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あの日の思い出

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あの日の思い出

1 - 1話.出会い

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2025年04月26日

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初めて出会ったのは、放課後の公園だった。

夕日が街路樹を長く伸ばす頃

小さなブランコに1人で座っている子がいた。

足は地面に届かず、手には何も持っていない。

なのに何かぎゅっと抱きしめる姿勢で俯いてた


和臣はベンチに座る前にそっと声をかけた。

「こんな時間まで一人?」

少年は一瞬こちらを見て警戒心を露骨に顔に出した。

「…知らない人に話しかけられても無視してって言われた。」

「…偉いね」

和臣は笑って距離を取ったまま紙袋を開ける

「これ僕が作ったんだ。良かったら食べる?」

少年は目を細めた。けれど数秒の沈黙ののち、そろりと手を伸ばして袋を受け取った。

「…おいしい。」

「口にあったみたいで良かった。」

和臣は優しく微笑んだ。

それが少年とのはじまりだった。

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