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Na視点
カタカタカタ…カタカタカタ…
はぁ…
今日も今日とて彼女は帰ってこない
厳密には帰ってきてはいるが、すぐ出ていってしまう
別れろって友達に相談したらいわれるが
なぜかその気にはなれない
なぜだろう…
最近、よく夢を見る
彼が転校してしまうあの日のこと
『っ………』
仕事に集中しないと…
カタカタカタ…カタカタカタ… カチッ
『ふぅ…』
今日は早めに終わらすことにした
最近ずっとこの暗い部屋に籠りっぱなしだった
少しは太陽の光も浴びたほうが
いいのかな
そう思って、着替えなどを済ませ
思いっきりドアを開けた
ガチャッ
『うわぁっ、まっぶし…』
今は午後16時
久しぶりにでる外の光は
自分には眩しすぎたみたい
…どこへ行こうか
人通りが少ないところへ来てみた
厳密にはこの時間帯だけ
異様に少ないというだけで…
それでも
美味しそうな匂いはするし
いろいろな店を覗けば
老若男女、様々な人がいた
日差しが眩しい…夕方なのに…
やっぱり外に来るべきではなかった
今の自分にはとても疲れる場所だった
間違えた…
『はぁ…』
ため息をつきながら歩いてると
『っ………!!』
少し先のカフェに
彼、Shがいた
話しかけたい…けど話したくない…
早く足を動かして
別のところに行こう
そう思って
通り過ぎようとしたとき
彼がこっちを見た
彼はニコッと笑顔をつくって
返された
やっぱかっこいい
けど、こんな姿を見せられるわけない
隈も酷いし、格好もだらしない…
俺はペコッとお辞儀をして
足早に歩きだした
ガシッ
「おい!」
彼が後ろから腕を掴んできた
『っ………』
振り返りたくない
やだ…
『なに…?』
Sh「なんで逃げるの?」
『…逃げてなんかいないよ』
逃げて…なんか…にげ…
ギュッッッ
握られる手が強くなった
反射的に
『ぃ…痛いッ…』
といった
Sh視点
『あぁッ…ごめん…』
反射的に手を強く握っていてしまっていたようだ
久しぶりに会うのに…
けど…
『俺となんて…会いたくなかったよな…』
彼は喜んでくれると思った
けど、違った
『…連絡しても繋がらないし、電話かけてみても
駄目だったから…』
何度かしてみた
けど、一度も出ることはなく
過ぎていった
彼からの反応は無く
『ごめん…じゃっ…』
気まずさを残したまま
彼に背を向けて歩きだした
あの頃と全く変わってないじゃないか…
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俺は高校生のとき
一目惚れしたやつがいた
ただ俺の性格上、アプローチなんて
できなかった
それでよく相談にのってもらっていた
BrとKrっていうやつに
『いいなぁ〜お前らはうまくいきそうで』
Kr、Br「「でしょ〜」」
クソッ…そう、この二人も同性だが
好きな人がいる
しかも、うまくいきそうなのだ
Br「早くアタックしてみればいいじゃーん」
「ほら、あたって砕けろって」
『まぁーそうなんだけどなー』
そう、実際俺にはもう時間がない
転校してしまうから
彼とはとうぶんは会えないないだろう
Kr「まぁ〜がんばれSh」
「お前ならできる」
「大丈夫!」
『………』
Br「まぁーがんばれ」
「いける!いける!」
って言われたものの
俺は結局彼に思いを伝えられなかった
転校後も何度か連絡を送ってみたが
返信が返ってくることはなかった
『やっぱ…、嫌われたのかな…』
彼との最後の帰り道
別れ際に少し言い合いをしてしまった
きっとこれがよくなかったのだろう…
もし……もし
あの日…
いや、もっと前にも
戻れるのなら
やり直したい…