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人には皆、蝶がいる。
私は皆の蝶の色を見ることが出来る。
保 健室の先生は緑色の蝶、お父さんとお母さんは黄色の蝶。
私には紫の蝶がいる。
これは多分性格の色。
保健室の先生はとても穏やかで優しいし、お父さんとお母さんはどっちも元気で明るい人だから。
でもたまにおかしい。
性格も見た目も可愛い子の蝶が黒色だったり、いつも無口で冷たい子の蝶が橙色だったり……
でも一番おかしいのは、私の蝶の色が紫ってこと。
自分で言うのもおかしい気がするけど私の性格はお母さん達に似てとても明るくて元気な性格なの。
でも私の色は黄色じゃない。
なんでなんだろう。
「芽唯!おはよう!」
「あ、おはようございます先輩!」
この人は猪木琉晴先輩。
中学三年生で私と二学年違う。
そしてこの先輩は演劇部の部長なので演劇部員の私とは関わりがそこそこある。
そして先輩の色は水色。
爽やかで優しい先輩にはピッタリな色だ。
「芽唯は何役にするか決めた?」
「私はあの…明るくて空回りばっかしちゃうくらいドジだけど皆から人気なあの子ですかね!」
「サクラか!てかよく覚えてるねそんなの」
「やりたい役とその役と関わりが多い役の蝶とか覚えてるので!」
「蝶…?」
あ、しまった…
蝶なんか言っても分かるわけじゃないのに…
「性格とかですよ!私は蝶って言ってるんです! 」
間違っては無い。
「なるほどね!すご!」
セーフ……
変人なんて思われたくないし、気持ち悪いとも思われたくないしね。
改めて私は吹紀芽唯。
ただの中学一年生。
演劇部に入れば、色んな人の蝶が見られ ると思ったのと、素直に演技が好きだから演劇部に入った。
「芽唯ちゃん!おはよう!」
「あ、乃逢先輩!おはようございます!」
雪都乃逢先輩。
中学三年生で、噂では猪木先輩と付き合ってるとか?
この人も演劇部で、なんと副部長である。
そしてこの人の蝶は青色、 意外な色だ。
「そういえば先輩は何役に立候補しようと思ってるんですか?」
「私はねーうーん…余った役でいいかな!」
やっぱりそうなるのかぁ…
先輩は謙虚で自分から前には中々出てこない。
私なんか〜が口癖である。
「先輩なら主人公でも誰も文句言わないと思うんですけど… 」
「私なんかがあんなにキラキラした役なんてもったいないよ!芽唯ちゃんの方が合うんじゃない?」
先輩の言う言葉が予想できるようになってしまった。
「私はサクラ役希望なので! 」
「サクラ!いいね!芽唯ちゃんっぽいかも!なれたらいいね!」
「はい!」
思えば先輩の色は謙虚で控えめな所から青色なのか?
それならまだ納得がいく。