この作品はいかがでしたか?
225
この作品はいかがでしたか?
225
空が綺麗に赤く染まり終わった夕方。ミスターマネーとミスター銀さんの二人は屋上のベンチに座り、なにか話していた。
「綺麗な夕焼けだな!こんなに綺麗なら明日、晴れるんじゃないか?」
ミスター銀さんがミスターマネーに語りかける。ミスターマネーはうつむいて地面を見るばかりだった。
「ミスターマネー?どこか具合でも悪いのか?」
問いかけてしばらくするとミスターマネーは口を開き、こう言った。
「貴様は本当に俺のことを友達と思っているのか?」
不思議な質問にも関わらず、ミスター銀さんは即答で
「当たり前じゃねえか!それ以外なんの関係があるんだ?」
いつものミスターマネーなら「はぁぁぁぁぁ!たしかにそうだな!」と嬉しさ混じりに返すだろう。しかし今日は違った。
「俺を利用しようと考えたことはあるか?」
何か疑っているようだった。だがミスター銀さんは迷いなく
「利用?なんで友達を道具のように扱わなきゃなんねえんだよ!」
さっきまで暗く沈んでいたミスターマネーの目に光が入った。
ミスター銀さんは続けて言う。
「それにな、友達だと思っていなかったらここで一緒に座って話してねえよ!みんなも同じ気持ちだと思うぜ!」
照れていたからなのか、ミスター銀さんは真っ赤な空を見上げた。
その言葉を聞いた瞬間、ミスターマネーは心の中で自分を責めた。
大切にしてくれた友達を疑うなんて情けない。
昔裏切られたからって全く関係のないミスター銀さん、そしてみんなを疑うのはおかしい。わかってるのになんでこんな質問をしてしまったんだ。
そう考えているうちに目が潤い始めた。
少しの時間が経ち、ミスターマネーが声を上げた。
「ミスター銀さん」
名前を呼ぶとミスター銀さんは
「ん?まだわからないことがあるのか?」
とミスターマネーの顔を見た。目が合った瞬間、ミスター銀さんは驚いたようだ。
それもそのはず、さっきまで話していた友達が涙を流しながらこちらを向いているのだから。
「どうしたんだよ⁉︎俺、なんか気に触ること言っちまったか?」
そう聞くとミスターマネーは慌てて涙を拭き取りこう言った。
「これからも、友達でいてくれるか、、?」
ミスター銀さんは優しく笑い、ゆっくりとミスターマネーを抱きしめた。
「当たり前だ、これからもずっとだぞ!」
温もりを感じたミスターマネーはミスター銀さんにバレないよう、密かに大泣きした。
もちろん、ミスター銀さんは気づいていないフリをした。
コメント
1件