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wt様の腐向け。
brknのお話。
煉瓦造の建物に茶色のドアとランプ。
シンプルなメニュースタンドとドアに掛けられたOPENと書かれたプレート。
普通にオシャレなバーの外観をしている。
休日は寝る、猫を愛でる、散歩するくらいしかすることはないのだが昨日の出来事があまりにも気になりここまで来てしまった。
インターネットで住所を公開していないのもあり珍しいところのようだ。
昨日の名刺をくれた人は”きんとき”という名前らしい。
ここで疑問点が生じる。
それは何故きんときがSweet Kiss Nestのキャストをしているのかということ。
だって友人が言うにそこはガールズバーのハズだ。
対してきんときは明らかに男性だった。
……あれかな、僕の目が節穴なのかな。
本当は女の子だったのかもしれない。
そしたら僕めちゃくちゃ失礼じゃん。
ドアを開けるとカランと鈴が鳴る。
「はぇ…すご……」
確かに天国のような場所だった。
客こそ少ないが店内の雰囲気はとても良い。
キャストと思われる方々は全員黒いうさ耳を着用しており、人によっては片方折れ曲がっている。
衣装は白と黒を基調としているようだ。
一部水色や紫もいるが。
よく見るとふわふわとした丸い尻尾も付けられている。
「あー!きんときが言ってた方ですか?」
「わ!びっくりした……」
目の前には自分よりもかなり低い人物。
テンションは多分僕よりかなり高い。
スカートやリボンの色は水色だ。
「すみません、あまり見かけない方珍しーってなって興奮しちゃうんです」
「はぁ………あ、きんときさんに招待されて…?来ました。」
「分かりました、今日はトクベツですよ?」
「スーッ……きんときぃ!!指名ー!!!!」
慌てた様子で誰かが奥から出てくる。
「きんときさんですか?」
「わ……んん゙っ!はい、今日はいっぱいくつろいでいってくださいね」
「は、はい……?」
丁寧に返される。
見た目は皆と何ら変わらないバニー姿。
強いて違うのはスカートとリボンの色が青色という点。
どちらにせよ女性的だ。
しかし周りのキャストは胸元が膨らんでいるのにきんときはぺったんこである。
「どうぞ席に座ってください」
「ありがとうございます」
「何から話しましょうか?」
「えっとぉ…失礼かもですけどきんときさんの性別は……」
「俺は男です」
「そ、そうなんだ……」
「昨日は助かりました、感謝してもしきれないくらい……」
「あれくらい大丈夫ですよ、結局何だったんですか?」
「……少々長くなりますが話しますね」
「当店はお客様一人一人にじっくり対応するため人気の少ないところに店を構えてSNSでは住所を公開しないようにしてるんですよ」
公開してないのそういう理由だったんだ。
確かにここは人がたくさん来そうだな。
「なので近くを通った人に名刺を渡して興味のある人は立ち寄る……そういうカタチで営業してました」
「あ、勿論渡す人もある程度見定めて渡してますから。」
「なるほど、そういう感じならお客さんも良識ある人の方が多いのかな」
「そうなんですけどやっぱりヘンな人は一定数いるんですよ、それが昨日の金髪の人です」
「一回担当しただけで自分のことを好いていると勘違いしてストーカー行為を繰り返して……迷惑ですよもう。」
そういうことね。
「てか、そこまで親しくない僕にそんなに話しても大丈夫なの?」
「ふふ、大丈夫じゃないですよ、トクベツです。」
「他の人には秘密にしてくださいね?」
「は、はい!」
「敬語も外してください、何だかぎこちないですよ」
「確かに、ちょっと崩して話そっ……」
「お客様ー!お時間でーす!」
気付けば水色の子が隣にいた。
「初めてのお客様は最初の三十分は無料ですがこの先は有料となります!」
「どうします?」
「どうしよ……」
「……。」
チラチラときんときがこちらに視線を送ってくる。
延長しないと駄目な状況だ。
「……まだ僕もきんときとお喋りしたいから延長するよ」
「ありがとうございます!一時間の延長でよろしいでしょうか?」
「はい」
やっぱり水色の子も仕事慣れしてるな。
接客上手だしメモの執筆速度速いし。
「ではまたごゆるりと。」
「さっきの子凄く仕事慣れしてるね。お名前は?」
「…なかむ……」
「なかむ、ね…あと思ったんだけどさ、なかむときんときと紫色の人ってどうして色あるの?」
「三人とも男だからです」
「へぇ……………ん?」
「色がある人は男です」
「ん???」
「なかむもスマイルも男です」
「え〜〜〜!!!?」
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