この作品はフィクションです。実在の人物や団体などとは一切関係ありません______________________________________
深澤side
ロケバスの中、みーんな疲れて寝てるのに俺らだけ目が冴えて寝れなくて。何かやれることねえかなってオセロとかやってたけど二人とも弱すぎて泥試合。おもんねえなーってすぐ辞めた。また暇になったから、眠くないけど寝るかぁ…と目を閉じようとした瞬間、翔太に声をかけられた
『…なぁふっか』
「んー?」
『声出したらだめゲームしよーぜ』
「…乗った。わら」
ルールは簡単。声出させる側と我慢する側を決めて、どんなかたちでも良いから相手に声出させたら勝ちっていうシンプルなゲーム。手の甲つねるとか、顔で笑かしにいくとか、もう大体なんでもあり。んで笑わせたりする側はちょっとくらいなら喋るのもあり
『んじゃ俺から』
「何分?」
『ちょっと長めに…1分半』
「なげえなおい」
『いいだろ別に』
「んやいいけど」
ミュートにしてタイマーを設定して、パッと翔太の方を見るとすんげえ変顔してた。いつかやった変顔3連発とかの時よりも遥かにグレードアップされててやばい。いつもの可愛い顔は何処へやら、今なら俺よりバケモン間違いなしだなこりゃ
「……」
『ちょっと手使うわ』
ぐにょーんって目尻をバカみたいに下げてるからもはや原型さえもとどめてない。もうそこまで来たら誰なんだよお前、って言いたくなる気持ちと笑いを堪えながら彼を見詰めていると、諦めたのかスッと手を戻した
『…意外と耐えるな。』
「ん”ん”…っ、ちょ、急に真顔に戻るんじゃねえよ、わら」
『うぃー俺のかちー笑』
他人の唐突な真顔って何でこんなに面白いんだか。んでその後の勝ち誇ったような顔が愛おしくも憎らしい。タイマーを止めると残り30秒くらいだった。んじゃ俺は大体1分以内に何かしらの方法で声出させなきゃ勝てないわけね
『じゃあ次ふっかの番』
「ん~なーにしよっかなあ」
『あ変顔は無しな』
「変顔無しなの?わら」
『そ。俺もうやったから』
うーん…変顔使っちゃダメなのかあ。道具も何もない今、俺の武器になるのは自分自身の身体のみ。よし、ならアレやるか。もう1回 “何やってもいいんだよね?” と確認を取ってからまたタイマーを設定して、ニヤつく翔太の顔を見た
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渡辺side
さぁてふっかはどう仕掛けてくるかなーと楽しみにしていたら急に頬を撫でられた。突然のことにちょっとビックリしちゃって肩が跳ねる。…なるほどな?動揺させる作戦か。まあ残念だけどそんなん俺には効かな…
『…っ?!』
「おー、耐えたね」
頬に触れていた手が耳の方に移動してきていて、すり、と耳を撫でる。やばいかも、俺耳ちょっと弱いんだよなあ。ていうか元々そんな弱くなかったのにそんな風に作り替えたのは目の前のこの男な訳で。そんなことは置いといて…この程度なら声出るほどの刺激じゃないし、まあ大丈夫だろ
「まだ平気?」
『…』
「…あそっか喋れないのか」
こくこくと頷く俺を見て不敵な笑みを浮かべたかと思うと、その細い指で耳たぶを柔く挟む。つけていたピアスが指先に触れると、俺が痛くないようにという配慮なのかその手付きはいっそう優しくなった
『っ…、?……??』
「なぁに、昨日のこと思い出しちゃった?」
図星を突かれてしまって直ぐに返答が出来なかった。そもそも声出したら負けるから答える術もないんだけども。なんでこんな変な感じすんだろうと思っていたら、そうだわ昨日のあれのせいだ。昨日もえっち中に耳弄られてたからそれがフラッシュバックしてんだ、
『…ぅ、ぁ』
「こら、手退けようとしないの」
『…じゃあ離せよ、!』
「あーあ、声出しちゃった」
『…もうこのゲームやめる』
「んー?でもまだ時間残ってるからもうちょっと我慢しよっか」
『…ぇ、?』
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『…っぁ、♡も、ふっかぁ…』
「あーらら、耳弄ってただけでこんななっちゃうのか、」
耳弄ってた”だけ”とか抜かしてるけどタイマーが切れてからもコイツは弄り続けて耳元で何かしらを囁き続けてきていた。…内容は教えらんないけど。あーくそ、こんなことされたらロケバス内なのに変な気分になるじゃねえか
「ホテル着いたら一緒に風呂かな」
『…絶対同室にしろよ』
「もちろん、一緒に寝よーねー」
『なんか意味変わってきてねえかそれ…』
「元から”その”意味で言ってるけど」
とかなんとか話してたら後ろに座っていた康二がトントンと背もたれを叩いてきた。なんだ、変な時間に起きちゃって今何時かわかんなくなったか
【あの…全部聞こえとるからもうちょい声量落とした方がええで、笑】
『おいお前…!』
「うはーごめんっ!」
【いや聞こえてんのほぼ全部しょっぴーのほうやから笑】
『えっ…』
「っ…ど、どんまい、わら」
“悪友今頃どうしてんだろうね~”別部屋はこの話題で持ちきりだったとか
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おまけ(ホテルにて)
深澤side
部屋の中に響くのは微かな水音と二人分の不規則な息遣いのみ。それに混じって時々どちらかの甘い声が溶け込んでいた
『はぁ…っん、く、…♡』
「声と一緒に息も止まっちゃってるじゃん、苦しくない?」
問われてもなお、何も返答しないまま翔太は唇を噛み締めながら涙に濡れた睫毛を伏せて繋がれた手をぎゅうっと握っていた。その姿は酷く官能的で、それでもって苦しそうで。なんか俺が悪いことしてるみたいじゃんか
『はぁ…っん、ぅ”~~…、♡』
「…今日はもうやめとく?」
『…な、んで、?』
「苦しそうだもん、声出せないの」
多分お隣とかに聞こえてたらやばいから抑えてるんだろうけど、苦しそうな声を、顔を認識する度に胸がぎゅってなる。ぶっちゃけ両隣に泊まってるペア、いわあべとめめだてだから声聞こえてても何も言わないと思うんだけどな
『…やだ、ふっかまだイッてねえし、』
「俺のコレはどうにでもなるけど息出来ないのは死活問題だろ…」
『…じゃあ枕貸して』
その辺にあった枕を渡すとぎゅっと抱え込んで口元に押し付けるようにしていた。息苦しさはなんら変わってないどころか悪化してそうだけど、翔太がここまでするなら仕方がない
「ほんとにやばくなったら直ぐ枕離せよ」
『ん。』
言った5分後には枕はどっかに放られていた
次の日、翔太はひかるから「仲良しなのはいいことだけど、時間と周りのことは考えような。」とお叱りを受け、俺はなぜか舘さんから「翔太のあんな声初めて聞いたんだけど…幼馴染みの俺よりふっかの方が翔太に詳しいの?…ちょっとなんか許せない。」と謎の敵意を向けられた
コメント
6件
おもろい、そしていい…………悪友大好き……
この調子で💛💚と🖤❤️が見れると思うとニヤニヤ止まらない🫣🫣
