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「う、うぅぅ……は!ここは…あの部屋じゃ…ない…」周りを見るとそこは病室だった。そして横には八尋が椅子に座って寝ていた。
「寝てる……ちょっと顔いじっちゃお!恨み〜!」そして八尋の頬を引っ張って遊んでいたら、突然誰かに背中をトンと叩かれた。俺は少し恐る恐る後ろを見た。すると大きな蛇が現れた。今いる病室は月の光のおかげで周りが少し見えているだけで突然現れたので俺はつい「わァァァグァァ!」と叫んでしまった。
「ごめん。ごめん。驚かし過ぎちゃった。ごめんね〜(てへ)」そう言いその蛇は人の姿に戻った。
すると、横で寝ていた八尋も起きて、
「おい!イム。もう夜遅くなんだから……ってえ!尚弥!起きたんだ!良かった!お前丸二日も寝てたんだぞ!もうめっちゃ心配さたよ…」俺は少し嬉しくなった。今までそんなに心配してくれる人なんていなかったのに、今はここに居る。それがとても嬉しかった。
「ありがと……」つい呟いてしまった。
「なんだよ今更ありがとって、俺たち元々相棒だろ。」俺はその「相棒」という言葉に何故か聞き覚えがあるような気がした。「相棒…なんだろうこの気持ち。まぁいいや………あ、そう言えば敵はどうなったの?」今やっと敵のことを思い出した。
「あぁ、大丈夫だよ。めっちゃ楽勝だったよ。とりあえずお前が目ぇ覚めてくれて嬉しいよ。あと、今日ここで暮らすことになったからな。この病院にな。名前は【蛇空】と書いて【だくう】と読む。この人はこの病院の一番上のイムという人だ。彼は蛇妖の王子なんだ。だからこの病院には蛇が沢山いんだよ。」そう言われ俺は頭を少しさげた。
「よろしく。そんな気を使わなくていいからね。あと君のことは八尋に全部聞いたよ。」何故か俺が小っ恥ずかしくなった。
「なんで知らないうちに言うんだよ、八尋。」そういうと八尋はニヤッと笑い言った。
「お前がちゃんと話せるか心配だったんだよ〜。」と少し舐められているような口振りでいやれとても腹が立った。そして俺は八尋を睨んだ。八尋も俺の事を睨んだ。
「あの〜、二人でイチャつかないでくれるかい。まだ話があるからさ。」
「イチャついてません!」俺はハッキリと言った。
「あ〜、ごめんごめん。なんか懐かしさが……じゃなくて面白くてさ〜。君いじりがいがあるからさ〜。まぁいいや!」俺は心の中で(えぇぇ…適当かよ……)と思った。
「あのさ、君って心の中で倒れてしまった感じでしょ。」俺は頷いた。
「でしょ。だから〜もうそんなこと起きないようにこの悪魔モルペウスのモルちゃんをあげるね。名前なかったから適当に決めちゃった。後で君が付けてあげな。あの、この子はきっと君を夢から助けてくれるよ。仲良くしてあげてね。」イムから小さな羊をもらった。そしてその羊をもらい撫でていると、突然七歳ぐらいの身長の可愛らしい女の子になった。その子は大きな羊の角を持っていて白いモコモコの羽を持っていた。
「お、こんなに可愛らしくなるとは、予想以上だ。」俺はイムの言ってることがわからなく、イムにこの子はなんなのか聞いた。
「この子は、この前家に来モルペウスの親子の娘ちゃんなんだ。でも、その親の二人は病気で消えてしまったんだ。それでその子ひとりぼっちでウチの病気の女の子たちもみんな嫌がってな、それで君が夢の中で黒い部屋に入ってしまうって聞いてちょうどいいかなって、この子そういう所から助けてくれる子だから。」そう言われた。でも、この子は女の子で嫌がるかと思った。
「お兄ちゃん…私の事…………嫌じゃない?」そう聞かれ俺は「嫌いじゃないよ」と頭をなでなでした。そしてその子は涙目で僕を抱いた。
「ありがと……う。」俺は今までのストレスが半分ぼど無くなるぐらい癒された。
「僕の名前は尚弥。じゃあ、君の名前は『ミャム』」そうなずけると、「ミャム……私…名前……覚えた。」
「よ〜し、ミャムちゃん!そこのお兄ちゃんのお友達の八尋だよ。よろしく。」八尋がミャムに言うと
「やぁ……しろ……八尋……八尋!よろし……く」八尋はまあまあ嬉しがっていた。
「うん。や、し、ろ、な。覚えてくれよ!」そういうと、
「うん!八じろ。よろしく。」また、俺のストレスが無くなった。
そしてめでている時、俺は「はっ」と気がついた。
「なんでイムも、八尋も、俺が黒い部屋に入ってもう一人の俺とあってたのがわかったの。」そう言うと二人は「え、」とした顔で慌てだした。
「なぁ、尚弥。その『もう一人の俺』ってどういうことだ。」真剣か顔をして八尋に言われた。
「え、あの、突然真っ暗な部屋に来て頭ズキズキして…穴みたいのがあって落ちて……気がつくと大きな川の端にいて……そして周りを見渡したら頭がまたズキズキして座り込んでたら……俺の大人になった方が出てきて…『思い出せ』って……言って…もっと頭がズキズキして倒れてって感じ。」そう言うと二人は突然俺の病室から出ていってしまった。
すると、ミャムがこう言った。
「尚弥兄ちゃん…尚弥兄ちゃんの頭のなかに強い…強い呪いがある…でも強い。八尋兄ちゃんも勝てない。僕なら少しぐらいは治せる。どう…する…」そう言われ俺は「いい?」そう言いミャムは
「私の…大切な……人を……また無くしたくない。」
そう言われ俺は「お願いしてもいい?」と言いミャムは頷き。俺の顔をギュッと抱きしめて「このモヤモヤ消えちゃえ。尚弥兄ちゃんから離れて。」そう言いミャムは黄色に光り輝いた。すると突然また頭がズキズキして目の前がまたボーッとしてきた。
「…お兄……お兄ちゃ……起きてよ!……兄ち……」どんどんミャムの声が聞こえなくなってとうとう聞こえなくなってしまった。そして目の前も見えなくなって、また眠りについてしまった。
つづく