快楽に出会って味を知ってしまってからはもう元の状態には戻れない。ほとんどそのような行為はしていなかった。
「ほんとに?まぁいいや。」
と少しだけ疑った後、彼は自分本位の律動を始めた。自分が達するためだけの、俺のことなんてお構い無しの律動だった。
『イ”〜〜〜ッ♡♡あ”ぁ、や”♡』
もはや半分悲鳴混じりの喘ぎ声できんときから与えられる快楽をただ貪る。精液は出ていないものの、達したあとの独特なあのだるさが身体を纏っている。正直もう意識がとびそうだった。それに気がついたきんときは、
「ねぇ、まだ俺イってないから飛ばないでよ」
と言ってずん、っと奥を突き刺さすような重たい一突きを与えた。びくっ、と身体が揺れる。
『はっ、え”ッ♡…っ”〜〜!!』
ガクガクと身体全体を震わせて達した。腹に精液がかかる。はっはっ、と犬みたいな浅い呼吸をしてきんときにしがみついた。それでも律動は止まることは無かった。
「っ…やば、イく」
『え”、あッ♡♡』
最奥で果てると言わんばかりにごりごりと奥を潰しにかかってくる。きんときの自重を体全体で感じた。きんときは跡がつくほど腰を強く掴み、引き付けて最奥で吐精をする。まるで孕ます、と言わんばかりに。敏感になった俺の身体はぴくぴくっ、と小刻みに揺れていた。浅い呼吸をして、きんときの自重を感じながら意識を繋ぎ止める。
吐精してる間も、奥へ塗りつけるかのように彼は腰を動かして種付けをしていた。
そして、きんときは
「ねぇ、好きだよ。」
と言って1つキスを落とした。キスはしないとか約束したはずなのに、と反論しようとしたが、そんな気力はなく、睡魔に誘われていく。
最後に微睡みながら見たのは至極満足そうに笑うきんときだった。