テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
うぐいす
140
10,273
「‥‥っ‥‥‥‥くっ‥‥」
「‥‥もう少しです」
「‥‥‥‥はい」
床に落ちたティッシュ
それは赤く染まっていた
「んっ‥‥‥‥っ‥‥‥‥」
「これで‥‥終わりです」
「‥‥ハァ‥‥ありがとう‥‥ございます」
うつ伏せのままお礼を言う
俺はそのまま動けずに深く息を吸った
「良く我慢しましたね、小柳さん。小柳さんの方が1週間長くかかりましたから」
「‥‥終わりましたか?」
「あ、叶さん。小柳さんも本日で終了です」
「本当ですか?見せて下さい」
「綺麗ですよ。白い肌に良く似合う」
まだ血の滲む背中
そこには無数の赤い曼珠沙華
そう
叶さんが俺と一緒にしたかった事
背中に手彫りの刺青
彫り師の方が片付けを済ませて帰宅した
俺はまだうつ伏せのままベッドから起き上がれない
持続的に続く痛み
それと体の怠さ
それもそうだ
体を痛めつけているのだから
叶さんも数度熱を出していた
俺は毎回微熱が出て、今もきっと熱が上がっている
俺は怠い体を起こしてベッドの上に座った
すると叶さんがあらかじめ持って来た冷えピタをおでこに貼ってくれる
「またそんな顔してる。その顔で彫り師の人見たら勘違いしちゃう」
「そんな顔って‥‥俺はチクチクされるので精一杯ですよ」
「こやの絵も出来上がったら壮観だね。見てみる?」
叶さんが大きな鏡を2枚持って来てくれた
そして叶さんも上半身を脱ぎ、二人並んでみる
叶さんの背中には、背中全面に一輪の曼珠沙華
俺の背中には全面に大量の曼珠沙華
その中に大きな一輪の白い曼珠沙華
二つの絵は俺が考えた
叶さんの一輪の曼珠沙華は俺をイメージして
俺の大量の曼珠沙華はLycorisのみんな
そして一輪の白い曼珠沙華が叶さん
「ありがとう‥‥こや」
「こんなに時間がかかるなんて知りませんでしたけど」
「僕もまさかこんなに大きな刺青入れると思わなかったから」
「やるなら大きい方がいいじゃないですか?」
「そういうところ、こやの良いところだよね。肝が据わってるって言うか」
「これで箔が付きましたか?」
「大分付いたね。でも他の人に見せちゃダメだからね?」
「見せる訳ないじゃないですか‥‥って叶さん⁈」
叶さんが俺の肩にキスをして胸を手で撫でる
俺は慌ててその腕を掴み、離そうとした
「叶さん!彫り師の話し聞いてました?『そういう事』しない方がいいんでしょ?」
「聞いてたよ」
「だったら離れて下さい!」
「汗かかなかったらいいんじゃない?」
「無茶言わないで下さいよっ‼︎」
鏡の前でくるくる回る二輪の曼珠沙華
俺が大好きになったLycorisの花
俺が二度と離さない
そして一生囚われていたい
真っ赤なLycorisの花
END.
コメント
6件
ほんっとうにドキドキハラハラで最高でした😍新学期に入ってなかなかすぐに見れなくなりましたけど毎回楽しみなの(* ॑꒳ ॑* )⋆*これからも楽しみです🎶
お疲れ様です!今回の作品も本当に最高でした😭👏✨これからも応援してます💪

お疲れ様です!今回のLycorisも最高でした😭😭本当に蒼月さんのLycoris大好きです😭😭