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こんにちは
悠です
早速第二話
「濡れた傘」
です
それでは本編どうぞ
その日は突然の大雨に見舞われた。
悠は美術室を出る時、自分の傘を部室に忘れてきたことに気づき、慌てて戻った。
しかし、部室の鍵はかかっており、仕方なく窓から外を眺めると、傘を持たずに校門を出ようとしている蓮の姿が見えた。
「香月先輩!」
悠は叫びながら、部室のロッカーから自分の予備の折り畳み傘を取り出し、校舎を飛び出した。
「先輩、これ!」
びしょ濡れになりながら駆け寄った悠に、蓮は驚いたように目を見開いた。
「榊原……お前、どうした」
「俺、予備の傘持ってるんで。これ、使ってください。先輩、風邪ひきますよ」
悠が差し出したビニール傘を、蓮は一瞥し、冷たく言った。
「いらない。俺は濡れても平気だ。大体、お前がびしょ濡れじゃないか」
「俺は平気です。俺、丈夫なんで!」
蓮はふいと顔を逸らし、傘を受け取ろうとしない。いつもの「ツン」だ。
悠は少しだけ意地になった。
「いいから、持ってください。俺、先輩が体調崩したら心配なんです」
そう言って、悠は半ば強引に蓮の手に傘の柄を握らせた。
手が触れた瞬間、蓮の指先が少し震えたのを、悠は雨音の中で確かに感じた。
蓮はしばらく無言だったが、やがて小さく囁いた。
「……余計なことを」
その言葉は冷たいが、彼は傘を握り直した。
そして、悠の横顔を見て、少しだけ眉間にしわを寄せた。
「お前、予備があると言ったが、それじゃあお前はどうやって帰るんだ?」
「俺は、走って帰ります。家、近いんで」悠は笑った。
蓮は再びため息をつき、今度は少し荒っぽい口調になった。
「走って帰るなんて馬鹿なことをするな。……いいか、ついてこい。半分、入れ」
蓮は広げた傘の、小さなビニールの円の中に、悠を招き入れた。
第二話でした
この物語考えるの楽しくてついつい投稿してしまいました…
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次のお話でまたお会いしましょう
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