「ッは、!!」
親の顔より見た天井。なんてのは嘘だが、
どうやら俺は知らぬ間に寝ていたらしい。
それにしても、
「…最っ悪な夢…見ちまったな…」
夢、というのは、無邪気な淵源の三男、確か名前は…ってそんなことどーでもいい、あのプリン野郎と戦ったとき、アイツは俺をかばって死にかけた。
その戦いを、夢で見たのは久しぶりだ。
戦ったあとはしょっちゅう見てた、結構なトラウマになってしまっている。
“アイツ”というのはランス・クラウンという超がつくほどのシスコン野郎だ。
…まぁ今では恋人な訳だが。
「マジで意味わかんねぇよ…」
そんなシスコン野郎は今、同じベットの上、俺の隣でウザイくらいぐっすり眠っている。
俺はこいつのせいで起きたのに(?)迷惑をかけた当の本人は規則正しい寝息を立てている。
(こいつマジで死なねぇかな…イケメンだし…うぜぇ…)
こいつのツラの良さを再確認し苛立ちを覚えたのでランスとは逆を向いて寝る。
もはや不貞寝である。
(…なんか、もったいねぇなぁ…)
「……、(スゥスゥ」
こんなにツラが良く、女にもモテ…チッ…モテるだろうに、こいつはどうして俺を取ってしまったのか、本当大馬鹿者だ。
別に幸せとか、そんなんは求めてない。
ただ2人とも、気が合うってだけ、似たもの同士だし、ただそれでお互い形がハマって気づいたらこんな関係になってた。
でも全然、後悔はしていない。
一応、「好き」という感情も持ち合わせている。
「ランス、おい、ランス」
「…ん…」
「さっさと起きろスカシピアス」
「…うるさい…黙れチンピラ…」
起きて早々の悪口、ひでぇなこいつ、
人のこといえねぇけど、
「おはよ、ランス」
そうやって微笑んでいう。
なかなか気持ち悪いことをした。
ランスも目を見開いている。
「あぁ、…おはようドット」
驚きながらも返してくれる。
やっぱ、好きだわ、
「腹減ったし朝飯作ろーぜ」
「だな、サンドウィッチでいいか」
「おう、紅茶も入れる」
「頼んだ」
いつもの日常が、今始まる。
コメント
8件
私ドトランも大好きで…♡ ドトランの小説少ないので助かります♡
こんな神小説投稿してくださってありがとうございます♥️これからも頑張ってくださいね!
それは良かった