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「俺と心中してや、明那。」
「……ふわっち、?」
そんな親友の声と同時に、俺の視界は真っ赤に染まった。
「ッあ゛つ、!?」
「明那、あきな……俺と死んで?俺と死のうやぁ…ずうっといっしょにいようね。明那、、」
「ま、って、ふわ、ッ」
炎を身体にまとったふわっちが俺の傍に来て、ぎゅうっと抱きしめる。炎が燃え移って更に熱さが倍増する。
あつい、あつい、あついあついあついアツイアツイアツイあ゛づいあ゛づい゛ッ!!
「あ゛き゛な……ずううっと、ずっといっしょだよ」
その時のふわっちの顔が、頭から離れなかった。
「ッ!!!」
意識が浮上する。
…部屋のベッドだった。どうやら今見ていたのは夢だったらしい。
心底夢で良かったと感じている。
だって、もしあれが現実なら___
ピロン
「!!!」
携帯が鳴る。
どうやらふわっちからのようだった。
要件は、今日オフコラボしない?とのこと。
あんな夢を見た手前…まぁ、ただの夢だから。と思うようにして、ふわっちからのメッセージにOKと返した。
「明那。」
ふと、ふわっちが俺に声をかける。
それはまるで、夢の中でかけられた声と全く同じで。
「…な、ぁに?」
「……明那は、俺が死にたいって言ったら…一緒に死んでくれる?」
「__え」
聴きたくなかったことばが、耳を通った。
もう、死にたいんだって。ホストもライバーも辞めて、死にたいんだって。
今が、俺と居られたことが一番幸せだから、幸せのまま死にたいんだって。
「……おれは、まだ生きたいよ。」
「……うん」
「夢も叶えてない。叶えたい夢がある。」
「……」
「でも」
叶えたい夢はある。
あるけど、その未来に、俺の描く未来に不破湊が居ないというのは違う。
「俺の夢には、ふわっちもいないとダメなんだよ。だから、いいよ。死んでも。」
「__ぇ、?」
「ふわっちが死ぬなら、俺も死ぬ。
ふわっちの居ない世界なんて、考えられないもん。」
簡単に心中するだなんて言って。
後悔してしまうかもしれない。
でも、それでも不破湊が居ない俺の人生なんて、ただのつまらない毎日が続くだけだから。
だからさ
「一緒に死のう。ふわっち。」
「……うん、ありがとう、明那。」
ふわっちが事前に用意していたであろう、睡眠薬。
それを大量に手に取って、口に含んだ。
隣に居るふわっちも、同じように口に含んでいた。
「…ふわっち」
「なあに、明那」
「だいすき。」
頭がぽやぽやする。
強い眠気が俺の頭の中を襲う。霧がかかる。
……あぁ、眠いなぁ
最期くらい、ふわっちのことを見ていたい。
そう思った俺は、横になった身体をふわっちの方へ向けた。
「……ぇ、?」
最期に見たのは、ふわっちが口に含んだはずの睡眠薬を全て吐き出しているところだった。
「……あきな。」
これでもか、というくらい愛しいものを見るかのような表情で三枝を見つめて、そのままキスを落とす。
「これで、ずうっといっしょだよ。」
三枝明那だったモノを抱きしめて、不破は笑った。
心底、幸せそうに。
綺麗に亡くなった三枝を、不破はどうするのだろう。
まぁ、彼はそんな三枝だからこそ愛おしくて興奮するのだけれど。
…あの優しくも力強い歌声や、不破の言葉で一喜一憂する三枝の姿を見れないのは残念だが。
それでも、不破は後悔などしていないのだ。
何故か?
__それは、愛しい人を手の内におさめるために一芝居をうった
好きな人限定の、死体愛好者の話だから。