『姫、私は貴方を愛していますっ!貴方の為なら死ねるくらいだっ!』
頭の上のスポットライト。マーカーや付箋でカラフルになった台本。
『たとえ住んでいる世界が違くとも、私はっ…..』
右手を彼女の頬に添え、目をじっと見つめる。台詞を言い終わらないうちに、
「ストップ!えむくん、寧々、司くん、一旦打ち合わせだ。」
類の掛け声が入り、神秘的なセットは一気に現実に引き戻される。
オレ達、ワンダーランズ×ショウタイムは、今劇の練習の真っ最中。台本を手に取り、動きと台詞を確認しているところだ。
今回の物語は、空に住んでいるお姫様が地上に降りてきた日、その空の下の国に住んでいる王子が、姫に一目惚れして愛を告白し続けるというなんともロマンチックな話だ。
えむは空の姫の親友、寧々は空の姫、オレ、司は王子の役に決まった。類は後から入ってくる姫を連れ去らう悪役ということで、今は俺たちの演技を指導している。
「むっ類、何か改善すべきところがあるのだな?」
類がこうして練習を止める時は必ず、何か変えなければいけない何かがある時だ。まぁ、今回はどうして止めたのか大体予想はつくがな。
「そうだね、司くんの王子役はもう少し余裕のある感じを出して欲しい。」
類が台本の文字を見ながら言う。
「そぉっ?今の司くんは、寧々ちゃんが大好きっ!って感じがしていいと思うけどな!」
えむが楽しそうな声で意見を口に出す。
「でも、やっぱり司にはあれが足りないよね。」
寧々が少し困ったような表情で喋る。
「ん?俺には何が足りないのだ?」
あれ、と言われては分からん。演技力が足りないのは重々承知だか、寧々は改めてそんなことを言う性格ではない。
「あぁ、司くんには圧倒的に足りないものがあるね。」
「圧倒的に……!?」
そんなに俺に足りないものとは何だ!圧倒的などと言われると少し凹む。
「司くんに足りないのはズバリ、色気、だね。」
『 色気?』
えむとオレの声がピッタリ重なる。色気。最近通りすがった中学生がこの女優色気やべぇよな、とかなんとか言っていたな。ああいう色気のことか?
「色気、色気、色気………」
何度も声に出して言ってみても、イマイチイメージが湧かない。それでもヒントくらいはと思い、最近見たドラマを思い出したりしてみる。
「司、イメージ湧かないようだったら一旦、類に王子役やらせてみない?類って何となく色気あると思うし。」
寧々が類の背中をポンっと叩きながら言った。
「僕かい?確かに色気があると言われたことはあるけれど………」
「あるのか!!」
そもそも色気というものがよく分かっていないオレは、類をまじまじと見つめてみる。が、目に映るのはいつも通り頼りになるうちの演出家だ。
「類くんの王子役、見てみたいな!」
えむが早く早く!と言わんばかりに手をブンブン降っている。
「そうかい?ではやってみようか。えっと……」
類の演技をそのまま吸い取る気持ちで見ようと、目をしっかり開いて類を見つめた。寧々とえむも類に注目する。
『…….姫、私は貴方を愛しています。貴方の為なら、、、死ねるくらいだ!』
「っ!」
自分とは全然違う、少し戸惑いのある瞳。本気で愛しているのだな、と思わされる。
『たとえ、住んでいる世界が違くとも、私は貴方と共に生きたいのですッ!』
同じ台詞でも、ここまで違うのか。何が違う?声のトーン?喋るスピード?いや、そんな単純なものでは変えられない。
もっと、心の底から湧き上がる何かの感情。何だ、何の感情だ。
「……..くん、..つ….さ…..くん!司くん!」
「おわっ!?あぁ、えむ、どうした?」
えむに心配そうな顔で名前を呼ばれたいた事にようやく気づいた。
「どうした、って、類を見つめながら固まってたから声をかけたんだけど。大丈夫?」
寧々が呆れながらも心配の言葉をかけてくる。あれこれ考えていてえむが自分の名前を呼んでいたことに気づかなかった。
「あぁ、悪い。類の演技を見てどうすれば色気を出せるか考えていた。」
やはり恋愛ドラマなどを見て研究すべきか。本人に気持ちや感覚を聞けたら早いんだがな。
いや、目の前にいるじゃないか!類に聞けばいいんだ!そう思い立ち、オレが口を開くのと類が話し出すのは同時だった。
「司くん、よければ今日、僕の家で一緒に練習しないかい?」
「なんと!同じことを思っていたぞ類!是非ともお願いしたい!」
頼もしいうちの演出家は、頼もしい先生にもなった。新しい色気という技を身につけるべく、拳をギュッと握って気合いを入れた。
「少々散らかっているが、気にしないでおくれ、司くん。」
「大丈夫だぞ。家に招いてくれるだけでありがたい!」
どこでやる?という話になったとき、類が僕の部屋を使うのはどうだい?と言ってくれた。なので、類のお宅にお邪魔させてもらい部屋に入った。
類の部屋は何かの構図が描かれた紙や部品などが散乱していたが、特に気にならなかった。
頭の中には自分が完璧な王子をこなし、キラキラとライトを当てられる姿があった。
オレは未来のスターだから、早く色気を習得して一日でも早くスターになるんだ。
ワクワクしながら類の方を見ると、何やら奥の棚を漁っていた。
「司くん、演技をする時はその役の気持ちを理解しなければいけないと思うんだ。」
唐突に類が話し出す。その声には高揚感があった。
「だからね、色気を習得するにはその時の気持ちを知らないといけないだろう?」
穏やかでいて静かな声。優しい雰囲気があるはずなのに、類は獲物を狙う猛獣のような眼で棚のどこかを見ている。
「類………?さっきから何を探しているんだ…..?」
そんな雰囲気は気の所為だと思いたくて、類に声をかける。
類が探し物を見つけたのか、見て、と言うようにそれをオレに見せてきた。
類の手の中には細長く丸い形の入れ物の中にドロッとした液体が入っている。それと、四角い箱だ。表面には………
「コンドー………なっ?!///何を持っているんだっっ////」
自分の顔が赤くなるのを感じる。無意識に手で顔を覆い隠し、目を背ける。これはオレが見ていいものなのか?いや、そもそも何で類がそんなものを持っているんだっ!
そんなことを考えていたら目の前に気配を感じた。散らかっている部屋を背景にしているはずの類に視線を向ける。が、目の前にあったのは白い壁を背景にした類だ。壁?いや、天井だ。
「………ん?押し倒されている……?」
「あぁ、押し倒したんだよ。」
気づけば類のベッドの上に仰向けになっていた。オレの上には当たり前のように類が覆いかぶさっている。
「類、?何を…….」
何をするつもりなんだ、と聞く前に、口を塞がれた。唇に柔らかい感触が伝わる。その感覚で、類にキスされているんだと分かった。
「んッ!?///」
類の舌がオレの口をなぞっていく。感じたことのない快感に体がビクビク♡と反応する。と、
グチュッ♡
「ングッ!?♡♡」
不意に下半身に刺激を感じた。類が口を離した隙に下を見ると、ア○ルに類の指が入っていた。
その傍にはさっき類が持っていた細長く丸い容器が転がっている。開けた蓋からトロッと液体が出てきて、シーツに染み込んでいく。
「司くん、こんなタイミングで申し訳ないが、僕は司くんが好きだよ。」
好き………?恋愛的にか?類は話しながらもゆっくりと指を動かす。
「ずっと前から好きだった。いつも練習終わりに自主練しているとこや、誰よりも一生懸命なところが好きだよ、司くん。」
オレは再度、顔が赤くなっている。面と向かって好き、と言われると照れてくるな。目の前の類の顔が不意にかけがえのないものに見えてくる。
「類、オレも類のことが好き…..だ…..///」
こういうのは相手の顔を見て言うものだと思い、類の顔を見るが、やっぱり照れて目を背けてしまう。
「っ!司くん!なら、もういいよね?十分解したし大丈夫だよ。」
「?類、何を…..」
バチュンッッッッ♡♡
「ン゙あ゙ッッッッッ!?!?!?♡♡♡♡」
突然に尻から強い刺激が来る。おそるおそる下を見ると、類の息子がオレの中に入っている。
それを見た瞬間、恐怖と焦りがせり上がってくる。
「ぁッッ類、抜けッッ!抜いてくれッッ」
類の服を掴み抗議するが、刺激はだんだんと深くなってくる。
腹の奥でトン、と音がしたかと思うと、グリグリ♡と奥に突いてくる。
「司くん、奥まで入ったよ♡」
「ゥ゙あ゙ッッッ♡♡お、く?♡♡」
感じたことのない快楽に頭が真っ白だ。オレは類の言葉を情けなく繰り返す。
「司くん、動くよ♡」
「ッッ!類、待ってッッ!!」
オレの言葉は届くはずなく、類の腰は動いていく。
パンッッ♡♡パンッッッ♡パンッッ♡パンッッ♡
肌と肌が打ち付け合う音が部屋に響く。
リズム良く奥を突いてきて、快楽に耐えきれず涙をこぼす。
「ぁ゙あ゙ッッッ♡♡♡ンあ゙ッッッ♡止めッてぇッッ♡♡あ゙゙ぁ゙ッッッ♡♡♡♡る、いッッ♡♡♡」
「司くんッ可愛いッ♡もっと良くしてあげるね♡」
類がそういった途端、奥ではなく少し手前を嬲るように突いてきた。
そこはコリュ♡という感覚とともに、オレを絶頂へと引っ張りあげた。
「ンあ゙ッッッッ!?♡♡♡♡♡」
精液が胸まで飛んでいる。目にはチカチカと星が見える。
ハァッハァッと肺が勝手に喘ぐ。
「前立腺突いただけでイってしまったのかい?♡もっと突いてあげるよ♡」
「ッッ!ダメだッ!!それ以上したらッッ」
ゴリュッ♡♡♡ゴリュッ♡♡♡ゴリュッ♡♡♡
「ン゙ぁ゙あ゙゙ぁ゙ッッッッ♡♡♡♡おかしくなるからぁッッッッ♡♡♡」
もう何も考えられない。体に収まりきらない快楽と、目の前の類の初めて見る顔があるだけだ。
さっきからオレのペニスは蛇口が壊れたようにドプドプと精液を流している。
そして指を入れられた時は怖い、気持ち悪いとしか思っていなかったア○ルも、類ので抜き差しを繰り返され、奥に突かれる度に体が気持ちいいと叫んでいる。
「ぁ゙あ゙゙ぁ゙ッッッッ♡♡♡♡♡ン゙ン゙ぁ゙゙あ゙あ゙ぁ゙ッッッ♡♡♡こわッッれ、るッッッ♡♡♡♡」
新しい快楽に既に体はキャパオーバーだが、次々に襲ってくる刺激には限界などない。
「フフッ♡どこもかしこもヨダレを垂らして…….♡司くんは汚せば汚すほど可愛くなるね♡」
オレの頭には類の言葉がスルスルと入っていくが、理解することなく抜けていく。
「司くん、この狂おしいほど好きという気持ちが色気を出すために必要な気持ちだよ。」
類が顔を近づけてオレの耳元で言った。
狂おしいほど好き、という言葉だけ頭に入ってきた。
そういえば、類の演技を見た時に心の底から何かの感情があると感じたな。それはこれだったのか。
好き。大好き。愛してる。こんな言葉では済まされないほどの愛を持って類はオレに接していたのだ。
「ぁ゙ッッ♡♡♡あ゙ぁ゙゙ぁ゙ッッッ♡♡♡♡♡」
目の中に映る星の数が多くなってきた。頭だけでなく、視界も霞がかかっていく。
「ッッ♡司くんッッ♡」
腹の奥に類の精液が注がれていく。
ドロドロとした感覚と、熱が伝わってくる。
「司くん、愛してるよ………♡」
類の耳元の囁きを聞いたのを最後に、とうとうオレの視界は闇に消えていった。
「司、今日の演技すごいじゃん!昨日の類との練習、効果あるね。」
寧々が背中をポンっと叩いて話しかけてくる。
「ヴッッ、寧々、背中を叩かないでくれぇッ」
「え、どうしたの?」
「そういえば司くん、演技中も腰痛そうにしてたよね………。大丈夫??」
寧々の叩いた場所から痛みを感じ訴えると、寧々とえむがいっきに心配の顔になる。
いかん、いかん。心配させてはみんなを笑顔にすることなど出来ない。
「あぁ、ちょっとだけだから心配するな!オレは元気だぞ!………………ヴッッ」
元気なとこを見せようとスクワットをしたら余計に腰に響いた。
「司くん!無理はしない方がいいよ。今日も特訓する予定だからね。」
類が駆け寄ってきて腰をさする。
「誰のせいだと………!ていうか今日もなのか!?」
「おや?司くん、顔が赤いよ?何を想像しているんだい?♡」
「うるさい!類!腹をさするな!///」
類が突然に腹をさすってきて、手を掴むも、ビクともしない。
「あっ(察」
「寧々ちゃん?どうかしたの?」
「えむ、帰ろう。」
オレ達はぎゃあぎゃあ言い争っていて、何も分かってないえむの手を察しの良い寧々が引っ張って帰っているのに気づかなかった。
終わり。
コメント
8件
わわっ…類司最高すぎるッ…(吐血) (_ - -)_ バタッ
めっちゃ好き
最高過ぎますッ