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夏油くん!嫉妬してー!
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私は今悩んでいることがあります。
それは、付き合い始めて3ヶ月の彼ー夏油傑のことです。「夏油くん。みて!′悟’が髪の毛編んでくれたの!」
「ごめん、夏油くん。今日は硝子とデートするから先に寮に戻っておいて!」
「任務で足怪我しちゃって…。七海くんにおんぶしてもらって運んでもらっちゃった。」この言葉に対して、夏油くんは
そうかい。わかったよ。ちゃんと七海にお礼をするんだよ。
っって!!!!
普通そこは、私以外の男に触れさせるな。とか私以外とデートするなとかそう言うのじゃん!!!しかも!!悟は名前呼び、夏油くんは苗字呼びだよ???え?付き合ってるの悟だった???しかも毎回ニコニコ笑顔じゃん…。「ぶーーーー……。」「おい、硝子。お前保護者だろ。あの唸ってる化け物どうにかしろ。」
「あれはクズに捕まったバカだよ。触らぬ神になんとやら…。」
「ちょっと!!!硝子、酷い!!私の悩みを聞いてくれよぉ…。」
「うわっ、喋った。」
そう言った悟を睨んで、硝子の方を向く。
「だってさ!こーーーーーーんなに色々やってるのに、眉ひとつ動かさないで相槌打ってるんだよ??ぜーーーーんぜん嫉妬してくれない!!!!私だったら、他の女の子と夏油くんが喋ってたら死にたくなっちゃうぐらい嫌だし嫉妬するのに!!何で?私だけ好きなのかなぁ………。はぁ………。」
「…あのクズに限ってそんなことないと思うけど…。まぁ、傑にもプライドがあるんだよ。」
タバコに火をつけながら硝子は言った。
ってかここ教室ですよ…禁煙です…。悟はガタンと立ち上がり私の机にバンッと手を置いた。
「ちょっと寝たふりしろ。」
「は??眠くないんだけど。クズなのに頭もバカになったの?」
抵抗とばかりに机に手をついて立ち上がり、悟の顔に自分の顔を近づける。
うわっ…。こいつ、まつ毛なっが。しかもこの色の目。神様は彼に何でも与えすぎです。性格だけ、クズにするって事でバランス取れると思ったの?それ、計算間違いだよ。
そんなことを思いながら悟の瞳をじーっと見る。
「はぁ…。まあいいや。このまま動くなよ。」
と小声で悟は言った。????と思っていたら、教室の扉がガラガラと開く。
悟の顔があって誰が入ってきたのかわからない。「おや?2人とも…彼女は…??
…………お取り込み中かな?」
この声は!夏油くん!
悟の身体で私が見えていなかったようだ。
顔をひょいっと動かし夏油くんの顔を確認する。
「あっ!夏油くん!任務終わったの??」
「………あぁ、報告しようと思って夜蛾先生を探していたんだ。ここにもいないようだね。職員室を見てくるよ。お土産があるから○○の部屋にあとで行ってもいいかい?」
「お土産!?やったー!!待ってるね!」
それじゃあ、と言って夏油くんは教室を出て行った。
「……………あれは…結構きてたな……。なぁ、硝子。」
「ノーコメント。けどまぁ面白いもんは見れた。」
「え?何の話??ってか、話戻すけどさー。夏油くんって私の事好きなのかな…。夏油くんは優しいから私に合わせてなんとなく付き合ってくれてるのかも…。」ショック…と呟きながら勢いよく椅子に座る。「傑はクズだから、そんな温情で付き合ってくれるような奴じゃないと思うぞ。そこは安心していい。まぁ、それでも捨てられたら私のところにいつでもおいで。」
そう言って硝子は私に微笑んだ。「うぅっ……硝子、惚れてまうよ…。」そう言いながら私達は教室を後にした。
ーーーー
コンコン寮の自室で明日の準備をしていると、ノックの音が聞こえた。
夏油くんだ!!
「はい!はーい!!!今出まーす!!!」
鏡で一度自分の姿が変じゃないかをチェックする。よしっ!!大丈夫!ガチャ自室の扉を開けると、制服姿から、ラフな私服姿に着替えた夏油くんがいた。
「ちゃんと誰か確認してからドア開けた?」
「う〝…ごめんなさい。」
「今回は私だったからいいけど、いつも気をつけないといけないよ。正直に謝ったから今回は許してあげる。」
「次から気をつけます……。」
「じゃあ、はい。これ、お土産だよ。」
そう言って今回の任務の場所ゆかりのお土産をくれた。
「わっ!!!ありがとう!!明日、私も任務だから、お土産買ってくるね!!」
「ふふっ。ありがとう。楽しみにしているね。」
「部屋でお話して行く?」
任務でしばらくいなかった夏油くんともっと長くいたいな…って思って思わず言ってしまった。
「うーーん。いや、君も明日任務だろう?しっかり休んで明日に備えた方がいい。今日は自室で報告書作るよ。」
「そっか!!!ごめんね!報告書作りあるよね…。」
「そんなに悲しい顔しないで。明後日は任務ないだろう?私も任務はないから、その時ゆっくり話そう。楽しみにしているよ。」
そう言って夏油くんは私のおでこにちゅっと口付けをした。な、なにそれ。かっこよすぎ…。
そう思ってポカーンとしている私を見て夏油くんはふふっと笑う。
そして、大きな手で私の頭を優しく撫でてきた。
「それじゃあ、おやすみ。」
「はっっ!!お、おやすみなさい!夏油くん!」
そう言って夏油くんが見えなくなるまで手を振って、部屋に戻った。
ーーーーーーーー次の日、任務のために集合場所に来た。
そこで、補助監督さんと会って車で移動したり、公共交通機関で移動したりするんだけど……あれ?後輩の七海くんと灰原くんがいる!「おはよー!2人とも。もしかして同じ任務?」
「おはようございます。そうです。今日は見学として同行させていただきます。」
「わー!先輩!よろしくお願いしますねー!」そう言って2人は補助監督さんの待つ車に乗る。
私も続けて車に乗った。任務内容は一級呪霊を祓うこと。
一級の私にはあまり難しい任務ではない。後輩もいることだし、先輩のかっこいいところ見せちゃおうかな!!
なんて思いながら任務に向かった。
最初はよかった。帳を下ろしてもらい、目当ての呪霊を探した。
そして出てきた呪霊に向けて私の術式を当てようとした。
その時、私を嘲笑うかのように私とは少し座標のズレた場所に呪霊は攻撃を放った。なんで?最初はそう思った。
振り返ると灰原くん、七海くんがいたのだ。やばい。この2人じゃ避けられない!!!
そう思った瞬間、私は動き出していて、呪霊の攻撃をばっちり食らってしまった。
「ぐっ……。」
思わず声が漏れる。
頭が回らない。
あーあ、後輩にカッコ悪いところ見せちゃったなぁ…なんて、余計なことを考えてしまう。ボヤける視界の中で呪霊に向けて術式を放つ。
ばちん!!!
大きな音と一緒に呪霊が割れ、赤黒い液体が噴出した。もう…無理……。
私はバタンと倒れ、意識を失った。
ーーーーーーー
「……って……んで……………わけ?」
「だから……な…ん…すっ…ば!!」
「おい、静かにしないか。とりあえず怪我は治したから大丈夫だ。」
「ですが、家入先輩…。」声が聞こえるなぁ…。
手があったかい。柔らかくてあったかいもので包まれてるみたい…。
ぎゅーっと握ってみる。「は???先輩??」
「先輩!?!?気がつきましたか???」うっすらと目を開ける。
白い天井って目がぼやけるくらい明るいんだなぁ…って思っていると、視界に七海くんと灰原くんが入ってきた。
「2人とも…無事でよかった…。」
そう呟く。「良くないです!!!なんで避けられるものあたりに行ったんですか!?本当に…心配した…!」
「僕達を守ってくださったんですよね…。ありがとうございました…。先輩が無事でよかった…」
2人に心配されてたなんて先輩として恥ずかしいな…なんて思っていると「あの…先輩そろそろ手を離して欲しいです。」
と七海くんが言う。
「え〝?」
右手を確認するとしっかりと七海くんの手を握っていた。
「ご、ごめんね。」
高校生にもなって人の手を握って寝てたなんて恥ずかしい…。顔が赤くなっていくのが自分でもわかる。
「盛り上がっているところ悪いんだけど、○○と2人で話したいんだけど?」ピシリと空気が凍る。そぉ〜と視線を声のする方に向けると、笑顔の夏油くんがいた。
今までいたのに気配を消していたの?ってぐらい静かだった。「おい、クズ、○○は今、目が覚めたばかりだ。後ででいいじゃないか。」
「硝子、私は○○と話すだけだよ。なにも問題じゃない。俺たちは”付き合っていて恋人同士”なんだから。」
「はぁ……。手は出すなよ。」
硝子は諦め顔で後輩2人を連れて医務室から出て行った。
ちょっと???こんなに重い空気なのに2人っきりなの???え??「怪我は大丈夫?痛いところはない?」
「う、うん。当たった時は痛かったけど、今は硝子のおかげだね。全然痛くないよ。」
「そう。私は痛いよ。」
「え!?夏油くん!怪我しちゃったの??硝子呼んで治してもらおう?」
「心が痛いんだ。そういうところも。」
「??なんのこと??」
「まず、呼び方。なんで私だけ、苗字+くん付けなの?」
「えっと……」
「悟は呼び捨てだよね?」
嫉妬させたかったからなんて言えない…。
「よく、悟に髪の毛触らせてるし…悟のこと好き?」
「えっと…えっと……。」
「ちゃんと答えて。」
上半身だけを起こしてベッドに座っている私に夏油くんは顔を近づけて見つめてくる。「…友達として好きだよ?」
「……そう。もうひとつ、硝子と出かける時デートっていうよね。」
「はい…。」
「デートは私と出掛ける時だけがいい。」
ここまで言われてあれ?と思った。
おや?これもしかして…。もしかして!
夏油くん!嫉妬してる???
思わず顔がニヤけてしまう。そんな私を見た夏油くんは更に機嫌が悪くなる。
「何?私は真剣なんだけど。」
そう言っておでことおでこをくっつけてきた。「それと、今回もだけど。七海と灰原との距離が近い。なんで抱っこさせてるの?気を失ってる時になんで七海の手を握って離さないの?私の手を握れよ。君が好きなのは私だけだろう?」なにこれ。夏油くんかわいい!!!!
顔に出ないようにしないと!ニヤけちゃう!!
「さっきから何?私は真剣だって言ったよね?」顔に出てたらしい……。
正直に言わないと、このまま夏油くんに怒られてしまう。
「あのね…実は……夏油くんが嫉妬してくれなくて、いろんなことしてたの。嫉妬して貰えるように。」
「は?」
「夏油くんは全然余裕そうで、私だけすっっごく夏油くん好きなのかなって悩んでいたの。」
「………まんまと嵌められたってこと?」
「嵌めるつもりはなかったんだけど…。」
くっっそ。やられたと呟きながら夏油くんが顎をクイッと上に向ける。
すると、
ちゅっ
っと音を鳴らしてキスをされた。
驚いて身体を後ろに引こうとしている私の後頭部をがつっと掴んで夏油くんは首筋を舐めた。
「ちょっと…!!夏油くん!!」
「名前。ちゃんと呼んで。」
そういうと首筋をはむはむと噛んだり、時折ちゅぅっと力強く吸い上げてくる。
「…っちょっと!!傑!傑!ストップ!!!」
「チッ。これからはずっとその呼び方だよ。間違えたらお仕置きね。」
「舌打ち…。」
「これぐらい私の胸の痛みに比べたら安いものだよ。私がどれくらい君を好きで、他の男と居るだけで、容易く嫉妬してしまうってことを君には身体で体験してもらったほうがわかりやすいだろう?ずっとわかっているだろうと思って手加減していた私がいけないんだよね。」
「ひぇ……。」
「私をあまり嫉妬させないでくれ…。人を殺してしまいかねないよ…。それぐらい君が好きなんだ。」
と私の方に頭をぐりぐりと押し当ててくる。
「わ、私も傑のこと好きだからね。」
今までの仕返しとばかりに傑の耳をちゅっと口付ける。顔をばっっと赤くした傑が可愛い。
「えっ!!傑、もっと顔見て。」
「やだ。今カッコ悪い。」そう言いながらイチャイチャしているのを廊下で待っている硝子はいつ終わるのかを悟と賭けていたとか…ーーーーー
教室で五条が寝たふりしろとか言ってたのは夏油が来るのがわかったから。角度的に夏油は五条と彼女がキスしてると思ってしまってめちゃくちゃ嫉妬してる顔になっちゃった、
それを硝子は面白いモンって言ってた。目覚めた時の言い争いは
夏油が「早く手を離せ」的なことで
七海は「だから、離れないんだってば!(私だって殺される前に話したいわ!!)」ってなってたんだと思う。