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居場所なんて、どこにも無い。
家で親からは暴力の毎日、いつも殴られる。
学校では周りから虐められる。
殴る蹴るといった暴行はいつも、画鋲を刺すといったことも平然と行われていた。
担任を始めとする教師陣は、目の前で行われているはずが何も言わない。
そんな毎日を生きているうちに、自分の中で話し相手を作っていた。
頭が良く、勇気を持ち、正義感溢れる人を
いつも、話を聞いてもらっていた。
すると、いつも、怒ってくれた、慰めてくれた、認めてくれた、撫でてくれた。
いつしか【お兄ちゃん】と呼ぶようになった。
周りは、お兄ちゃんと学校で話すようになり、誰も関わろうとしなくなった。
近所の人達は、前までは「可哀想」というような話をコソコソとしていたが、お兄ちゃんと話すようになってからは「頭のおかしい子」という話へと変わっていた。
しばらくが経ち、中学へと上がると、再びいじめが始まった。
そしてあるとき、学校のトイレでいつも通り殴られていた時、いじめをしていた相手の顔をグーで殴り返した。
しばらくすると誰が呼んだのかは分からないが教員が現れ、引き剥がされた。
そして、別室へと連れて行かれ、話をされる事になった。
内容は、「何故殴ったのか」、「我慢しろ」といった責任は全てこちらにあるという言い方だった。
内心ではなんで悪者にされているのか分からなかった、元はと言えば最初から注意していれば無かった事のはずなのに。
そして、相手が合流し、担任が謝るように指示をする。
謝ろうと声を出そうとすると、「もう我慢ならん」と声が出た。
それは僕の意志とは全く関係がなく「お前は黙ってろ」そう言われた感覚だった。
担任と相手がポカンとしている中、口が勝手に動き、声を出す。
「大体てめぇら教師共が先に注意してればこんなことにはならんかった筈だろうが、なのに聞いていればなんだ?あの態度何故こっちに非があるように話すんだ?てめぇらの職務怠慢をこっちのせいにしてんじゃねぇよカス。教育委員会に話が通ったらこの学校の教師共どうなるのか分かってるだろうな。俺は弟を、俺自身を守ると決めてんだ。てめぇらの人生なんざ知った事じゃねぇ、親?嫁?子供?知らねぇよ。恨むんだったらてめぇら自身の行動を恨め、面倒臭いとか適当な理由で、うちの弟傷付けたお前らにかけてやる同情なんざねぇんだよ。」
いつもは優しく、何でも受け止めてくれる、お兄ちゃん。
ただ、今だけはとても頼もしく、かっこよく見えた。
それ以来学校ではいじめられることが無くなった。
親の方は分からない。
ただ、ある日を境に僕の顔を見ると震えるようになった。
お兄ちゃんに聞いても、「可愛い弟に手を出すやつは誰であろうとお兄ちゃんが許さない、だから、何でも相談しろよ」そう言ってくれた。
いつも通り起きようとした。
しかし、体が動かない。
意識が沈む感覚がある。
とても…眠い…
「ははは、ようやく体の所有権を奪えた。かなり時間はかかったが仕方ない、これで今すぐにやつを殺れる。待ってろよ、リーパー。」