テラーノベル
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いつまでも夢見る少女では居られない。
『ねぇシードちゃん?最近ここの店気になってるんだよね〜。一緒に行かない?』
「すまん今金無いけん」
現実はお金も時間もたりん。もっと構ってやりたいんじゃけど、
『シードちゃんいつもジャージだよねww』
「うるさいのぅ。服買う余裕もないんじゃ。」
『まぁダル着姿も好きよw』
オシャレしてデートとか連れてってやりたいんだけどな、家デートばっかですまん。
ドサッ
『ねぇ、今日やらない?』
「ッ…///」
熱を帯びた目で見つめられる。完全に雄の目やん。俺年上なのになw。
・・・
…パチュンパチュングチュズチュン
「ッあ”///…ぐぃ”ッ、く///」ビュルルビュッ
酒やタバコで枯れまくった声で吠えているのも、彼に愛されたいからだ。
『っくッ…で、るよ?』ビュクドクドクッ
「だ、め”///ぁ”ッ〜〜~///♡」
『ッはぁ…』
「はッ、あぃ”してッる”///」
なんて言って。
俺を抱いたあとの彼はシャワーで軽く身体を清めベッドに潜ってしまった。
寂しい。
もう寝てるかな。恋人なのにな。
「もう飽きられたんかな…」
『ふぁ〜ッ、あれ、しーどちゃん起きてたんだ。』
『ごめんね、激しくしすぎたね』
あぁ。いつも見ない優しい顔。こういうとこを好きになったんじゃな。
でも違う。今欲しいのは「ごめんね」じゃない。
「うん。」
『〇〇〇〇〇』の一言が欲しいだけなんやけどな。
✩.*˚
夢を見た。
彼が知らない女と身体を重ねているところ。
嫌なほどリアルで、綺麗で、汚い姿だった。
「ッはぁ!!!!…って夢か…。」
俺は泣いていた。1番見たくなくて、考えないようにしていた事だったから。
でも、気づいてしまった。
あの夢で見たことは『普通』のことなんだと。
俺たちの関係は、『異常』である と。
正直、今の俺は 彼に甘えすぎている のかもしれん。
彼は優しいけん 俺の我儘に 付き合ってくれていて。
でも 本当は女の子が好きで、今も 我慢しているんじゃないか。
そう考えると、胸が締め付けられ、現実に 首を絞められるような 感覚だった。
俺は彼のことが 好きで、大好きで、ぐちゃぐちゃにされたいし、俺をずっと 見てて欲しいけど、
それ以前に、苦しませたくない。
12⁄24
聖なる夜に 重ねた身体。
彼のものが俺を刺すたび、痺れる様な 感覚に酔っていた。あぁ、愛おしいな。
でも、いつかの夢で見た『普通』が記憶に蘇る。
もしかしたら彼は、その『普通』側の人なのかもしれない。
もしかしたら無意識のうちに俺は彼を縛っているのではないか。
今夜で最後にしよう。
『ごめんね。また激しすぎたよね。』
「大丈夫やろ。俺のことなめんなよw。」
居心地いいな。
「…愛してる。」
『急にらしくないじゃんw』
「でも、別れて。俺と。」
『…ぇ』
『な…んで…?どうしたの?wエイプリルフールはまだまだ先だよ?』
『…』
俺の顔を見て彼は固まった。
冗談でもタチの悪いドッキリでもないことはきっと俺の顔に書いてあったと思う。
『…俺何かしちゃった…?ごめん謝るから。』
「…ちがう。お前のせいじゃないけん。これは俺のせい…だから。」
彼の頬に涙が流れるのが見えた。
『そっ…かぁ。わかった。ごめんね。』
『じゃあね』
また、「ごめんね」。口癖だよな。
俺はただ『楽しかった』で別れてくれれば良かったんに。
そうすれば忘れられたのに。
・・・
別れ話をしてすぐ、火照る体にムチを打ち彼は身支度を始めた。
これで終わりか。意外とすんなりやったな。
最期だし、聞いてみてもええよな。
「お前は、俺をどう…思ってる?。」
『ぇ』
「そういえば聞いてないなって。」
『俺は、好きだよ。その辺の女の子よりも。』
「あ」
俺の胸の内を見透かしていたかのように彼が放った一言に俺は動揺した。
『俺は一緒にいてて楽しくて、意地悪で素直じゃなくて、でもちょっぴり甘えん坊なカッコよくてかわいいシードちゃんのこと、ずっと好きだよ。』
頬を紅く染めながら淡々と言葉を紡ぐ彼。
「ッえ(泣」
涙が溢れてきた。
『だから、離したくないし、離れたくもないけど、シードちゃんの気持ちは尊重したい。好きだからこそ。』
彼も、同じように考えてくれてたんだな。
でも、
「でもッ、女のッ子とふつぅ恋愛をしたほぉッが…泣」
『正直、女の子には勃たない。女の子なんてもう興味無い。それくらい、シードちゃんが好き。 』
『もう遅いのに、ごめんね。』
この会話中でも真顔でド下ネタを言う彼に、少し笑いが込み上げてくる。
でも、それくらい、真剣に向き合ってくれてたんやな。
俺の早とちりだったんじゃな。笑
「ッ、それッなら泣」
「欲しかったのはね、「ごめんね」じゃなくて、」
「『愛してる』の一言でええのよ。」
涙混じりに、想いを放った。
『っ!!!(泣』
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あぁ、なぜ忘れていたんだろ。
1番伝えなきゃいけない言葉なのに。
俺ッ、恋人にこんな、寂しい思いさせてたんだ。
彼を大事にしていた。シードちゃん以外いらないくらい、好きなのに。
なのに、言い訳ばっか並べて、直接伝えようとしないで彼の気持ちに甘えてばかりいた。
まだガキだなw。
伝えてなければそれは思っていないのと同じだ。
不安にさせて当然だ。
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『…』
黙ってしまった。
最期に本音が聴けて良かったか。
でも、もう終わりだ。
そう思った瞬間身体が傾き、ベッドに沈み込んだ。
『今まで気づけてなくてごめん。』
『愛してる。今も、これからも。』
あぁ、今までずっと欲していた、聴きたかった言葉。
『もう一度、やり直させてほしい。』
心が、空いていた穴が綺麗に満たされて、溢れてくる。
「お前のこと、まだ許してない。」
『っ…。』
「でも」
「愛してる」
お互いの気持ちを確かめ合う様な口付けを交わし、涙で腫れた目を見て笑い合う。
ようやく、彼を知れた気がした。
「これからも、またよろしく。りぃちょ。」
もう俺らは心配ない。
変わったのは、君がいない未来 だけ。
エンド
編集 : 2026- 3/2 00:19
コメント
1件
え、好きです.本当に.ありがとうございます.