伝え終えてすぐにカッカッカッっとメトロノームの音聞こえてきた。
メトロノームの音が聞こえてきたと思った途端鹿島が歌い出した。
いつの間に曲を入れてたらしい。
「あぁこの曲なんだっけ?」
少しの間腕を組み考えた。
鹿島が歌っている間、姫冬ちゃんや妃馬さん俊くんは手拍子をしていた。
歌い出して30秒ほどで間奏に入った。
「ほら獣が躍る7の主題歌!めっっっっっちゃカッコいいんよ!」
歌が間奏に入った途端、鹿島が怒濤のように話し始めた。
お祭りのような音楽が大きく鹿島は大きな声で正解を教えてくれた。
「獣(ジュウ)と躍る」とは主にパスタイム スポットでプレイできるゲームで
「大人向けのエンタテインメント作品」というコンセプトの作品。
巨大歓楽街で生まれる愛、人情、裏切りなど
様々な感情、立場の中を生きる熱き男たちの生き様をドラマティックに描いた
大人気作品シリーズである。
「あ!でも私「王冠ノ為」知ってますよ!夏の歌が定番ですよね!」
そう姫冬ちゃんが手を挙げて報告した。
「そう!夏曲が有名だけどこの「初めの歌」もまぁ名曲なんよ…。
この「獣が躍る7」の世界観と主人公桜(サクラ)初(ハジメ)の心情も…」
また鹿島のゲーム講義が始まるかと思ったら歌が始まり
鹿島先生はゲーム講義を途中で切り上げた。
僕はこのゲームのシリーズをプレイしていない。
しかし物凄く素晴らしい作品だという話も聞くし
とある実況者さんの実況動画を見てその素晴らしさを知っていた。
その実況者さんというのは寿司沢さんという方だ。
寿司沢さんという人気実況者さんは様々なゲームをプレイし
その実況動画をMyPipeに投稿している大人気MyPiperの方だ。
様々な人たちがこの「獣が躍る」の動画を投稿している中で
僕が見た中ではこの「獣が躍る」が大好きなのが1番伝わり
しっかりとストーリーと向き合い、読み取り
僕の知る実況者の中では「獣が躍る」はもちろん「ゲーム」へのリスペクトを1番感じ
変に細かいところにつっこんで世界観を壊したりせず
かといって視聴者が気になるところはしっかりつっこんでくれるという
すごくバランスが良く大好きな実況者さんだ。
まぁたまにキャラクターが喋るのと被って喋っていたりして
キャラクターのセリフを聞いていたから、寿司沢さんがなんて言ったのか聞いておらず
10秒戻して寿司沢さんがなんて言ったのか聞き直しに戻ったり、その逆も然り
あとは気にならない程度だけど滑舌悪かったりするが、それも個性の1つとして僕は好きだ。
僕の中ではトップ5には入る大好きな実況者さんだ。
そんな寿司沢さんの実況プレイを見ているため、ストーリーの素晴らしさ
キャラクターたちの魅力などもわかっていた。ただ自分ではシリーズをプレイしてないし
寿司沢さんもまだ7は実況プレイしていなかったためストーリーはわからなかった。
「主人公が変わった」というのと「戦闘システムが変わった」という情報くらいは
聞いたことがあった程度だった。鹿島は7もプレイしていたらしく
歌の上手さとしてはたぶん普通くらいだが気持ちが乗っていてとても良かった。
最初のサビくらいでコンコンっとドアがノックされ
受付の店員さんとは別の店員さんがお盆に飲み物を乗せて運んできてくれた。
カラオケといえば店員さんが入ってきたとき歌い続けるか問題がよく話題に上がるが
鹿島は気にせず歌い続けるタイプだった。
ドア側にいた僕と妃馬さんがそれぞれ受け取り、それぞれに飲み物を回していった。
店員さんはペコリと頭を下げ出ていった。僕と妃馬さんも頭を下げた。
気持ち良く歌う鹿島を見て1口カシスオレンジを飲んだ。
オレンジジュースが苦くて思わず眉間に皺が寄った。
決して、決して不味かったわけではないが
1口飲んだだけで次なににしようかメニューを手に取りドリンクの欄を眺めた。
5分ほどで曲は終わった。終わると同時に鹿島以外のみんなで拍手をした。
鹿島は「いやぁありがとうございます」みたいな感じの表情を浮かべ
レモンサワーを喉に流した。
「酒濃っ!」
と鹿島も眉間に皺を寄せてそう言った。
このカラオケ店は基本的にアルコール類はアルコール度数が強いらしい。
鹿島の歌った曲は初めて聞いた曲だったが画面に流れる歌詞もメロディーもとても良くて
ミュージックアプリを起動し「王冠ノ為 初めの歌」で検索し
「お気に入り」のプレイリストに入れた。
採点機能をつけていたらしく画面が採点画面に切り替わった。
いろいろなパラメーターが上がり、最終的にド真ん中に点数が表示された。
73,7点。なんとも言えない点数だった。
「いやぁ〜最高の歌でしょ」
鹿島が手に持っていたマイクを机の上に置いた。
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