「環!起きろー!!」
私はそう言い彼の体を揺すった
「あともう5時間…」
「5時間じゃないの!起きろーーー!!」
また再び彼を揺すった。
「わーーーった!起きる起きる!下で待ってろよ!!!」
「あかりはうっさいなあいつもいつも…」
「ちゃんと起きない環が悪いんだからねー」
「へいへい」
「おはよう…ふわぁー…」
いつもの様に彼は椅子に座った。
「朝ご飯なーに?」
そう説いてきた。
「昨日の残りの焼き肉!」
「うげ…ヘビー…」
「はい文句言わない!いただきます!」
「いただきまーす…」
またいつもの様に朝食を食べる。
「あ、きょー俺仕事あるから先行っててー」
「またなの?」
少し怪しげに問う。
彼は最近毎日毎日仕事と言い張っているのだ。
「そーだよーんじゃ、行ってきまーす」
バタン。
音が鳴り響く。
それから私は後片付けをし家を出た。
「行ってきます…」
会社につくと。
「あかりさん今日暇?」
「あーいや…今日は…」
「ね?いいじゃん二人で飲みいこーよ??」
いつもしつこい上司のモブさんがまた話してくる。
「私今日は駄目なんです…他の人と行ってください…」
「は?つれねえなあ…チッ」
モブさんは舌打ちをする。
その音は私にとって不快極まりない音だった。
「あ”ーーーーー!!仕事終わっだーーー!!」
(もう今日はかえってやけ酒だやけ酒!あ、そーだ環にも買ってあげよっかな!高い酒久しぶりだあ!)
「ありがとうございましたー」
「ふんふふーん♪」
(今日は飲みまくるぞー!)
幸せそうな声が響く。
「ブフーッ」
その時、携帯がなった。
「?なんだろ」
私はそう言い、携帯を開く。
そこには一件のメッセージがあった。
【今日俺仕事遅くなりそう。晩ごはんは大丈夫。】
「…」
「なによ…」
さっきまでの笑顔は消えていた。
「もういいや…」
呆れた。
最近これが何回も何回も繰り返しているのだ。
「はあ…」
ため息をつく。
私はそのままトボトボ歩いていった。
ある繁華街をあるいていた。
「コンビニ弁当でいいかな…」
そう呟いた時に見覚えのある顔が私の横を通った。
「…!!!」
環だ。さっきすれ違ったのは間違いなく環だ。
私はすかさず環の後ろをつける。
楽しそうな声が聞こえた。
「ねーぇ…私の事どれぐらい好きなの?」
「モブ女の事?んーとなぁ…これくらいかな?笑」
そう言って環は手を広げた。
「えぇーそんなんじゃわかんないよぅ♡」
「じゃあ彼女さんと私どっちが好きなのぅ?♡」
気持ち悪い声が頭に響く。
環なら私を選んでくれる。だって信じてるから。愛し合ってるから。私達なら大丈夫…きっと…
「モブ女の方に決まってるだろ?笑笑」
「だよねぇー♡♡♡♡」
プツンと何か切れたような気がした。
「え…?」
ペタン…
体の力が一気に抜けた。そこで私は地べたに落ちる。
「あ…あぁ…あ…」
こんなにどん底に落ちたのは初めてだった。
他の人が私の横を通るたび私を見て笑う。
「あは…あ…」
大粒の涙が溢れてきた。
止まらない。何度拭いても何度拭いても止まらなかった。
「ぐずっ…あぐ”…」
鼻水も涙袋も止まらずに地べたでずっと泣いていた。
その時。
「大丈夫ですか?ほら、ハンカチ使って。」
ある人に声をかけられた。
「貴方は…?」
私は泣きながら問う。
「僕は…」
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