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◇◇◇◇◇


次の日も電車で小田原に来ている。

なんか、探索者は増えてないが、昨日よりギャラリーが増えてる感じがする。


「おい!来たぞ!」

「本物ぞ。ヤバ。」

「コスプレしてないぞ。」

「それな。」

「トイレで着替えるらしい。」

「はよ!」


悪夢がよみがえる……。

ほっといて欲しいんだけど……。



トイレで着替えて出てきたら、拍手で迎えられた。大きな笑い声と共に。


お前ら〜!


くそー、なぜ、俺に構う!

プライバシー保護法はどうなった!

動画撮るなよ!


見下した注目を浴びながら、俺は小田原ダンジョンに入っていった。



◇◇◇◇◇



今日も混雑度は変わらず、全て無視して地下4階に。ただ、今日は地下4階も混雑していて、思うようにスライムが見つからない。


「ダメだ。不安だけど、降りるしかないな。」



地下5階は、ボス部屋。

難易度が一気に上がるんだよなぁ……。


あー、順番待ちか。

最後列に並ぶ。俺は4番目。


待ってる間に次の組も来て、早速絡まれる。


「ゆでたまご!お前、ソロじゃねえか!帰れよ!」


「ソロですけど、待っときます。」


「はぁ?別に親切で言ってんじゃねえんだよ!

目障りなんだよ!くそたまご!」


「そう言われても。」


「あー、むかつく!よし、わかったよ。」


そう言って、絡んできたやつが、俺に殴りかかる。


ほう、靴の効果でこうなるだろうとは思ってたけど、それ以上だね。

余裕で避けられる。

殴ってきたやつは、豪快にこけた。


「お前!許さねえ!」


また、立ち上がって殴ってくる。

今度はボクシングのように、素早い振りで殴りかかってくるが、連続で避けまくる。


「ハァ、ハァ、なんなんだ。」


「もういいですか?」


それからは、コソコソ何か話してるけど、絡んでくることはなかった。


よし!順番が来た!

俺は扉の中に1人で入っていく。


扉が閉まり、前に1匹の巨大スライムが現れた。

小田原ダンジョンの地下5階ボス

『ビッグボススライム』


戦闘力と防御力は強くなるが、動きは早くないとネットに書いてあった。

ぽよぽよと飛び跳ねるが、スキルは持ってない。あくまで、スライムの強化版だ。


「ほんじゃ、気合入れて行きますか〜!!」


パシュ!


「あれ?」


一撃?なんで?


反対の扉が開いた。

出口はこちら〜みたいな……。


慌てて、ビッグボススライムの魔心を拾って出ていく。と最初の広場に戻ってた。


いやいや、帰るには早すぎるでしょ!

まだ、1匹しか倒してないし。


そのあと、ボス部屋のみ5周回した。

ボスなのにアイテムドロップはなし。

やっぱり、結構辛いな。


でも!あれほど上がらなかった探索者レベルがついに!上がった!ヒャッホーウ!


「ふふふ。今日はこれくらいにしておくか。」


るんるん!



◇◇◇◇◇



もう、ギャラリーは気にせず。

って、気になるわ!動画撮るな!

歩いて行くと、道が割れる!

モーゼの如く、販売所へ。



「次の方〜!げっ!ゆで……。」

(なんで、また来るのよ!私まで撮られるでしょ!)


「お待たせしました。買取ですね。そのマジックトレイに魔心を置いてください。」


コロン!コロン!


(ほら、チョロっとじゃないの!あれ?大きいわね。え?ボス?)


マジックトレイが、買取金額を表示する。


「はい、買取金額は50,000円です。口座に振り込みますので、右手をIDセンサーに乗せてください。」


カチャカチャ


(まじ?あのゆでたまごよね?

あれ?レベル4?

でも、スキルなしのまま?

どうやって倒したのよ!)


「はい、完了しました。

本日はボス討伐が確認出来ましたので、探索者ランクが国内D級に昇格いたします。

これにより、D級ダンジョンの入場が可能になります。

すでにデータが更新されてますので、協会ホームページからご確認ください。

他にご用件は、ございますか?」


「いえ、大丈夫です。」


「それでは、またお越し下さい。ありがとうございました。」


「はい、ありがとうございました。」


うおー!また新記録だ!

しかも、ランクアップ!そっか〜!

今日も、コンビニスイーツだ!うふふ。



◇◇◇◇◇



「ただいま〜!桜!今日もスイーツ買ってきたよ!」


「お兄ちゃん!!今日もミーチューブに上がってるよ!」


「……やっぱりね。」


「どうしたの!お兄ちゃん!ボス討伐したって出てるけど、ほんとなの?」


「うん、ランク上がった。」



「そっか〜!おめでとう!良かったね!」


「うん、ありがとう。」


「探索者に戻るの?」


「いや、まだ決めてない。気まぐれでダンジョンに行っただけだし。たまに行くかも。」


「うーん、そっか〜!そうだね。また、あんなことになったら、嫌だもんね。」


「お前はどうするんだ?高校卒業したらやるのか?」


「うん、やるよ!友達と約束してるし。」


「そっか〜。うん、応援するよ。」


「うん、ありがとう。それじゃ、ご飯にしよう!スイーツはそのあとね!」



◇◇◇◇◇



自分の部屋でパソコンに向かう。

探索者協会のホームページにログインしてマイページを確認。


橘 颯 25歳 日本合衆国🇯🇵

東日本州・川崎支部所属

探索者《シーカー》ランク:国内D級

東日本ランキング:10,652,953位(圏外)

日本ランキング:38,754,064位(圏外)

世界ランキング:2,086,654,126位(圏外)


やっぱり、底辺のランキング……。

ただ、世界ランキングで言うと、

23億位→20億位!3億アップです。

ふふふ。底辺は上がりやすい(笑)



ついでにミーチューブを見る。

ゆでたまごで検索すると、結構の数が上がってる。しかも、だいたい悪意があるタイトルが付いてる。もう、見たくない。

再生回数はそれほどでもないが、これはまずい。今、目立つのはよろしくない。


せっかく、ランク上がったけど、自粛しよ。



これ以来、休止状態に突入するのだが、一部のコアの間で、第二次ゆでたまごブームが到来するのであった。

これが、良からぬことを引き起こすことに。


◇◇◇◇◇


【オー!マイ・ダンジョン!】-拾ったスキルで成り上がれ!-

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