「…おはよう」
返事はない。
君の頬にそっと触れる。
「っ…」
なんでなんだろうな。
君に触れてるとすっごく哀しくなる。
「すきだよ。」
これで何回目だろう。
数え切れないほど、伝えてるのに。。
「ずっと好きです!あ、いや、す、好きでした!ん、あ、えっと、やっぱ好きです!」
「そんな緊張しなくてもいいのに〜」
と、君は笑う。
そして頬を赤らめてこう言った。
「…俺も好き…です」
嬉しかった。
とにかく抱きつきたかった。
泣きたくなるぐらい好きだった。
「もしもし〜?」
「もしも〜し」
「明日休みだし、どっか遊びに行こうよ!」
「あ〜、わり。明日ちょっと用事あるわ。」
「また用事〜?」
「わりぃなほんと」
「ん〜…わかったよ〜」
いつからだろう。
最近冷たいなと感じたのは。
学校以外では会ってないし。
それに一緒にすら帰れてないし。
「すきだよ。」
「ありがとう。急にどうしたんだよ」
そう言って笑った電話越しの君の声を聞いた。
「あ!じゃあ一緒に帰れる…?」
「あぁごめん!明日は一日中忙しいんだ。」
「…そっか!ごめんごめん!」
付き合いたてはあんなに楽しかったのになぁ、
「ごめん。私もう寝るね。」
「え?まだ21時だよ?」
「眠たいの〜」
「そっか。じゃあ、しょうがないな。
おやすみ!」
「うん。おやすみ。」
なんで。なんで。。
この前までは、まだしてようよ。話してたい。
そう言っていたのに。
いつしか好きを伝えても、ありがとう。
それしか返ってこなくなっていた。
「ねぇ、あんた最近彼氏とはどうなのよ」
「まぁ、ぼちぼちって感じ?」
「何それ〜」
「ちゃんと上手くいってるよ〜」
また言っちゃった。
本当の自分の気持ちなんて。。
「あ、ごめん、ちょっと待っててね」
「ねぇ!!明日休みだし、家、泊まりに行ってもいい?」
「明日〜?」
「だって最近全然一緒にいれないから…さ?」
「ん〜…じゃあ明日の昼頃には帰れよな〜」
「ありがとっ」
「じゃ後でな!」
「…一緒に帰らないの?」
「友達と約束しててな、ごめん」
「ううん!大丈夫!じゃ、後でね!」
やっぱ一緒に帰れないんだ。
「おやすみ。」
ついこの前までは夜もくっつきながら寝てたのに。
え〜、まだ寝ないでよ〜。
そう言ってくれてたのに。
気づけばいつも私だけ置いてかれてるような気がして。
胸が痛くて。痛くて。。
それでも、誰にもこの気持ちを言えずに我慢してきた。
…でも、もう耐えられない。
「すきだよ。」
目から何かがが零れる。
泣きたくなかった。気にしすぎだと思っていたかった。
「きっと、君はかっこいいから新しい彼女でも出来たのかな、」
そっと、彼の頬に触れる。手を握る。
この手だ。私を落ち着かせてくれた手。
でも、どこか痛くなるような、私を悲しませる手。
「っ……」
そのまま彼の胸の中で哀しい夜を過ごした。
「…おはよう。」
返事はない。
君の頬にまた、そっと触れる。
「すきだよ。」
今までの日々が、思い出が浮かんでくる。
初めて君の名前をちゃんと呼んだ日。
初めて君の手を繋いだ日。
初めて一緒に遊んだ日。
初めて、二人の唇を合わせた日。
「はは…私ってば、ほんと気にしすぎなのかな。」
大好きで大好きでたまらなかった。
なのに、なのに。
「だめ…泣いちゃダメだよ私…」
「ダメ…なの…」
どうしよう。止まらないや。
「どしたの」
君の手が頭に触れる。
「別に。なんでもない。」
「なんでもないわけねーだろ」
「なんでもないから…もういいの…」
「泣いてるとこ見てほっといてらんないだろ」
「じゃあなんで!なんで…私なんかに優しくするの…」
「好きなじゃないなら…もう……優しくしないでよ…」
「そっか。ごめんね。」
「もう、やめよう。」
「え?」
「もう終わりにしようって言ってんの!」
「………」
「なによ!またそうやって黙って!またそうやって都合のいい時だけ黙ってさ!」
一度溢れ出した感情は、もう止まらない。
「ホントの気持ち…教えてよ…」
「…ごめん。もう好きじゃないんだ。本当にごめん。」
わかってた。
答えなんて最初からわかってた。
なのに。なのになぜ、こんなにも悲しいのだろうか。
「…わかってた。知ってたよ。」
「………」
「新しい彼女さんの事、大切にするんだよ。」
泣きたかった。
でも最後まで涙は見せたくなかった。
意地ってやつなのかな。
「ばいばい。今まで色々ありがとう。」
心の中で私は言う。
君のことなんか大嫌いです。
でも、、
大好きでした。
コメント
1件
やっぱノベルがいっちゃん書きやすい…!!!