テラーノベル
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第4話:布団の中のまどろみ布団に潜り込むと、シーツのひんやりした肌触りのあとに、自分の体温でじわじわと温もりが広がっていく。
トラが布団の上に乗っかってきて、足元で丸くなった。心地よい重み。
明日が来ることへの不安が、ゼロになったわけじゃない。でも、今この瞬間は、誰も自分に追いつけない場所にいる。仕事も、人間関係も、責任も、全部この部屋の扉の外に置いてきた。
完璧な日じゃなくていい。何も達成できなかった日でもいい。ただ生き延びて、この温かい布団にたどり着けた。それだけで今日の自分は、満点をあげていいはずだ。
遠くで微かに聞こえる雨の音を子守唄に、私は深い眠りの海へ落ちていった。
コメント
1件
布団のひんやり感からじわっと温もりが広がる感覚、トラの心地よい重み…五感に訴える描写がとても丁寧で、一緒にその瞬間を体験している気持ちになりました。特に「何も達成できなくても、生き延びて布団にたどり着けただけで満点」という一文に心がじんわり。完璧を求めず、自分を認める視点、すごく沁みます。この静かな日常の尊さが、作品全体の温かさを支えているんでしょうね。次も楽しみです。