コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
大きなハエは黒いモヤの様な物を発し始め、それが決して良いものではないと言うのを感じたユキは急いで転送魔皮紙を使用して結界魔皮紙を取り出した。
「みなさんも急いでください!モグリさんも屋敷にあるありったけの魔皮紙を!」
「お、おう」
「ヒロユキさんと他の方は結界を重ねてこの屋敷の防衛の強化を!私とジュンパクは外で少し様子を見てきます!」
「……俺も行く」
「ヒロユキさんはここにいて子供達を守ってください」
「ミー達2人が行くとなると、戦力になるのは兄貴だけだからね、重大だよ」
「……わかった」
「大丈夫ですよ、すぐに戻ってきますから、では頼みました!」
そういってユキは出ていった。
馬の獣人と狐の獣人はそれぞれ今のを聞いて在庫を取り出しに行き、部屋にはヒロユキとモグリだけになった。
「……」
「待て」
結界をはりに行こうと部屋を出ようとするヒロユキをモグリが止める。
「……?」
「なぜ助ける?」
「……助かる理由はいるか?」
「ハハッ、確かにな……俺も奴隷を秘密で助けているのは理由なんてない」
「……そうか」
「だが“キッカケ”はある」
「……」
「俺のキッカケは過去……俺を買ってくれたマスターが救ってくれたからだ……その意思を継いでいる」
「……奴隷だったのか」
「あぁ、金も持ってない貧乏人で年も食ってた……だから安い俺しか買えなかったのさ、そのマスターは俺を家族の様に扱ってくれて毎日呟いていたよ……もっと早くお前達の事に気付くべきだった、目を向けるべきだったと」
「……立派だな」
「あぁ……その思いを無駄にしないため、マスターが死んだ後もこうして奴隷を買って解放している」
「……」
「それで、お前のキッカケは?」
「……俺のキッカケは__」
「……兄さんだ」