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「昨日午後11時ーー分頃、東京都ーー市で謎の死体が発見されました。警察はーーー」
狭い部屋にテレビと米を咀嚼する音が混じる
(またこの事件か…)
男はコンビニで買った安いトンカツ弁当を頬張る
(あ、やべ遅刻する)
弁当のゴミを袋に投げ、支度をはじめる
バックに教科書を詰め込み外へ出る
スマホで時間を確認しながら電車に乗る
(せまい)
電車の中は人で溢れていて揺れるたびにおじさんとぶつかる
鼻が痛むようなキツイ香水、化粧、おじさんの汗の匂いが混ざっていて汚水に入れられた金魚のような気分だった
高校に着き昇降口て靴を履き替える
女子の甲高い笑い声が聞こえた
「え、まじそれなー!」
「おっさんがJKと同じ空気吸うなっつうのw」
「昨日大学生くらいのイケメン見かけたんだけど!話しかければ良かったー!」
(うるさ)
聞きたくもない情報が頭に入ってくる
階段を上りまっすぐ教室へ向かう
自分の席に行きバックを置く
「あ!一ノ瀬!」
男子が集まる1番後ろの席から1人、教科書を机の中に入れている男に近寄る
「おはよ!昨日の事件のニュース見た?」
『昨日の事件?』
「謎の死体が発見されたやつ!事件現場には動物が食い荒らしたようにぐちゃぐちゃにされてたんだって!!」
やばくね?!と話す男、近藤陽斗に教科書を机の中に入れている男、一ノ瀬蓮は言った
『あぁ、今朝ニュースでやってるの見たわ』
『犬にでもやられたんじゃない?』
「なわけねーだろ!」
近藤がそう言った瞬間チャイムがなった
放課後
一ノ瀬蓮は学校からまっすぐバイト先へ向かう
一人暮らしの為生活費や学校でかかるお金は全て自分で稼がなければならない
午前0時
バイトが終わり家へむかう
(疲れた…)
空は暗く、周りに人は誰もいない
スマホをいじりながら歩いていると
上から一ノ瀬の倍以上あるバケモノが降ってくる
『は?』
目の前にいるバケモノに困惑し、後退る
(なんだ、この、バケモノ、、)
バケモノは一ノ瀬を見たかと思えば刃物のような長い爪で攻撃をする
(あ、俺、死んだ)
目を瞑って死を待つが痛みはこない
恐る恐る目をあけると
一ノ瀬の前には血のような真っ赤な髪の女が立っていた
『え、だれ、』
女は赤黒い剣でバケモノを真っ二つに斬る
『な、にが、起こって、』
剣を持った女は一ノ瀬に近付く
(何もかも見透かされているみたいな真っ直ぐな目…)
女は口を開く
「あなたは人間?」
『え、』
『人間、です』