第一章
「占い師かと思ったら霊能力者とつながった」
もう長いことバイト以外は出かけることもなく
休日は一日部屋で過ごす。
半分引きこもりのような
そんな無気力な生活を送っていた。
眠れない夜にネットでチャットをした時
「名無し」の海賊アイコンのやつから
「話、聞いてるとさ、おまえいろいろやばいな。
あのさ、 知る人ぞ知るすごい占い師がいるから
一回、行ってみ」
そう言われた。
そして、
その人のXのアカウントを教えてもらったので
一応スクショはしたが、
あまり乗り気ではなかった。
どうすっかなぁ
まあ、これも何かの縁か?
そんな気持ちだった。
Xのその人のアイコンは初期設定のままで
名前はunknown。
ツイートもイイネも全くのゼロだった。
だから、捨て垢ってやつかもしれないし
もしかしてチャットで話した「名無し」の
自作自演の詐欺か?
そうも思った。
けれどまあ、
それならそれで騙されたふりをしてやろうか
そういう捻くれた気持ちで動いた。
「こんにちは
海賊アイコンの『名無し』という人からの
紹介で、占いをお願いしたいです。
そちらの都合の良い日に行けます。
場所と日にち、大体の料金もお教えください。」
そうDMした。
10万とか言われたらどうしようか。
まあ金ドブだとして、出せるのは1万までかな。
返事は1週間後に来た。
「占いではなく、霊視です。
名無しの海賊さんからの紹介とのことなので、今回は特別にみます。私が霊視をしていることや内容をネットや何かに載せたり、他言したりしないでくださいね。
金額のことですが、お金はとりません。お金をとって力を使うと力が弱まりますし、霊視は私の職業ではありません。
ご縁があって繋がった方の中でも、
気になった方にのみにご連絡して視て差し上げています。
3月4日金曜日14時
東京都豊島区巣鴨駅前の星山珈琲店
店を入って通路の奥、右側の個室にお越しください。」
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