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え、やば、泣いた、、、 切ねぇな…三角関係…
凄い作品です! 気に入りました!
あの、これ前に私が書いた作品ですが、パクり辞めていただきたい
朝の8時。
スマホの通知が鳴る。
乙夜「ん………」
まだ寝惚けた状態でスマホの画面を見る。
烏からメッセージが届いていた。
“おはよう。まだ寝とったんやろ?
また遅刻やで”
そんなメッセージだった。
これが俺の朝起きる理由。そして生きる理由。
俺は急いで学校に行く準備をする。
さすがに今日は2人とも待っててくれはしない…気がする。
烏「あっやっと来たわ…」
氷織「もう遅いで。今日は遅刻は免れん」
乙夜「でも2人ともなんやかんや言って待っててくれんじゃん。やさしー…」
氷織「ほな、学校まで競走な。」
烏「はぁ!?」
氷織「そうでもせぇへんと2人とも走らんやろ。」
烏「っ〜……ったく…ほら、行くで乙夜。」
そう言って烏が俺の手を引く。
俺の心臓が高鳴る。
自分の顔が赤くなってる事がすぐに分かった。
恋をしたってきっと叶わないって分かっているんだけどな。
烏「?乙夜、どないしたん?」
あぁ、まただ。
また、烏の前では上手く取り繕えなくなる。
ちゃんと笑えなきゃ。
俺は大した取り柄なんてないから。
そんな事を考えるうちに学校が見えてくる。
烏「ほら、学校見えてきたで、」
そう言って烏が歩き出す。
乙夜「…歩いたら歩いたで遅刻しね?」
烏「だって乙夜、具合悪いやろ?」
乙夜「…よく分かったね。気づかないと思った」
烏「あったりまえや。…何年お前の事見とる思ってんねん。」
そう言って烏は俺の頭をくしゃりと撫でた。
また、俺は顔を赤くする。
やっぱり俺は烏が好き。でもこの気持ちは伝えられない。
この恋心がバレたらきっと…一緒には居られない。
それでも烏の隣に居たい…
付き合いたい…
抱きしめられたい…
そんな叶いもしない夢をいつも考えている。
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夜。俺は嫌な夢を見た。
俺が目を覚ますと時計は昼過ぎを指していて。
学校はもう諦めようとベッドに戻ると
烏からメッセージが届いていた。
そこには、氷織と付き合ったこと、そしてこれからは3人で登下校はできない、と書いてあった。
そこで目が覚めた。
俺は時計を見る。
時間は7時30分。少し早かった気もする。
8時
俺は身支度を整え家を出る。
そこには烏が居た。
烏「なんや、今日は早いやん。」
乙夜「いやー。変な夢見ちゃってさ、起きちゃった」
烏「毎日その夢を見れば遅刻せんで済むんやない?」
乙夜「ダメ。俺のメンタルが死ぬ」
そんな他愛もない会話を交わす。
氷織「おはよう…って…え?乙夜くん今日は早いんやな…」
乙夜「ちょ、人を遅刻魔扱いすんなよ」
氷織「事実」
そして俺たちは3人で学校に向かう。
所詮夢は夢。気にしないようにした。でも…どうしても忘れられなかった。
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昼休み。
基本、俺は一人でいる。
烏や氷織とはクラスが違うから。
「乙夜くん、呼ばれてるよ」
クラスの奴に話しかけられ少し驚く。
久しぶりに…話しかけられた…かも
氷織「乙夜くん、乙夜くん、」
氷織に呼ばれ我に返る。
慌てて教室を出ると居心地が悪そうに教室を除く氷織に駆け寄る。
乙夜「氷織じゃん。珍しー」
氷織「いや…相談あってな…屋上来れるん?」
乙夜「力になれるかは知らないけど…俺でいいなら」
そう言って氷織と屋上に向かう。
何を話すのだろうか。
そんなに深刻な悩みなのだろうか。
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色々考えているうちに屋上に着く。
すると徐ろに氷織が口を開く。
そして言った。
氷織「僕…烏が好きやねん。」
その瞬間、俺の思考が停止する。
氷織が烏を好き…?
確かに烏は良い奴。
でも…烏を取られるのは嫌だ。
でも……氷織と気まずくなるのはもっと嫌だ。
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そして気がついたら教室に居た。
どうやって教室に戻ったかも、なんの授業をしたかも分からない。
あーあ。もうこのまま消えてしまおうか。
そんなことを考えていると背後から声が掛けられた
烏「なんや…乙夜、まだ居たんか」
乙夜「えー?…居ちゃ悪い?」
烏「悪かないわ…。一緒に帰らん?もう暗いし」
乙夜「……いいけど」
俺と烏は並んで帰る。…もし氷織がこんな姿を見たらどう思うんだろ。
傷つくだろうか
絶交されるだろうか
烏「なぁ、乙夜。」
乙夜「何?烏……。…っ!?」
いきなり腕を引かれ、そのまま抱きしめられる。
烏「俺は…乙夜が好きやねん。」
乙夜「え……?」
“好き”
確かにそう言った。
嬉しい。
俺も抱きしめ返そうとした時だ。
“僕…烏が好きやねん”
氷織の言葉が脳裏に蘇る。
そうだ、
氷織も烏が好きなんだ。
烏の気持ちは嬉しい。その気持ちに応えたい。
でも
氷織も失いたくない。
一拍置いて、俺は口を開く。
乙夜「ごめん…俺、烏とは付き合えない。」
その時の烏の顔は。
見たくもなかった。
烏「そうか…すまんな。じゃあ、また明日な」
俺は烏の後ろ姿を見えなくなるまで見つめた。
涙が溢れる。
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部屋に入ると俺はすぐに眠りについた。
最期の夢。
とても幸せな夢だった。
夢の中の俺は烏の告白をOKして
烏は笑顔で俺にキスをした。
そんな夢を見た。
朝、夢から覚める。
時間は11時ちょうどだった。
スマホを見る。烏からメッセージは来ていなかった。
いつか見た、悪い夢が現実になったみたいだ。
12時。
俺はひとしきり泣いた。
最後に見るであろう外の景色。
虹が出ていた。
綺麗……って思いたかった。
もう、どうしようもないか
13時。
家族に最後の”おはよう”を言う。
そして部屋に戻りありったけの本や教科書を集め、それを積み上げる。
14時。
部屋の天井に首を吊るためのロープを掛ける。
俺は積み上げた本の上に乗り、首にロープを掛ける。
ごめん。
ごめんね。烏。
大好きだよ。
最後に抱きしめてくれてありがとう。
そして足で器用に本と教科書の山を崩す。
足が完全に床に付かなくなりそのまま首が絞まる。
朦朧としてきた時。
最後に思い浮かんだ顔は。
烏の顔だった。