コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
「夢」皆は叶えるモノ。寝ている間に見ているモノ。と考えると思う僕は違う。「夢」それは自分が作る世界だと思っている。叶える。と少し似ている気がするがそれとは違う。叶えるとは元々あったコトを目指して頑張る。ということ。僕の考えはイチから自分の好きなような世界を作ること。僕はそう思う
元々僕はこの憎たらしい世界が嫌いだった。コドモは年齢が低いため分けられるような素振りオトナはさらに上のオトナに振り回される普通に生活している僕なんかだと特になにも起きないつまらない世界ほとんどの人がこの面白くない世界の中で「ニンゲン」として生きている僕はこんな世界が嫌いだった
僕、青和 裕翔(あおわ ゆうと)は今日も川原に来ている自転車で通って行く学校帰りの恋人たち別に僕は羨ましいとなんて思わない恋愛など所詮勘違いなのだあの恋人達もいつかは別れが来るそんな不安定な関係など要らない
会社帰りのサラリーマン学校帰りの女子高生達遊び帰りの小学生達買い物帰りの主婦達が通るそんなたくさんの人が通る川原で夕焼けを眺めるのが僕の日課だなぜこのようなつまらない世界があるのだろうか夏の終わりの夕焼けを見ながら変な事を考える。貧相な僕には辿り付けない考えを川原に残し僕は家へ帰った
「裕翔!!あんたいい加減にしなさい!」母が僕に怒鳴っている。うるさい。血が繋がって居ても所詮は他人。他の人だ。家族なんていらないのに。僕は母を無視して部屋へ戻った黒で統一した部屋。僕の好きな場所だ。しかし、「家」というのは変わらないので落ち着かない。川原にも人が来て落ち着けない。一体僕に落ち着ける場所はあるのだろうか。また変な事を考える。どうせ考えても途中で投げ出して終わりなのにな。家に帰る途中に寄ったコンビニのレジ袋を開く飲み物と軽食を取り出しネットを見ながら僕は食事を始めた。不健康?そんなコトなんて知らない。対立関係である他人と食事をする方が不健康になる。なによりこんなつまらない憎たらしい世界から逃れたい。
僕は昔から人と接するのが苦手だった。小さい頃から人と価値観が合わず、ずっと1人で居た。友達なんていない。友達もどうせ川原の恋人のように不安定な関係だ。そんなモノなんて要らない。
中学校に入ると自殺願望が強まった。元々こんな世界楽しくなかったし、友達なんていない僕がポンッと居なくなった所で変わるわけでもない。ならば死のうか。と考えていたのだ。一時期、僕ではなく世界が変わればいいのでは?と考えたがこんな大規模な世界で僕1人の為に変わるなんてありえない。世界はこんなにも貧相なモノなのか。
結局死ねないまま僕は高校生になった。勉強もある程度出来るし、受験なんて落ちたからなんだ。という話だから辛くなんてなかった。
高校生なると僕は不登校になった。最初の1ヶ月は行っていたが、僕のクラスにはもちろん価値観合う人など居るわけもなく、こんな僕が居てもきっとクラスで悪目立ちするだけだと思い、不登校になった。不登校になってからは担任からの電話で電話が怖くなり、担任による家庭訪問でピンポンの音まで怖くなった。学校とは恐ろしいものだ。本人に無理をさせてでも学校に行かせたいのか。それは子供を育てる教師としてどうなのだろうか。いや、まず教師に育てられるという年齢でもないが。
一応僕も高校2年生だ。ある程度の勉強はしている。今日の予定を済ませて僕は自分のベッドに転がった。「このベッドやっぱりいい。お小遣いをはたいてよかったな」昨日、新たなベッドを買い今日。初めてこのベッドで寝てみる。若干の楽しみがある。なにか、他のモノを買った時とは違う楽しみがある。ついに僕も精神が狂ってしまったのだろうか。別にこの世界から逃れられるのならばいいのだが。
今は深夜0時を回った所。今日は新しいベッドで早めに寝ようと思った。ベッドに横たわり自分に布団をかける。この反発感、とてもいい。良いベッドだ。そのまま僕は眠りについた。
「ん、、、朝、、か?」(いやでも天井が違う、、)起き上がって見渡すと何も無い灰色の世界に僕の寝ていたベッドがぽつんと置かれている。《裕翔様!裕翔様!》「ん!?誰だ!?」《裕翔様!起きたのですね。おはようございます》「あれ、なぜだ、なぜ僕の名前を知ってるんだ、、!」《それは、わたくしがあなたの世界の聖霊だからでございます》「僕の世界の聖霊、、、?」《ええ、》「どういう事だ、、、理解が追いつかない」《あら、紹介が遅れてしまいましたね。わたくし、裕翔様の聖霊、リラと申します。お見知り置きをして頂くとありがたいです》「リラさん、、、?」《さん付けしなくて大丈夫でございます》「じゃあ、リラ」《なんでございましょうか》「ここはどこなんだ?」《ここは貴方の世界でございます》「僕の、、、世界、、?」《はい。裕翔様の感情で出来た裕翔様だけの世界でございます》「僕だけの世界、、」(この世界に人間は僕はだけ。僕が待ち望んでいた世界だ)“リラ”と名乗る聖霊。僕は不信感が多かったが、次第に興味が湧いてきた「なぁ、リラ」《はい。なんでしょうか》「この世界ってなにか出来る事とかあるのか?」《そうですね、、、人間のいる世界とは違う所は人間が裕翔様しかいない所です。この世界には裕翔様の感情から出来た聖霊達がたくさん住んでおります。私を含め、たくさんの聖霊が裕翔様が来るのを待ち望んでいました》「僕を来るのを待ち望んでいた?」そんな僕を待っている人がいるのか。僕は嬉しくなった《さぁ、裕翔様!裕翔様を待つ他の聖霊達の元へゆきましょう!!》僕は興味本意で「行こう!!」と返事した。
何も無い灰色の世界をリラと10分程歩くと自然に囲まれた街のようなモノが見えてきた《あれがこの世界の都です。》「あれが、、都、、。」都と呼ぶには少し儚げのある森の奥にあるような村だったが、この雰囲気もまたいいと思った。
都に着くと僕より少し背の低い聖霊達が迎えてくれた。聖霊は成人でも僕よりも小さいのだという『裕翔様!!いらっしゃったのですか!!!これはなんと素晴らしいこと!!!今夜は祭りだ!!!』他の聖霊たちも一緒になり盛り上がっている。心がじんわりと暖かくなる。なにか変な気持ちを感じる、、、《裕翔様!こちらでございます》「え?あ、ありがとう」ものすごく高そうな椅子を差し出されるどうやらこの世界では僕が王様らしい。王様というものはあまり好きではなかったがたまにはいいかなと思い座った。《裕翔様。裕翔様はこの世界で王様でございます。わたくしは秘書のようなモノです。》「王様、、、そんなアニメのようなモノが有り得るのか、、、」《突然ですが裕翔様、スピーチなどはどう致しましょうか》「うーん、せっかくだししようかな」こんな僕がスピーチをしようとするなんて珍しいことだ。なぜ僕はするなどと言ったのだろう、、?
リラからマイクを渡されスピーチを始める「えーと、皆さん。こんにちは。青和 裕翔と申します。」スピーチを始めると街にいた聖霊達が一斉にこちらを向いた「どうやら、この世界では僕は王様のような立場らしいのですが、正直僕は王様という立場は気に入りません。」「ので、これからは王様という立場を無くします。しもべや秘書という立場も無くします。」街からええ〜!!という驚きの声が上がる「と、言うことで皆さん。これからみんな自由に仲良く生活しましょう」街から歓声が上がる。こんな状況初めてだ。僕がこんな状況になるなんてな。僕は罪を犯した人などと二度としないなどとし、解放してあげた。{ありがとうございます!裕翔様。もう、こんなことなどしません。}「そうと期待してるぞ!」自分でもこんなタメ口で話せる事にびっくりした。これはほんとに僕なのかと思ったぐらいだ。「よし、じゃあ食料確保からやろうか!」((おー!!))《〜〜〜〜》【ー!!〜〜!】「なるほど〜考えられてるね〜!」《ありがとう!!裕翔様!!》こんな素晴らしい笑顔など初めて見た。こんな笑顔を出せるんだな。人間でこんな笑顔なんて見たことない。
はぁ、一生この世界に居たい。僕はいつの間にかそんなことを思い初めていた。
ある日、街から少し離れた木漏れ日の綺麗な湖を見ながら黄昏ていると片目を隠した茶髪の少年がこちらを見ていた。おいでと手招きするのこちらに近づいて来て隣に座った。「どうしたの?君の名前は?」[名前、、、名前ない]「名前がないのか、、そっか、」少年は黙って湖を見つめている「よし、僕が名前を付けようか」[え!ほんと?裕翔様が付けてくれるの?]「うん!付けてあげるよ!」「うーん、じゃあ、君は今日からアルフだ!!」[アルフ、、、めっちゃいい名前!!裕翔様ありがとう!!この名前大切にする!]「うん!大切してね〜!」[落ち込ん出たけど元気出たよ裕翔様!ほんとにありがとう!]少年は街に向かって走っていったこんな元気な素晴らしい子に名前か無いなんて。この世界でもこんなに悲しい事はあるんだな。「そんな世界嫌だな。僕が身を削ってでもこの世界を平和にしたい。」僕はびっくりした。自分にこんな感情があったなんて。「この世界は僕にとって、、、居心地のいい場所なのかもしれない。」やっと見つけた僕の居心地のいい場所。この素晴らしい世界だけは守りたい。僕はそう思った。
それから時々名前をつけた少年アルフと話すようになった。好きな事。好きな食べ物。僕の人間世界の話。たくさんのことを話した。僕とアルフは“親友”になっていたのかもしれない。親友なんて出来たことが無いので分からないが、これはきっと親友だと思った。そう感じたのだ。
この世界に来てから1ヶ月程がたった。リラが時系列は同じだと言っていたので今頃人間世界の僕は行方不明となっているだろう。
ある日いつものように湖でアルフと雑談しているとアルフから質問がきた。[裕翔様は人間世界に帰らないの?]ここに来てから考えたことなかったな。“帰る”ということを「今のところ帰りたくはないかな」[でも、人間世界の裕翔様の友達、悲しんでるんじゃないの?]「大丈夫、僕に友達なんていなかったから、」[じゃあ、別に人間世界に帰らなくてもいいんだ]「まぁ、そうだね〜」[でも、裕翔様はそんな人間世界にも好きな事とかあったんじゃないの?]「好きな事か、、」毎日夕焼けを見に行って通行人を眺めて。コンビニで買ったご飯を食べる。ネットを見ながら。そんな生活も嫌いではなかった。でも、でもオトナになるに連れて増えていく課題と親などという家族の存在。価値観が合わなく友達なんていないとてもつまらない生活。「こんなちっぽけなコトが自分をせめていた」と思うと、自分の弱さを感じる。と同時に世界や国への嫌悪感が湧いてくる。「僕は戻るべきなのかな」[うん。裕翔様。俺は裕翔様が戻るべきだと思うよ。]「どうして?」[きっと、人間世界には裕翔様にとって嫌な事もあっただろうけど、この聖霊の世界で人間がいるのは違う。違う場所なんだ。][もちろん、この世界から裕翔様が消えるのは嫌だけど]「消える、、、?1回寝て戻ったらもうここには来れないの?」[そうだよ、裕翔様。][今度寝るのは君。裕翔様次第だよ]
「今度寝るのは僕次第、、か、」
その話をしてから1週間僕は決意を固めた。リラに頼んで場を設けて貰った今からスピーチをするつもりだ。「皆さん。こんにちは。裕翔です。」突然のスピーチにびっくりする聖霊達だが、即座に話に集中しようとしている。「突然ですが、僕、裕翔はこの世界を去ろうと思います」突然の話に聖霊達は驚きを隠せないようだ。「皆さん知っているように僕は人間です。この、聖霊の世界に居てはいけないのです。なのでこの世界を去ることにしました。」「これだけです。皆さん、僕が居なくても仲良く生活してってください。」「今までありがとうございました」聖霊たちの中には泣く子もいた。そんなに僕に親しんでくれたと思うと僕も涙が隠せない。しかし僕は息を整えて街を出た。
本当はこの世界にいたかった。この世界で聖霊達と楽しく生活したかった。でも、僕にはそれはいけない。あくまでも僕は人間なのだからー
灰色の世界を10分程歩いた。リラと出会い、僕の感情も変わったであろう原点。僕のベッドだ。僕はベッドに横たわり自分に布団をかけた
横たわるとこの世界での思い出が蘇ってきた。盛大に迎えくれて、素敵な笑顔を見せてくれて。素敵な親友と出会て。家族のように出迎えてくれた方や、ほんとの仲間としてたくさん遊んだ方。僕は幸せだと思った。思わず涙が出てしまう
「ありがとう。僕の感情の世界ー」
そのまま僕は眠りについた
「あ、あぁ、起きたか、、、」いつもの僕の部屋の天井が見える。((今度寝るのは君次第だよ))「アルフ、、、」今は寝た日から1ヶ月と1週間。スマホを見ると行方不明のニュースがあった。(ものすごく大変な事になったんだな)帰って来た時家には誰もいなかった。なので家族が帰ってきたら言おうと思う
「おかえり。そして迷惑かけてごめんね。いつもありがとう」
これからはなんだか人生が楽しそうだそして僕はいつものように様々な通行人の通る川原へ走っていったー