※マロのリクエストです。ちゃんと応えられてるか不安ですが、満足していただけると嬉しいです!
※微モブ桃
「ないこくん、この後もう一杯どうだい?」
「っあー……、すいません僕お酒弱くて、遠慮しておきます、……」
「連れないなぁ……」
そう言って、腰あたりを触ってくる取り引き相手。
っ、最悪…… ほんと気持ち悪い。
しかもコイツ__
「よし、今日のタスク完了〜!」
パソコンを鞄にしまい、事務所を後にする。
資料を渡すため、社長室に寄ろうかと思ったが、そういえば今日は会食とか言ってたな、と思い出し、やめた。
帰ったら取り敢えず食事して、お風呂入って、時間あったら収録したいな、とか思いながら近くのコンビニまで歩を進める。
買い物を済ませ、タクシーを止めようとしたところで見慣れたピンク髪が見えた。
一緒にいるのは、取引先の人か……?
と思って近づいてみると、ないこさんの顔色が悪いように見えた。
相手の手を見ると、その手はないこさんの腰に伸びていた。
……ちょっとこれは、黙ってらんないかも。
「ないこさーん、お疲れ様です」
二人のもとに寄り、さり気なくないこさんをこちら側に寄せる。
「うぉ、お疲れ。 あっ、こちらは、」
「ボイシング所属タレント、シクフォニのLANです。」
「あぁ、__社のサトウです。」
サトウと名乗った人物は、まだないこさんのことを狙っているのか、厭らしい目で見つめている。
「……ないこさん、会食ってまだ続きますか?」
「っいや、もう終わってるよ。」
「じゃあ、帰りましょう?」
困惑しているないこさんを横目に、腕を引っ張り、進んでいく。
人のものに易々と触れないで下さい、とアイツの耳元で吐き捨てながら。
「……ありがと、らんらん。」
「いいえ。困ってたみたいなので。」
家に帰ると、小さく袖を引いてきたないこさん。
「実はさ、アイツ、昔痴漢してきた奴なんだよね、」
「……っ、は?」
ないこさんは続けた。
「ちゃんと取引先の人ではあるんだけど、」
アイツが捕まっていなかったこと、またないこさんに手を出したことに俺は怒りを覚えた。
「ないこさん、その取り引き、ッ!」
「っ、やめたくはない。大きい企業だし、これからかなり俺等の力になってくれると思う、から。ごめん、我儘で……」
俺を見つめるその目は、真剣なもので。
ほんとにこの人は、どこまでも俺等のことを大切にしてくれるんだ。
そういうところは素直に嬉しいし、尊敬する。
でも、俺等のことを優先してないこさんが傷付くのは違うはず。
「じゃあ、アイツと二人きりにならないようにしましょう。会社絡みがあるときは絶対一人で行動しないで下さい。それならセクハラされる心配はないはずです。」
それでも心配なら、メンバーさん周りに置くとか、と付け足し、ないこさんに提案する。
「うん、そうする。ありがと。」
ないこさんは微笑みながら了承した。
とか言って無理しそうだからなぁ……
など思いながら、ご飯を食べようとレジ袋を開けた。
そこで再び、ないこさんに袖を引かれた。
「ごめん、疲れてるだろうけど、アイツに触られたとこ、触って欲しい。気持ち悪さ、消して欲しい。」
少し上目遣いで見つめてくるないこさん。
恋人にこんな頼まれ方して断る奴がどこに居るか。
俺はないこさんの腰を抱き寄せて、唇を重ねた。
「もちろん良いですよ。ベッドかソファどっちがいいですか?」
「ソファでいいから、早くっ」
「了解でーす」
ないこさんをソファに優しく押し倒し、俺等の甘い夜が始まった。
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