麻騎「よし!この部屋やな!!」
椎菜「ついたー!!」
志舟「麻騎ってよく場所覚えてるよね」
麻騎「え…これって…」
椎菜「ん?なになにー?」
里緒菜「志舟がさっきまで着けてたネックレス…だよね?」
志舟「え?だって私今も着けてるしそんなわけ…」
私は嫌な予感がして自分の胸元を見た。 …やはりネックレスは着いてなかった。
里緒菜「志舟は立ってる位置的にここに落とすことはまず無いよね…?」
???「私が志舟から取って落としたんだ!!」
志舟「あんた…」
勘太「この子知り合い?」
志舟「うん。」
志舟「あれは原野楓(はらのかえで) って名前。小さい頃、家庭内で色々あって学校には行ったことがない。」
志舟「心の発達が上手くいってないせいで性格がころころ変わるけど本人自覚あるっぽい。」
麻騎「どんだけヤバいやつやねん…」
志舟「あと、性別がわからないんだ…見た目も声もどっちでもない感じだし、本人も知らないと思う。 」
楓はくるっと回って私たちを見て言った。
楓「志舟。あなたのお父さんのせいであたしはこうなっちゃったんだ!!」
志舟「 」
私は返す言葉が見つからずにうつむくしかなかった。本当は私なんて追い詰めたくないだろうに。
楓とは母親同士がなかが良くてよく遊んでたなぁ………………………
楓「僕のお父さんが『ある事』知って会社が倒産してさ、 」
楓「母さんはやべぇ宗教に入るわ…許し求めるわ…父さんはギャンブルに手を出して、薬浸けになるし。」
楓は、私の方を見ながらにっと笑って言った。
楓「別にあんたに恨みがある訳じゃないんだよー」
志舟「私の顔に父さんの原型があるからって見てて腹立つんでしょ?」
楓「ピーンポーン」
楓は半目にして気だるそうにそっぽ向いて言った。
里緒菜「待って、まって!話に着いていけないんだけど…」
里緒菜達が困惑したような不安そうな顔で言った。そっか…みんなには話してないんだったな……
私が回答しようとしまいか考えているうちに楓はまた口を開いた。
楓「実は私と志舟って、腹違いなんだ~」
勘太「って事は楓の母ちゃんと志舟の父ちゃんが…?」
楓「そ!うちのお母さんの不倫を知ったお父さんは次第にやつれていって、仕事が出来なくなって……それで……… 会社が倒産して………………お母さんは罪悪感に押し潰されて…………………あとは覚えてないや!!」
志舟「本当は覚えてるくせにさ。」
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