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英が一方的に拗らせてるのかと思いきや日帝も相当未練タラタラで最高によきです…💓ありがとうございます😭
リクエストいいでしょうか?日英お願いします!
初めましての方は初めまして優華と申します。
小説を書くのは初めてでして、誤字脱字、文法がおかしなところがあると思いますが温かい目で見守っていただければ幸いです。
注意事項を承知の上でお楽しみください。
ーーーーーーーー注意事項⚠️ーーーーーーーーー
・同性愛の描写があります。
・実際の国家が登場しますが今作品と一切の関係はございません。
・特定の国家を貶める意図はございません。
・旧国が登場します。
・話を理解するには1話から見始めていただく必要があります。
・今回長いです。
・以上の点を許容できる方だけ読み進めてください。
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市民の道を抜け暫く馬車が走った後、立派な御屋敷が見えてきた。
正直さっきの市民の歓声で頭が割れかけた。
物凄い音量で絶賛耳が痛い。
「今回は日本の文化を知っていただくために移動するかもしれませんから、体力は温存していてくださいね。」
「ふふっ…」
歓声で頭を痛めている私に気付いたようで、話しかけてきた。
私をからかった時の笑った顔は以外にも幼い少女のようで愛らしかった。
『ふーん…』
改めて良く見れば顔の造形は整っているし、睫毛も女児のようにふさふさと生えていた。
『彼処の御屋敷はなんです?』
御屋敷に指を指しながら質問をする。
「その事ですが…」
「あなたには今から御屋敷で我国の伝統的な遊びをして頂きますよ。」
(遊び?)
衝撃的な言葉が聞こえてきて体が硬直する。
『今遊びって言っていいましたか?』
「はい。」
『もっと…絵画鑑賞や、演劇などでもなく?』
「はい。」
まさかこの歳になって子供遊びをすることになるとは…それも同盟国相手に…
『はぁ…分かりました。それで私は今から何をすればいいのですか?』
「百人一首をやっていただきます。」
『百人一首…?』
なにか日本の文化について調べた時に本に書いてあったような…
「百人一首とは、簡潔に言えば読み手の読んだ読み札に対応する取り札を相手より早く取り、取った札の量で勝敗を決める遊びです。」
『はぁ…』
「要するに読まれた歌に対応する札を相手より先にとるゲームですね。」
此奴…確実に勝てるからと暗記物を選んできましたね。
私を負かすための手段を選ばなくなってきている気がします。
『それ私圧倒的に不利ですよね?』
『歌なんて覚えてきてませんよ』
「百ほどのしか歌の種類は有りませんし、最後に取り札に書かれている文も読まれますから…」
『それでも不利なことは変わりありませんよ。』
「因みにですが…」
大日本帝国の口角が上がる。
「私はどんなに有利でも容赦しません。私これでも狙った獲物は逃したことないんですよ?」
前言撤回。やはり私をからかってくる貴方の顔は気に入らない。
『私は絶対にやりませんからね。この歳になって子供遊びなどやりたくもありません。 』
「大変お美しゅうございますよ。ニコ」
結局言いくるめられて競技かるた用の着物を着せられてしまった…
「それではまず、歌から覚え始めましょうか。 」
美しい模様入りの和紙で包まれた箱を持ってくると、中から大量の札を取り出し床に並べ始めた。
『思ったんですけど…』
「はい?」
『百人一首を覚えていたら2日のうち1日は潰れません?』
「だから言いましたでしょう?移動するかもしれないと…大英帝国殿が百人一首を気に入られたのなら全てカルタになりますよ。」
『妙な言い回しだと思ったんですけどそう言うことですか。』
『あと…提案なんですか。』
「…なんでしょうか?」
少し驚いた顔をして私を見つめる紅い眼。紅い眼なら亜米利加や加奈陀で見慣れているはずなのにどうも目が離せない。
『大英帝国殿など硬く言わずにお互いに呼び名で呼び合いませんか?これからも様々な場面で一緒に過ごすでしょうし…』
『呼び名で呼び合うことで我々が確固な関係を築いていると周りにアピールも出来ますから、悪いことはないでしょう。』
少し顔が火照って口が勝手に言い訳をつらつらと並べ立てる。
少し考え込んだあと少し赤くなった顔でこう返す
「少し恥ずかしいので、最初は英帝さんから始めてもよろしいですか?」
『はい。それではその…日帝さんで宜しいですよね』
「はい…お好きにどうぞ。」
少し気まずい雰囲気が流れた。
目を床に移すと部屋の一角は綺麗に並べられたかるたの札で埋め尽くされていた。
(どのようなことが書いてあるんだろう…)
気まずい雰囲気を誤魔化すように札に書かれている歌を読んでみる。
『この平仮名の順序に意味はあるのですか?』
札を見ても不思議な仮名の順序で何と書いているのか分からない。 日本語は方言以外は大抵は学んだはずなんですけど…
「この歌には全てちゃんと意味が有るんですよ…恋のうたに、季節の歌…」
「歌を読めないのは約1000年近く前の文ですから今とは少し単語が違うんですよ。」
『そうなんでか…』
私があまり興味のなさそうな反応をするとそれを察知したのか
「もしよければ自分のお気に入りの歌を決められたらどうですか?意味は私が訳します。」
『お気に入りの歌ですか…』
『…それでは…日帝さんにも好きな歌があるのですか?』
無性に気になってしまって我慢出来ずに日帝に話しかける。
「えぇ。私はこの歌が好きなんです。」
日本は他の札に目もくれずひとつの札を手に取った。そしてまるで愛しい人を見るような優しい目で札を見つめていた。
「かくとだにえやは伊吹のさしも草
さしも知らじな燃ゆる思ひを…」
『その歌はどのような歌なのですか?』
国民にも見せていなかった優しい顔で札を胸に当てつつ穏やかな声色で答える。
「こんなにも貴方を思っているのにどうして口に出して言うことが出来るでしょう…」
「ましてや伊吹山のさしも草のように燃える思いをあなたはご存知ないでしょうに…」
歌の意味を聞いた瞬間世界が一瞬色褪せたように感じた。日帝が歌を歌う時間が一生続くようにも一瞬で過ぎ去ったようにも感じ、なんとも言い表せない気分になった。
『恋のうたですね…』
「はい…」
少し火照った貴方の顔が私の眼に映る。
身体中が小刻みに震えながらも恐る恐る日帝に問いかける。
『…想い人が…いらっしゃるのですか…? 』
「えぇ。私の憧れの人…」
私の世界の色が消えた音がした。
呆然としている私を横目に日帝の秘書らしき男が日帝になにやら近づいて行く。
しばらくその男と話したあと急ぎの様子で立ち上がり…
「英帝さん。それではこれで失礼します。」
『えっ…』
『ちょっと待ってどうゆうことですか!?』
「急用が出来たのです。これから英帝さんの御相手は私が手配させておきます。」
急ぎ足でその場を去っていく。
『少し…待ってください…』
少しずつ貴方の姿が小さくなっていく。
『まだ貴方に言わないといけないことが…』
日帝は私の声に聞く耳を持ってくれない。
『私…』
去っていく日帝の腕を必死に掴んだ。
「痛いっ痛いっ痛いっ!腕離せコノヤロウ!?」
『いっだぁっ!?』
頬を叩かれる衝撃で目を覚ます。
『はっ…えっ…フランス…?』
目の前には昔からよく殺りあっていた腐れ縁のフランスが物凄い形相で私を睨んでいた。
『お前なぁっ…酔い潰れた家主をゲストに運ばせるやつがどこにいるんだよっ!?』
『酒飲むのイギリスが誘ってきたんでしょ?』
『しかも僕の腕思いっきり掴んできてさぁ…腕に跡ついたんだけどっ!?』
「あれ…私…今日帝さんとかるたを…」
私が混乱しているとフランスは愚図る赤子をあやす様に言う。
『イギリス…君寝言でずっと日帝、日帝言ってたよ?』
『待ってって言いながら僕の腕掴んで…』
『てか泣いてるし…』
フランスが私の頬の涙をハンカチでふきとる。
「…随分昔の夢を見ました…」
「初めて日帝さんに会った時の夢です…」
『それって日英同盟締結の年?それって100年ぐらい前でしょ?』
「いや多分…その時の記憶と今の私の日帝さんへの気持ちがごちゃ混ぜになって存在しない記憶が夢として出てきました…」
(恐らく今の私がタイムスリップしたらあの夢のような感じになるのでしょうね…)
少し気持ち悪くなって吐きそうになる。フランスはそれを察したのか手に持っていた袋を広げて私の背中をさすった。
耐えられなくなって胃の中のもの全部吐き出した
「やっぱり袋持ってきて正解だったね。」
少し感覚を空けフランスは私にこう問いかける
「…イギリス…まだ日帝君のこと好き?」
『はい…』
タンスの奥底から昔に貰った着物をもってくる。
ところどころ解れ虫食いが目立つお世辞にも美しいと言えない古い着物。
『最初に会った頃はそんな気持ち微塵もなかったのに…いつの間にかあの人に恋して愛されたくて…だからあんな夢見たんです…』
着物を膝にかけ生地を撫でながら続ける。
『どうしてこうなったんでしょうね…』
「君昔っから変わってないね。 」
『あれから随分年月が過ぎて…あの人はアメリカの所に行ってしまった…』
『日英同盟締結の日を一緒に祝うことも戦後から出来なくなってしまったし…今ではもう会う事も無くなった。』
「最後に日帝君から手紙きたのいつ?」
『1951年…』
フランスは少し引いたような顔で私を見てくる
「よくさ…そんなに長い間連絡もできない相手を思い続けられるね…」
『日帝さん…最後に送ってくれた手紙に一日花とかるたを一枚だけ送ってきたんですよ… 』
「ディフフラワー?と…かるた?」
『これです…』
ズボンのポケットから一日花とかるたを取り出すとフランスは今までで一番引きつった顔で
「いや持ってるのかよ。ごめんだけど正直キモイよ。」
『半日で枯れてしまうような花ですよ?かるたも一枚しかないので遊べませんし…』
「無視するなよ…」
『私との友情なんてその程度とゆうことでしょう…』
無性に虚しくなって涙でフランスの顔が見えなくなる。
「お前相当拗らせてるよね」
背中を擦りながら言いずらそうに私に話しかけるフランス。
「とゆうかさ、かるたの意味とか調べないの?」
『これで別れの歌だったら私の精神が死ぬので調べてません…』
もしそうだったら思うと耐えられなくなってまた枕に突っ伏しながら泣いた。
その間もフランスは無言で私の傍に座ったままだった。きっとこれがフランスの最大の私への慰めなんでしょうね。
きっとこの恋は一生実らない儚いものなのでしょう…
(どれどれヘタレイギリスの代わりにこの愛と美の国が意味を調べてあげましょう)
20番
わびぬれば今はたおなじ難破なる
みをつくしても逢はむとぞ思う
「こうして思い悩んでも今となっては同じこと…難破の澪標のように…この身を滅ぼしてもあなたに会いたい…」
「えっ…」
フランスの顔が一気に曇る。
「えっと一日花…」
暫く調べると万葉集の歌をまとめたサイトにたどり着く。
「朝に咲き…夕暮れにはしぼんでしまう露草のような…身も心も消え入り様な恋を私はするのでしょう…」
フランスは横で泣き疲れて眠ってしまったイギリスに視線を移す。
「はは…」
(イギリスも相当拗らせてると思ったけど…これは日帝君も大概だね…)
周りには山しかない田舎には不釣り合いな豪邸。
そこに夜空を見上げる男が1人。
「父上!もう寝る時間ですよ!」
『あぁ分かってる。』
「明日朝早くから用事あるんですから早く寝て下さいね。」
日本の足音が離れていく。
『英帝さん…絶対迎えに行きますよ。』
『だってあの時言ったでしょう?狙った獲物は逃さないって…』
日帝の眼には大英帝国への愛を表したかのように大きなハートが浮かんでいた。
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いかがでしたでしょうか。
最後の最後に急ぎ足になってしまいましたね。
最初の作品なのでストーリーの甘さとかは目をつぶっていただけると幸いです。
日帝英を書きたかったんですけと今見返すと日帝英と言えるかは微妙ですね。
こうしたらもっと良かった。設定をこう変えればいいのではないかなどの意見もお待ちしています
気軽にリクエストしていただければ嬉しいです。
地雷などは無いので遠慮なくどうぞ。
ではもし良かったら次回作でお会いしましょう。
さようなら〜。