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映画の撮影現場。断崖絶壁でのラストシーン。
カミキヒカルは、アイを背後から突き落とそうと影から忍び寄っていた。その手には、誰にも気づかれないはずの「死の誘い」が握られている。
「さようなら、アイ。君の輝きは、ここで永遠になるんだ……」
カミキが手を伸ばしたその瞬間、彼の周囲の時間が完全に停止した。
「――残念だったな。お前の言う『永遠』は、ここで終わりだ」
声の主は、リムル。彼は空中に浮遊し、冷徹な魔王の瞳でカミキを見下ろしていた。
シエルの能力**『時間停止』**。この世界でリムルに逆らえる者は誰もいない。
「な、なんだ……体が動かない……! 君は一体……!」
「俺か? 俺はただの、アイのファンで、家族の仲間だよ」
リムルは指先をカミキに向けた。
「シエル、こいつの『罪の記憶』を全て可視化して、全世界の全媒体に同時配信しろ。言い逃れも隠蔽もできない、地獄の始まりだ」
『了解しました。実行します』
次の瞬間、世界中のスマホ、テレビ、街頭ビジョンに、カミキがこれまで犯してきた罪の証拠が、逃げ場のない真実として映し出された。
カミキの社会的生命は一瞬で灰になり、さらにリムルの魔圧によって、彼の歪んだ魂は「二度と誰かを傷つけられない無力な存在」へと再構成された。
「……あ、あぁ……僕の、僕の星が……」
「お前の星なんて、最初から偽物だよ。……あばよ、殺人鬼」
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数年後:伝説の家族
ドーム会場は、地鳴りのような歓声に包まれていた。
ステージに立つのは、復帰してからさらに輝きを増した星野アイ。
その隣で、世界一のスターとなった銀髪の美少年、リムル。
そして、バックダンサーや俳優として頭角を現したアクアとルビー。
「みんなー! 今日は最高の日にしようね!」
アイの笑顔は、もう何の不安も、何の嘘もない、本当の輝きを放っていた。
舞台袖でそれを見守る斉藤社長は、涙を拭いながら呟く。
「……まったく、とんでもない家族になっちまったな」
リムルは隣で踊るアイと視線を合わせ、心の中でシエルに語りかける。
(シエル。この世界に来て、少しは役に立てたかな?)
『答。マスターの行動により、この世界の運命係数は「絶望」から「無限の希望」へと書き換えられました。……完璧な仕事です、マスター』
リムルは満足そうに微笑むと、目の前の数万人のファン、そして愛する家族に向けて、最高の魔法を放った。
「行くぞ! 俺たちの本当のステージは、ここからだ!」
光り輝く星屑が舞い落ちる中、魔王とアイドルの物語は、誰も見たことのないハッピーエンドへと辿り着いた。
【【推しの子】× 転生したらスライムだった件 ―完―】