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W杯 決勝戦 日本対アルゼンチン 2対2
日本の得点は潔世一、糸師 凛が決めたものだ。
残り1分 ゴールを制した者が
’’世界一のストライカー’’になれる。
潔・凛 「俺が決める!!!!!」
糸師冴がパスを出そうとする。
潔・凛 「冴!」 「兄貴!!」
((俺に出せ!!))
冴 「エゴイスト共が…」バシッ
残り10秒
糸師冴が出したボールは綺麗な放物線を描き
エゴイストの元へ落ちていった。
動きがスローモーションに見えた。
世界から音が消え、相手の動きがより鮮明に見える。 ゴールへのビジョンが明確にみえた。
バシィッッ
残り1秒
会場にいる全員が息を呑むような美しく、絶望を与えるような糸師 凛のシュートがネットを揺らした。
ピーーーーーーーーーーーー!!!
解説者「ゴーーーーーール!!!!!」
試合終了 W杯 決勝戦 日本対アルゼンチン
3対2 日本 W杯 優勝
観客「う…」
観客 ((うぉおおおおおおおおおおお!!!!!))
解説者「なんと!なんと!!日本念願のW杯優勝です!!!」
解説者「〜ーー〜、ーーー~~?〜~!!!!ーーーーー!、〜!!!」
フィールドが歓声の渦に包まれる
凛「ハァッ…はぁッ…!!」
凛 (俺が決めた…潔に勝ったんだ…)
潔 (クッソが…!!凛に負けた。)
ギリ…(唇を噛み締める)
凛が潔の元へ行く…
凛 「おい…潔」
潔 スクッ…
(立ち上がる)
凛と潔が見つめ合う
凛 「俺が世界一だ。」
潔 「あぁ…次は俺が世界一になる」
凛 スッ…(手を差し出す)
潔 ガシッ…!!!
観客 (((うおおおおおおおおおおおお!!!!!)))
冴 「凛」
凛 「兄貴…」
冴 「俺は…お前を否定した。お前の努力も全部否定しちまったんだ…。…凛、ごめんn((」
凛 「違う。」
冴「?」
凛「違うんだ。兄貴…否定したのは俺の方だ。俺は…あんたを、兄ちゃんを、自分のために否定したんだ。」
凛 「本当は、俺が謝るべきなんだ。兄貴…今まで本当にごめん…」
冴 「凛…」
冴 「凛…俺は、日本には…俺を含め、ろくなストライカーなんて生まれないと思っていたんだ…けどお前が…初めてシュートを決めた時、お前は世界一になると何故か確信がもてたんだ。」
冴 「周りがどれだけ俺をはやしたてようが、日本の至宝だの誇りだの言われようが、俺にはお前を越えられないと心のどこかで思っていた。」
冴 「だが俺はそれから目を背け続けていたんだ…怖かったんだ。レ・アールからスカウトが来て、実際行ってみたら俺には才能がないんだとつくづく思い知らされたよ。世界一になれるのは生まれ持った才能が必要だとわかった。それと同時に俺はストライカーにはなれないと悟ったんだ。」
冴 「けど俺にはお前がいた。才能を持っているお前が。約束しただろ?2人で世界一に…それだけは叶えてやるって思ったんだ。才能がない奴は、才能あるやつを引き立てなければならない。ストライカーの力を1番引き出せるのはMFだ。これなら約束も達成出来る」
冴 「だけど、……多分、俺はお前にどこか嫉妬してたんだ。…日本に帰った時、ここ(日本)はお前の才能を潰していた。無性に腹が立った。お前の努力なんて状況を見ればすぐにわかった。自分のプレーを殺してらチームに貢献していた。褒めでやるべきだった。わかってたんだ、けど俺は…」
冴 (こいつは俺より才能があるくせに…)
冴 「なんて思ってしまったんだ。俺は…お前にあんな酷い言葉を浴びせてしまった。」
冴「物凄く後悔してたんだ。本当は、愚弟だなんて、欠陥品だなんて思っていない。1人のサッカー選手として本当に誇りに思っている。」
冴 「凛…許してくれなんて言わない。それ相応のことを俺はしたんだ。だが…俺は、 お前と…世界一のストライカーとサッカーがしたい…」
真っ直ぐな眼差しを自分に向けてくる
凛「ぁ…え?」
いつも無口な兄がつらつらと喋っていて驚きが隠せない
凛(そんなふうに思っていたんだな…)
凛(だけど俺は…)
凛「兄ちゃん。俺兄ちゃんとはもうサッカーできない。」
冴「そうか…まぁ当たり前だったな。 」
冴が凛のもとを去ろうした
凛「俺サッカー辞めるから」
冴「は?」
熱気に包まれていたフィールドが静まり返った