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夜の闇が町を覆い尽くしていた。
星は輝きを失い、冷たい風が吹き抜ける。
かつて「正義のヒーロー」として人々を守っていたアンパンマン。
しかし、今彼が立っているのは、かつての仲間の亡骸の前だった。
カレーパンマンとしょくぱんまん――彼らはもう動かない。
「ぐっ……は……」
カレーパンマンが苦しそうに息を吐く。
全身が黒い焦げ跡に覆われ、片腕は砕けていた。
「おまえは……本当に……アンパンマンなのか……?」
掠れた声で問いかけるカレーパンマン。
「……違う。」
ダークアンパンマンは、冷たく答えた。
「もう “アンパンマン” は死んだ。ここにいるのは……復讐の亡霊だ。」
カレーパンマンは、力なく笑った。
「……そうか……なら……俺も……ここで……」
最後の言葉を残し、彼の体は動かなくなった。
「カレーパンマン……!!」
しょくぱんまんが駆け寄るが、彼自身もすでに瀕死だった。
体はヒビ割れ、白かった顔は灰色に染まっている。
「おまえは……間違っている……!」
血を吐きながら、しょくぱんまんは叫んだ。
「正義を捨てて……仲間を捨てて……そんなことをして、何になる……!」
ダークアンパンマンは、何も答えなかった。
「おまえは……ヒーローだったんだ……!」
しょくぱんまんの拳が、ふらつきながらもダークアンパンマンの胸を打つ。
しかし、その一撃は弱々しく、もはや抵抗する力すら残っていなかった。
「……もう遅い。」
冷たい声とともに、ダークアンパンマンの拳が振り下ろされる。
ゴッ……!!!
しょくぱんまんの体が砕け散った。
白い破片が宙を舞い、静かに地面に落ちていく。
「……これで、全部終わった。」
目の前には、動かなくなった二人の姿。
彼らと共に戦った日々は、すべて過去のものとなった。