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今日は父親の命日だ。
この遺書は今は亡き父に宛てたものだ。
父親が夜中に一人でどこかへと行き、そのまま帰らなかったのを今でも覚えている。
私は今26歳になった。
大学を鬱で中退し派遣会社に入りパワハラ家電量販店とヤクザや半グレの客 に精神的にボコボコにされた。
私はその時、警察として働いていた父もこんな感じのどうしようもない連中相手に仕事してたのかなと感じた。
交通誘導員というしんどいわりに安月給の仕事も一年体験した。
特に夏が地獄だった。ホットプレートのように熱くなったコンクリートの上であんまり道路交通法とか守らないタイプの人達もいる中で交通誘導を行った。
冗談抜きで何回か死にかけた。
私は運が悪かったのか結局死ねなかった。
父はよくエアコンの温度を19度にしていた。
当時の私はなぜそこまで冷やすのか分からなかったが今は何となく想像がつく。
炎天下の中死にものぐるいで働いてたんだろうな。
そしてどんだけ頑張ってもいっこうに減らない犯罪者達に腹を立てて頭を冷やそうとしてたんだろうな。
私は死後の世界を信じてない。
人間は死んだら消えていつか忘れ去られる。
それだけの存在だと思っている。
そして自殺した父のことを一生許すつもりはない。
他の家族は許したみたいだが私は楽しいことはすぐ忘れてしまうのに嫌なことは一生忘れられない糞みたいな脳をしてるんだ。
だから絶対に許さない。
父が死ななければ私はここまで性格がねじ曲がらなかった。
ちょっとオタク趣味のあるブラックな職場の地方公務員にでもなれてたんじゃないかな。
今日は父親が死んだ日だ。
今日死ねたら父親と死んだ日とぴったり同じで芸術点が高いと思ってる。
でも多分今日は死ねない。
私の人生が私の思い通りになったことなんて
一つもない。
今日もとりあえず野鳥の観察をして、図書館で書物を読み漁ってくる。
父は自分にも他人にも厳しいタイプだったからそんな無駄なことしてないでさっさと就職しろというかもしれないが知らない。
父はボカロの良さも分からないどうしようもない存在だ。
だから父の言うことは死んでも聞かない。
(最後まで読んでくださりありがとうございました。)