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半年後、桃山のちゃんこ屋が両国にオープンした。
初日、店の座敷の真ん中に、六歳くらいの男の子が、所在無げに座っていた。
今時珍しい坊主頭で、鼻水を垂らし、心ここにあらずといった感じだった。
隣には、この子の両親であろう、子供の年齢に合わす、随分年のいった夫婦が愛想笑いをしながら、周囲の人と僅かに言葉を交わしていた。
そこへ、ようやく手が空いたと見えて、桃山が挨拶に来た。
「麦太郎くん、お父さん、お母さん、今日は来ていただいてありがとうございます。
たくさん食べていって下さいね。」
そう言われて、その子供、麦太郎は、もう何度か会っているらしく、桃山に慣れた様子で頷くと、出されたちゃんこ鍋を夢中で食べ始めた。
桃山は嬉しそうに麦太郎の頭を撫でた。