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「あ、あの…これは、一体…?」
クロノアさんに貰った水を飲んだあと、何故か強烈な睡魔に襲われてそのまま気絶するかのように寝てしまった。
そして起きたら首元に絞まらない程度の首輪が付けられていて、それから伸びる長い鎖がベッドに固定されていた。
「こ、れ外してください…そ、それにここは何処ですか…」
見たこともないような部屋。
誰の部屋でもなさそうなそこ。
殆ど物の置かれていない殺風景で、白い空間。
窓はない。
あるのはクロノアさんたちの後ろにあるドアだけ。
そのドアの内側にはノブがない。
「な…何か言ってくださいよ…ねぇ…ッ」
何も言わず無言で見下ろされる。
「俺を、どうする気なんですか…?」
俺が乗ってるベッドと簡易的な机とセットであろう椅子。
置かれてる家具はそれだけ。
「前に言ったよね」
急に喋り出したクロノアさんに肩が跳ねた。
「きみのこと閉じ込めておきたいって」
クロノアさんが言わなさそうな冗談だったから戸惑ったあの時の言葉。
なんとか切り替えして冗談きついですよーと返事をしたのはこの間のこと。
「冗談、ですよね…?みんなでドッキリを、してるだけですよ、ね…?」
チャラ、と鎖が擦れて小さな金属音が鳴る。
「俺たち、トラゾーのことすごく好きなんだ」
「ぇ」
「誰にも渡したくない。誰の目にも見せたくない。声も聞かせたくないし、触れさせるなんて以ての外だ」
「クロノアさん…、っ?」
「だったら閉じ込めればいいじゃんって、みんなで話したんだよ」
「ぺいん、と…嘘だよ、な…?」
見たことないくらいの鋭い目でじっと俺を見下ろすぺいんと。
「嘘?んなわけねぇだろ」
「誰にも靡かないくせに、誰でも誑かす悪い子は躾直さないと」
スティーブさんがにこりと優しく口元を緩めて笑う。
でも、その目は全く温度のない冷たいものだった。
「嫌だ…っ」
「あ。安心しろよ?イナリさんにもちゃんと許可もらってるから」
「ぇ……」
「『トラゾー殿のこときっちりわからせてあげてください』って言伝もらってる」
「そっ…そんなわけ…!」
「だから浮気にはなんねぇから安心しろよ、トラ」
イナリさんがそんなこと言うわけない。
そもそも俺は誰かに靡いたとか誑かしたとかそんなことしてない。
ただただ、みんなと仲良くゲームしたり遊んだりしていただけなのに。
「これからはここで過ごしてもらう」
唯一の常識人だと思っていたリアムさんにまでそう言われた。
「なんで…、なんでッ、こんなことっ!おかしいだろっ!?」
「なんで?…そんなの、」
「ゔっ⁈」
首輪を引っ張られてクロノアさんの整った顔面が近付く。
綺麗な顔だから余計に圧を感じていた。
「愛してるからに決まってるだろ」
「お、れは…みんなの、こと、…ともだ、ち、とし、か…ッ」
「大丈夫だぜ?その辺も教えてやっから。…お前がどんだけ俺らの愛情に気付いてなかったのかを、徹底的にな」
ガシャン、と右の足首に枷がはめられた。
「え、ぁ…⁇」
青褪めながら視線をゆっくり上へと辿らせる。
「、ぁ……、」
そこに繋がる鎖を握っていたのは果たして誰だったのか。
こんな重いモノたちに縛り付けられていたら、俺はいつか潰れてしまう。
っていう、物理的、心理的、精神的にもバチバチに縛り付けられてるみんなの激重愛情にトラゾーさんがぶっ壊れていくパターン。
────────────────
「なんか最近、物がなくなるんです…」
「え?トラゾーさんが?」
「はい…絶対に入れたはずなのに」
忘れ物がないようにと必ずチェックして出掛けてる。
無くなって困るような物じゃないけど、なんか変な感じがして。
「落としちゃったとか?」
「うーん、…やっぱりそうなんですかね」
気付いたら無くなってるのだ。
具体的にいつ無くなってるのかも分からんくらいに。
「トラゾーにもそういうのあるんだな」
「ぺいんとさんはしょっちゅうでしょ?てかそもそも持ち歩かないでしょうし」
「失礼だな。俺だって持ち歩いてるわ、ほら」
そう言ってぺいんとはハンカチを取り出した。
俺の持ってる物と瓜二つで。
「これぺいんとも持ってたんだ。このハンカチいいよなぁ吸水性すげぇだろ」
「…あぁ、…すげぇな」
「?、…今度は買いに行かないとな…」
「なら俺が買ってトラゾーにやるよ」
ハンカチをしまったぺいんとが笑いながら言った。
「えぇ…悪いって」
「俺があげてーの」
「でも…」
なんか悪い気がしてならない。
それにハンカチくらい自分で買えるし。
「いいじゃん。ぺいんとがそう言ってるんだし」
「クロノアさんまで…」
「じゃあ僕もトラゾーさんにハンカチあげようかな?」
「えー?じゃあ俺もトラゾーにプレゼントするよ」
「は⁈いやいや!そんなハンカチばっか要らないですって!」
そんな失くすばっかもしないだろうし。
「「「……」」」
流石に断ろうとしたらスッと一瞬だけ肌を刺すような視線を向けられた。
「⁇、あの、…?」
「まぁまぁあって困るようなもんじゃねぇし。折角しにがみとクロノアさんがプレゼントするって言ってたんだから甘えとけよ」
いつものぺいんとの表情に気のせいかと小首を傾げながらも、申し訳なく感じつつも頷いた。
「ぁ、の…ありがとうございます。たかがハンカチなのに、しにがみさんもクロノアさんも、俺嬉しいです…ッ」
照れながらお礼を言うと2人も笑顔を返してくれた。
「ぺいんともありがと、嬉しい…」
頬を掻くとぺいんとに肩を引き寄せられた。
「かっっわいいなぁ!トラゾーはマジでっ!」
「かわ…?可愛くはないだろ…」
俺に1番似つかわしくない言葉だ。
「トラゾーさんは可愛いですよ?」
「うん、トラゾーはすごい可愛い」
「うぇ…っ⁇」
3人とも顔がいいし声もいいからすごい恥ずかしい。
「みんなの方が可愛いでしょ…」
「「「それはない」」」
「どうせならかっこいいがいい。トラゾーにはそう思われてぇもん」
「いや、ぺいんとはかっこいいだろ…?」
「トラゾー俺は?」
クロノアさんが手を握ってきた。
「へ…っ⁈」
「俺は、どう?」
「ぇ、クロノアさんは非の打ち所がないくらいかっこいいですよ…?」
「僕は⁈」
「しにがみさんもかっこいいけど、やっぱ可愛いが勝ちますかね…」
あれ複雑そうな顔。
「…だめ、ですか?」
おずおずと俯くしにがみさんの顔を覗き込む。
「ダメじゃないです!!充分すぎるくらいありがとうございます!」
「わっ」
急に元気になるしにがみさんに驚きつつ笑った。
やっぱりみんなといるの楽しいなぁと思う。
無くしたハンカチはリスナーさんからの貰い物だった。
失くしちゃったのは申し訳ないし惜しいと思うけどしょうがない。
物が無くなるのは困るけど、さほど生活に支障はないしいっかとみんなとの会話を続けた。
(※因みにハンカチをプレゼントする意味は別れや縁を切るという意味。
また、マーキングという意味合いもある。
常に身につける物ということで自分を意識して欲しい、自分のモノにしたい、独占したい、という意味もある。)
っていう、トラゾーさんが鈍感天然すぎてみんなの激重愛に気付かないうちに外堀埋められて、逃げられなくなってるパターン。
─────────────────
「む、りぃ…っ!」
俺のことを押しつけるらっだぁさんと後ろから押さえつけるぺいんとに叫んだ。
「無理じゃないって」
「もぅ、はい、んないぃ…ッ」
「入る入る」
「入んないっ、てばぁっ!ぅあッ⁈」
「「ほ〜ら入った♡」」
違いますよ。
変なことは一切俺らはしてません。
ややこしい表現してるかもしれないけど、ホントに全く一切やましいことはしてない。
「ん、っくぅう…!」
一刻も早くやめてほしい。
マッサージしたいっていうから、流れでお願いしたら足ツボの方だった。
痛い場所にらっだぁさんの指が入って身悶える。
「ひっ、ぃん゛!ゃめ、ッ、い゛ぁっ⁈」
いくら恋人だからって、こんな罰ゲームみたいなことされて少なからずショックだ。
こんな泣き叫んだような俺を見て何が面白いというんだよ、と涙目で2人を睨み上げる。
楽しそうに笑いやがってと。
「「(とかって、思ってんだろうな)」」
「トーラ♡ほらここはどうだ?」
「ひんッ⁈」
「俺は肩でも揉んでやろうか♡?」
「だッ…」
肩というより首筋に近い場所を揉まれてびくりと体が跳ねる。
「「あ゛〜♡クッッッソ可愛い♡♡」」
「やっ!も、やめっ、ろ、って、ッ!!」
「恋人のいろんなカオ見てぇじゃん?」
「そそ。痛がるカオも可愛いし甘やかしてぐずぐずにもしてやりてぇし」
「ぁ、んっ⁈」
足の裏から手を離したらっだぁさんが、がばっと俺の両脚を開いた。
「へぁっ////!!?」
「付き合い始めた時に言っただろ?俺らの愛って超重いって」
「それでも受け入れてくれてのはトラゾーだろ」
ハーフパンツの裾やTシャツの中に侵入する2人の手に躾けられた俺の身体が期待で震える。
「重たくても俺なら受け止められるって、トラゾー俺らに言ってくれたもんな♡」
「めっちゃ嬉しかったぜ♡」
「ぁっ♡」
「「な♡♡?」」
「だ、って、嬉しい、から…♡」
みんなの愛が重すぎても俺なら受け止められるって本気で思ってるから。
時々重すぎて啼かされすぎる時もあるけど。
「それ他の奴にも言ってやれよ?喜ぶぜ」
「お礼に悦ばせて貰えるじゃんトラ♡」
「はゎ…ッ♡」
ホントにたまに逃げ出したくなるくらい重いときもある。
けど、その度に教え直されちゃうから俺って現金な人間なんだなって思う。
「もっと♡」
「「もっと愛してやるよ♡♡」」
「〜〜〜♡♡!!」
束縛されててもいい。
それがみんななりの愛情なんだから。
と、頭の中はもう2人にこれからして貰えることでいっぱいになっていた。
っていうみんなと両想いのちょっとギャグ寄り(エロもちゃんとある)みたいなやつ。
コメント
8件
うっっひょ〜〜‼‼‼あんなカスみたいな表紙からこんな神作品ができるなんて‼‼嬉しい!愛が重いのをハンカチあげるので表すの天才、トラゾーさんつきがきれいですねとかは知っててもそういうのは知らなそうだし、知ってても俺になんかじゃないなと思って勘違いしてそう 長文しつれーしました
うわっ…この1話、めちゃくちゃ重い…でもその重さがむしろクセになる感じ🥀 クロノアさんの「愛してるからに決まってるだろ」、あれ本気の目がヤバかった…。 あと無くなってたハンカチの意味とか、みんなの愛情がじわじわ絡みついてくる感じ、読んでて息苦しいのに目が離せなかった。 続きも読ませてください…!