コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
補習6日目。
「この問題は、、こっちの公式?」
「そう」
教室に入ると、萩原が沙羅ちゃんに勉強を教えていた。
「はよ」
萩原が私に気づいて挨拶してくれた。
「、おお、おはよ」
「萩原くんどう?合ってる?」
「うん」
「やったー、あっ、おはよ凌ちゃん」
「あ、おはよ」
「遅いな、今日」
萩原がまたこっちを振り返って言った。
「ちょっと電車乗り遅れてさ」
「寝坊か」
「まあまあ、遅刻はしてないんだからさ」
そう言うと、萩原はいつもの、あそう、みたいな顔をした。
「、、昨日」
「何?」
昨日二人でどこ行ってたの、と聞きたかった。そんな重い言い方じゃなくて、どこ行ってたんだよとか、どっか行ってたのかとか、行くんなら私も連れてけよとか、そんな言い方でよかったのに、聞けなかった。
「さすが天才だねえ、教え方も上手いなんて、、萩原くん?」
「凌ちゃんどうしたの?」
「、、ん?、あ、いやごめんぼーっとしてた」
「なんだびっくりした、ねえねえ萩原くんってなんでそんな頭良いの」
「、、別に普通だけど」
できることなら、しれっと教室を抜け出したかった。