テラーノベル
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「あ〜さみぃ…」
任務が終わって帰らねぇといけねぇし寒くて仕方ねぇけど今はここにいたい
ビルの上で万が一桃に見つからないように上手いこと身を隠しながら転落防止用の柵に腕をかけ街を見下ろすかたちで覗き込む
まだそんなに遅い時間じゃないからか人々が活動している様子が窺える
学生、家族連れやサラリーマンにOLにカップル
仲良さそうに手を繋ぎ笑い合い幸せそうにしている
「(あぁ…羨ましいな)」
妬みとかじゃなくて純粋な憧れを抱く
好きな人ならいるその人は俺よりも立場が上の優秀な人だ
初めて会ったのは練馬に見学に行ったとき
口は悪い、愛想がない、冷たい
嫌いだった
けど
仲間思い、優しい、かっこいい、
好きなところが多すぎた
けど叶わない恋だなんて恋の自覚と同時に自覚した
『月が綺麗だな』とか言われたい
真澄隊長の目の先ずっと俺でいたい
「ま、全部俺のくだらねぇ妄想だけど」
けどいつか『月が綺麗』という言葉を俺以外に向けるなら
今夜ぐらいは…
「おい 何してんだクソガキ」
「うぇ!?真澄隊長!?」
「なかなか帰ってこねぇてめぇのおもりを俺がする羽目になっただろうがクソが」
そう言って俺に蹴りを入れる
「痛ぇ…」
「はっ自業自得だ」
「ひでぇ」
何を言うでもなく俺の隣に立つ
「(かっこいいな〜ずっと見ていたい)」
「(月が綺麗とか隣で囁いてくれねぇかな)」
「で?なんでこんなとこにいんだよ」
「ん〜」
「月が綺麗だから」
「は?」
今夜ぐらいは俺だけを見て愛して?
「だって今日は月が綺麗だろ?見ないと勿体ないねぇじゃんと思ってさ〜 けどそろそろ帰らねぇとな 行こうぜ!」
今俺はうまく笑えてるだろか 笑えてるといいな
「________________」
真澄隊長が何かを言った気がした
「真澄隊長?なんか言った?」
「あ?なんも言ってねぇよ 耳までおかしくなったか?」
「言い方ヒデェ…ま、気の所為か」
「てめぇが勝手に居なくなっておいて先に行くんじゃねぇよ」
「痛っ!蹴らなくても良くね??」
「うるせぇ 帰ったら始末書倍な」
「え゛!」
「(てめぇにこの気持ちを俺から言ってやるほど優しくねぇ 俺はその気持ちに十分なほど答えてやるからだからさっさと言っちまえ )」
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