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テラーノベルの小説コンテスト 第4回テノコン 2025年1月10日〜3月31日まで
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「のあさん!お見舞い来たよ!!」

「るなも来ましたよー!!」

「わぁ!いらっしゃい!!」

彼女の名前はのあ。18歳だ。今は入院中である。今日は友達のえとさんとるなさんがお見舞いに来てくれているようでのあは、とても嬉しそうであった。

「えとさん!るなさん!」

(嬉しすぎて大きな声が出てしまいました…)

「!?どうしたの?のあさん」

「そうですよ?るなビックリしました」

とえととるなは驚いた声で言う。

「思いのほか大きな声が出てきちゃいました///それよりも!最近の面白いお話が聞きたいんです!」

のあは3ヶ月ほど前から入院しているため外に出られていないのだ。

彼女は『嚢胞性線維症』と呼ばれる、遺伝子性の疾患を患っていた。この疾患は、呼吸器やすい臓、腸など全身の分泌液の粘り気が強くなってしまう。 中でも呼吸器では、粘性の高い分泌液が気管支に詰まり細菌が体外へ出づらく、

増殖しやすいため気管支炎などの感染症を繰り返してしまうものであった。

そのため、のあは入退院を繰り返している。

そんな彼女のことを理解しているえととるなは、彼女が楽しめるように土産話を沢山用意していた。

「この間るなさんがね──────」

「───!──────!?」

「────?」

土産話に花を咲かせている内に、随分と時間が経っていたようだ。面会時間も終了の頃である。そのため、2人は残念そうにのあに別れを告げた。

「のあさん!またすぐお見舞い来るからね!」

「またいっぱいお話しましょう!!」

のあも渋々と2人に別れを告げる。

「…はい。また今度お話きかせてくださいね!」

そうして2人は帰っていた。急に寂しくなった部屋でのあは時間を持て余していた。

「うぅ…暇になってしまいました…。」

する事を思い浮かべようとしても浮かばず。のあはスマホでSNSを見始めた。

すると、ある人物のプロフィールが目に止まった。そこには、自分と同じ疾患に同じ年齢が書いてあり、のあは運命を感じた。

話がしたい…!思い立ったが吉日、すぐにDMを送ってしまった。


突然のDM申し訳ございません。na🍪です。

JP様のプロフィール欄に書いてあった、疾患と年齢が私と同じで勢いで送ってしまいました。もし嫌でなければ、これを機にお話したいです!!


元来、猪突猛進の気があった彼女だが、送った事を後悔をしていた。

(気持ち悪い奴とか思われてないかな?)

そんな彼女をよそに、返信があった。


はじめましてJPです。

俺と同じ年齢で同じ疾患なんですね!!運命的なものを感じちゃいますね笑俺もna🍪さんとお話したいです!!ぜひよろしくお願いします!


(…やったぁ!!嬉しすぎる!!)

のあは嬉しさのあまりはしゃいでしまった。

そのため咳が出てしまったようだ。

「ゴホッゴホッ」

咳が止まると、のあはJPに返信をし眠ったのであった。


その日から2人は毎日のようにやり取りを続けた。お見舞いにくるえとやるなからは、明るくなったねと言わるほど、のあの生活は充実していった。

やり取りを続けていく内に、JPの名前を教えてもらった。彼の本名はじゃぱぱだと言う。

もちろん、のあの名前だって教えた。

2人は互いに友情から恋情へとその感情を昇華させっていった。


そんなある日、JPことじゃぱぱが近々退院をする旨を電話でのあに教えてくれた。のあは大いに喜んだ。電話を切り、その話を主治医に話した。しかし、帰ってきた返事は、のあにとって絶望でしか無かった。それは

「2人は会うことが出来ないんだ。 」

というものだった。納得できないのあは主治医に問いかける。

「なんでですか!? 」

すると主治医は

「彼はね、バークホルデリア・セパシアという細菌に感染しているんだ。この細菌は、健康な人には無害だが、嚢胞性線維症の患者はセパシア菌の肺感染症を起こしやすい。そうなってしまえば君は5年以内に死んでしまう」

「そんな…なんで、なんで私たちにばかりそんな酷いことが…!!」

のあは泣き崩れ、行く先のない怒りを床にぶつけた。


その話は、じゃぱぱの元にも届いたようで、のあのためにこの想いを推し殺そうとした。

「のあさんには会えないのか…1度でもいいから会いたかった…」

悲痛な声は、涙と共に病室のシーツに消えていった。


しかし、これまでこの疾患に左右されてきた人生。最後くらい自分の好きなように生きてもいいのでは無いかとのあは思い、ついに会うことを決意したのだ。

家族からはもちろん反対された。友達にも泣かれた。でも最後は好きなようにするのが人生だと理解を示してくれた。

漸く2人は会うことが出来た。抱擁もキスもした。その瞬間、2人は最高の幸せが手に入ったような気がした。


2年後に、2人は家族や友人に囲まれながら結婚をした。とても美しくどんな物よりも価値がある時間だった。


しかし運命はやがて訪れてしまうもの。

出会いから5年、2人は同じ病院で入院をしていた。2人とも、肺の症状が悪化していたのだ。すぐにでも移植手術をしなければならないのだが、2人はそれを拒否した。2人は最後まで一緒にいた。先に限界が来たのは、じゃぱぱであった。

「のあさん、今までありがとう。

次の人生があるなら、健康に生まれてまた君と出会いたい」

じゃぱぱの言葉を聞いたのあは

「うんッ…!約束ですよ?」

と返す。その晩、じゃぱぱは静かに息を引き取った。

「ありがとう、じゃぱぱさん。」

誰もいなくなった隣のベットを見つめのあは微笑む。5日後、後を追うかのように、のあも静かに息を引き取った。


これは2人が見つけた悲しいけれど美しい恋のお話。



あとがき

このお話は実際にあったお話を元に作らせてもらいました。愛ってすごいと思います。とても感動しましたもん。私もこんな恋が見つけられたらな…

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