「好きだよ。鶴蝶。」
そう言って、
何か壊れるものを見るような目を俺に向ける
歳の4つ離れた男。
(そんなこと、思ってもないくせに。)
そんなあいつに嫌気がさして
「どうせその言葉もお得意の ” ウソ ” なんだろ。」
なんて、嫌味たらしいことを言ってしまう
『……っ、違う!、俺は、本気だよ、ずっと、ずっと、昔から、鶴蝶のことが……』
『大好き……だよ。』
なんて言って下を向いたあいつ
「……だったら」グイッ
思わず首元を掴む
鶴蝶「俺に、キス、できんのか?」
蘭「……え?」
初めて会った時から
蘭「その傷、かっけぇじゃん」
鶴蝶「……そうか、?」
鶴蝶「俺は、あんまり好きじゃないけどな」
蘭「えぇ、そう?俺はなんか、男の勲章って感じで好きだけどなぁ」
鶴蝶「……そうかよ」
変わったやつだった。
人の繊細なとこにもズカズカ土足で入ってくる
デリカシーのないやつ。
でも、そんなアイツに、いつしか俺は
心を惹かれていた。
鶴蝶「あ、イザナ、コンビニ行くか?」
イザナ「いや、いい」
鶴蝶「そうか、」
イザナ「……、!」
イザナ「おい、鶴蝶」
鶴蝶「ん?」
イザナ「あれ、蘭、じゃねぇか?」
鶴蝶「え?」
蘭!どこだ?
鶴蝶「……!」
蘭「ーーーー?ーーー」
女「……///」
2人が楽しそうに話している。
鶴蝶「……っ、!」
イザナ「あいつ、女いたんだな」
イザナ「まぁ、どうでいいか、早く行くぞ鶴蝶」
鶴蝶「……」
イザナ「?、おい、鶴蝶?」
鶴蝶「……」
イザナ「……、おい、俺が呼んでるのに無視って、いい度胸してんな、この、や、ろ……」
鶴蝶「……」ぐす
イザナ「……はぁ、手のかかる下僕だな」
イザナが鶴蝶を人気のないとこへ連れていく
鶴蝶「……」ぐす、
イザナ「……ここなら、思う存分泣けるだろ。」
鶴蝶「う、ぁあ、イザナ、ぁ」
この日、俺は初めて恋を自覚した。
そして、その恋は一瞬にして儚く散ってしまった。
そりゃそうだ、蘭は、女が好きなのだから
俺みたいなごつい男とは絶対ありえない。
だから俺はこの思いを墓場まで持って行くことを決めた。あいつを困らせたくなかった。
……あいつとの関係を壊すのが怖かった。
現在に戻る。
蘭「いや、いやいや、何言ってんの?鶴蝶」
蘭「そんなん、急に言われても……」
鶴蝶「悪い、そうだよな、できわけねーよな。」
鶴蝶「お前、彼女いるしな!」
蘭「は?、何のこと?」
鶴蝶「いや、いいって誤魔化さなくて、俺知ってるから」
自分が惨めで苦しくなる。
蘭「いや、マジで、わかんないんだけど……」
鶴蝶「何言ってんだよ、」
鶴蝶「ウソ、つかなくてもいいって、」
早くこの場から逃げ出したい。
蘭「?、嘘なんか、」
鶴蝶「あぁ、そうだ、おれ、これからイザナと会う約束してんだよ、もう行くな」
鶴蝶「、今日のことは忘れるから、もうこんなウソつくなよ」
蘭「待てって!鶴蝶、」
蘭「なに、勘違いしてんだよ、俺、彼女なんて……!」
鶴蝶「はぁ、もうわかったって、」
蘭「……っ、!!!」
蘭「分かってねーよ!」
ドン!
蘭が、鶴蝶の手を掴み、壁に押す。
鶴蝶「……!」びく
鶴蝶「……急に、なんだよ、」
蘭「……っ、腕、ごめん、でも、1回、俺の話聞いて。」
鶴蝶「……、聞くことなんてねーよ。」
蘭「ある!、めっちゃある!」
鶴蝶「……」
蘭「……まず、鶴蝶、なんか勘違いしてる」
蘭「俺、彼女なんかいねーよ」
鶴蝶「……え、?」
蘭「なんなら、出来たこともねーよ」
鶴蝶「なっ!流石にそれは嘘だろ!だって、お前めっちゃモテるじゃねーか、」
蘭「うん、だけど俺ずーっと、鶴蝶一筋だし」
鶴蝶「……っ」
鶴蝶「で、でも、この前、渋谷で、女と歩いてただろ……、」
蘭「渋谷で……?」
鶴蝶「あぁ、それも、すっげぇ楽しそうに……」
蘭「あ、あぁー、それ、もしかしてだけど、道案内してた時かな」
鶴蝶「みち、あんない……?」
蘭「うん、そう、てかあの時、竜胆も一緒にいたよ?」
鶴蝶「……え、?」
鶴蝶「て、ことは、、まじでおれの、勘違いって、ことか?」
蘭「うん」
鶴蝶「……そう、だった、のか……」
勘違い、だったのか、
なんだ、そう、か
ああ、良かった。
鶴蝶「……っ」ポロ
あ、やばい、安心したら涙が……
鶴蝶「……」ぐす
鶴蝶が下を向く。
蘭「……ねぇ、鶴蝶、こっち向いてよ」
鶴蝶「……嫌だ、今、すっげぇ、ひでぇ顔してるから」
蘭「……でもさー、俺、ちゃんとした告白くらい、顔みてやりたいんだけど?」
鶴蝶「……!」
鶴蝶「……、」
鶴蝶が蘭を見上げる
蘭「……なんだ、すっげぇ可愛いじゃん♡」
鶴蝶「……俺の、どこが……」ずず
蘭「可愛いよ、鶴蝶は。昔からずーっとずーっと。」
鶴蝶「……なんだよ、それ」
蘭「……ね、鶴蝶」
鶴蝶「ん、」
蘭「俺さー、お前のこと、マージで、すっげぇ好きなんだよ、自分でも引くくらい、」
鶴蝶「……、」
蘭「こんなに、好きになったのもお前が初めてでさ、キスひとつだって、すっげぇ緊張しちまって、」
蘭「他のやつなら、こんなことになんねーのに、」
蘭「ほんと、お前だけなの、俺がこんな風になっちまうの……」
蘭「……まぁ、つまり、何が言いたいのかと言うと、」
蘭「俺、お前に恋してんだけど、責任、とってくんね?♡」
鶴蝶「………っ、」
んだよ、それ……
そんなの、
蘭「で、返事は?」
責任、取るしかねーじゃん
鶴蝶「……俺のも、責任、とってくれるなら」
蘭「~~~~~~~~♡♡♡♡」
蘭「よろこんで♡」
ぎゅーーー
鶴蝶「おい、蘭、!ちょっと、締めすぎだ」
蘭「ごめん、嬉しすぎて♡」
蘭「はぁぁ、やっとこれで、鶴蝶と恋人同士かぁ」
蘭「長かったぁ」
蘭が鶴蝶の頬に手を添える
鶴蝶「……こっちのセリフだ」
蘭「えぇ〜♡なにそれ、かわいい♡」
鶴蝶も蘭の頬に手を添える
蘭「!、鶴蝶、?」
鶴蝶「蘭、好きだ」
蘭「!、うん、おれも♡」
蘭「……」
鶴蝶「……」
蘭の手が鶴蝶の唇にふれ、
鶴蝶はその蘭の手にそっと自身の手を添える。
ちゅ
蘭「……ふふ、夢見たい、鶴蝶とこんなことできるなんて」
鶴蝶「俺もだ、蘭」
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はい!、如何でしたでしょうか!
初めての蘭カクでおかしなところもあったと思うんですけど、読んでくれてありがとうございます🙇♂️
良ければハート❤️お願いします🙏
蘭sideも出す予定なのでお楽しみにしていただけると幸いです!✨️
コメント
3件
最高すぎました😵💫💞
蘭sideも楽しみにしていてくれると嬉しいです!