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Mrs. GREEN APPLE/BLではない/平和/若井さんが思いの外ガキみたいになっちゃった
『どうぞ〜』
藤澤「わぁ!ありがとうございますー!」
若井「すご!俺1番でっかいの!」
藤澤「えぇ〜?ずるいよ先に取るのは!!」
MVの撮影現場で出てきたスイカ。
切る前の丸い状態から見させてもらったから2人のテンションは爆上がりだった
藤澤「ほら、元貴。早く食べないと取られちゃうよ笑」
大森「ありがと笑」
涼ちゃんからスイカを受け取り横を見ると、見たことないくらい早く、でも綺麗に食べてる若井。
可愛い。成人男性に対してそう思ってしまう俺は異常なのかもしれない
若井「あまっ!うまっ!」
藤澤「久しぶり食べたな〜。なんか懐かしいかも」
大森「俺も何年ぶりだろ…..子供の時以来だな」
藤澤「大人になってからは中々買わないよね」
大森「うん」
1口齧ると広がる甘さ。
美味しい。こんなに甘かったっけ
高いやつなのかな。それとも味覚が変わった?
少しハマってしまいそうなくらい美味しい
そういえば、スイカと言えば…..涼ちゃん信じるかな
大森「涼ちゃん、種食べた?」
藤澤「ん?ううん。流石に出すよ笑」
ほら、と皿の中を見せてくる。
汚な。べつにいいけど
大森「その種飲み込んだらおへそからスイカ出てくるよ…笑」
“ えぇほんと?! “なんて信じ込む涼ちゃんを想像すると笑ってしまう
30代でこんなに純粋な人間は他にいるのだろうか。
とても愛らしい。
藤澤「……流石に信じないですー。それよく言うやつだよね笑」
大森「あ、バレた?笑」
うん。と頷くと、涼ちゃんはまたお皿の中に種を吐き出す
若井「でも俺高校まで信じてたなーそれ」
大森「え?」
隣で静かに食べてた若井が口を開く。
最近までって….。結構分かりやすい嘘だと思うけど
大森「嘘でしょ?笑。普通に考えたら分かるだろ」
若井「いやまぁそうだけどさ….。なんか嬉しくない?おへそから簡単にスイカが出てくれればいつでも食べれるし」
大森「そこまでして食べたい?笑」
若井「うん笑。俺スイカ大好きだから」
もう一口スイカを口に運ぶ若井。
もう彼の分はまもなく終わる
名残惜しさからか、先程より小さめな1口になっている気がした
藤澤「……..え、それで言うとさ。デカイじゃん、スイカって。おへそはその重さに耐え切れるのかな」
大森「、、、そこ?」
若井「っふはははは笑笑!」
絶対そこじゃない。いやどこでもないけど
何か考え込んでるなと思ってたらそれかい
藤澤「気にならない?笑。そういうの」
大森「どういうのだよ。気にならないよべつに」
藤澤「えぇ〜そう?俺だけか…」
しゅんとした顔で下を向く。
また考え込んでいる様子でうーんと唸った
今度は何を言い出すのだろう、俺はそっちの方が気になる
藤澤「誰にどんなトーンで言われるかによるなー。」
大森「え、なにが?」
藤澤「信じるかもってこと!笑。俺元貴に真剣そうに言われたら、信じちゃうと思う」
大森「っ……///」
褒められてるのか貶されてるのかは分からない。
でも少し小っ恥ずかしくなって、スイカを口に含んだ
すると突然若井が立ち上がり、庭の方へ歩いていった
藤澤「?、若井ーどこ行くのよ笑」
若井「この種さ、ここの土に植えようよ。でっかいのが出来るかも」
藤澤「たしかに……それいいねぇ」
涼ちゃんも若井のところへ歩いて行き、二人で種を全て植え込んだ
ホントは1つの穴に全ての種を入れたら腐るだけだと思う。
肥料だって無ければ育たないと思う。
土だって、質の良いやつを使わないと芽さえ出ないかもしれない
それでも、どうかこの種が立派なスイカになりますように。
そう遠くで見守りながら祈った
2人が残した皮を見て、頬が緩んでしまう
何故だろうか。俺には分からない
藤澤「いやー….やっぱり皆で食べると美味しいね。幸せ〜」
戻ってきた涼ちゃんが俺の隣に座った
それだ、俺の心の中で引っかかっていたこと
皆で食べるから美味しいんだ。
幸せだから微笑むんだ。
味覚も好みも変わってない。
ただただ大好きな仲間が一緒に居てくれるから、俺はスイカだけで幸せを感じ取れる
それなら尚更、あの種が大きなスイカになればいいのに。
俺達よりも大きく、甘く。